徒然草紙

読書が大好きな行政書士の思索の日々

遺言状 その12 代襲相続の2

2006-03-30 19:50:29 | 遺言状
以前、代襲相続について書いたことがあります。
今日はその続きです。

代襲相続人の範囲とその問題について、前回はくわしく書
きませんでした。今回はそのところを明確にしたいと思いま
す。

代襲相続人は、相続人が死亡した場合に、その相続人が
相続する予定だった財産を、死亡した相続人に代わって
相続する人のことです。

その範囲ですが、第一に相続人の子供が挙げられます。
そして、相続のときにその子供がすでに死亡していた場合
には、その子供の子供が、(つまり、被相続人からみれば
曾孫が)代襲相続人となります。

第二には、被相続人の兄弟の子供が挙げられます。いわ
ゆる死亡した被相続人にとって、甥とか姪とかいった関係
の人に代襲相続の権利が認められます。
この場合、甥や姪の子供には代襲相続の権利は認められ
ていません。

代襲相続の権利をもつのは、以上挙げた二つのうちのどち
らかの人だけです。

ここで注意しなければならないことは、被相続人の子供が
相続人の場合には、代襲相続をできる人の範囲は無限大
だということです。

もう少しくわしく言います。

先ほど、相続人となるべき子供が、相続の時点ですでに
死亡していた場合には、子供の子供が代襲相続の権利
を得ると書きましたが、その子供もすでに死亡していた
場合には、その子供の子供が代襲相続人となるのです。
そして、驚くべきことには、代襲相続はこの時点で終わり
ではありません。相続人の子供の直系の子孫には永遠
に代襲相続の権利が認められるのです。
代襲相続の権利の及ぶ範囲は無限大と書いたのはこの
ためです。

それでも、実際問題として、そのようなことが起こりうるの
かといった疑問があります。

しかし、それに似たことは現実にあります。
たとえば、曾おじいさんが亡くなってからずいぶんと長い
年月がたっているのに、その曾おじいさん名義の財産が
そのまんまになっている場合などはどうでしょうか。

遺言状もなく、遺産分割協議も行なわないで、その財産
が、事実上、ほったらかしの状態になっていたとしたら。
しかも、曾おじいさんには、子供が何人もいて、当然のよ
うに孫の数も多くて、時代が経つうちには、そのうちの何人
かはどこに行ったのやらさっぱりわからないなんてことに
でもなっていたら、どうなるのでしょうか。

遺産分割協議は、相続の権利を持つ人全員が集まって
行なわなければなりません。そうでなければ、その遺産
分割協議は無効となってしまいます。
もしも、今書いたようなことが現実に起きたとしたら、それ
こそ悪夢でしょう。そして、それは現実に起こりうることな
のです。

代襲相続という制度には、このような問題があります。

ですから、土地建物などの名義が、すでに死亡している人
の名前のまんまになっている場合には、注意が必要です。

心当たりのある方は、一度、登記簿などをご確認されるこ
とをおすすめします。

相続の権利をもつ人の数が、際限なく広がる前に、財産の
帰属をはっきりさせておかれた方がよいでしょう。


桜の森の満開の下

2006-03-29 19:17:10 | 日記・エッセイ・コラム
桜が満開です。まだ4月になっていないのに
街は早くも、春爛漫といった感じです。

私などは、桜といいますとすぐに学校の入学
式を連想しますので、今年のように入学式の
前にすでに桜が満開になって、いよいよ式本
番というときには、すでに桜が散ってしまって
いて、あるのは葉っぱだけなどというおそれが
あるときは、とても不安な気持ちになってしま
います。

しっかりとした土台の上に建った建築物がず
るずると崩れていってしまうかのような、そん
な不安におそわれるのです。

地球が温暖化しているんだから、別に気に病
むことはないのではないか、と思われる方も
おられるでしょうが、まさにそのこと自体が問題
なのです。

桜の時期がずれる程度で済めばよいのですが
それだけでは済まないことはみなさんご存知
でしょう。ただ、今すぐどうのということはありま
せんから、あまり気にしていないというのが本当
のところだと思います。

私にしたところで、普段からこんなことを考えて
いるわけではありませんので。

「桜の森の満開の下」は坂口安吾の小説の題名
です。冒頭で坂口安吾は、桜の花の下に人間が
いないと怖ろしい景色になると書いています。

小説の筋からいくと、人間が桜の花に魂をとられ
て、花びらに変えられてしまうことをいっているの
だと思うのですが、それがなにを象徴しているの
かを考えますと、少し気味が悪いです。

世間を見渡しますと、陰惨な事件が多すぎます。
怒りのもって行き場がどこにもない、ある意味で
救いようのない閉塞感が社会を覆っているような
気持ちがします。誰も気づかないうちに、ある日
突然、磐石に見えた社会が音をたてて崩れ去って
しまうのではないか。

暖かな春の日差しがふりそそぐなか、季節はず
れの満開の桜の花の下を、こんなことを考えな
がら歩いている今日このごろです。

ちょっと暗くなりすぎました。元気出していこう!


名称変更のお知らせ

2006-03-27 19:22:54 | 日記・エッセイ・コラム
色々と考えまして、このたびブログの名称
を変えることにしました。

当初、予防法務を中心としてなにか書けない
かと思って始めてみたのですが、法律以外に
面白いこと、興味を引かれることがたくさん
ありまして、いつのまにやら法律なんてどこに
いったの?といったブログになってしまいました。

まあ、それだけ書きたいことが広がってきている
ということで、今回思い切ってブログ名を変えま
した。

これからもよろしくお付き合いください。



春一番吹く

2006-03-06 19:16:27 | 日記・エッセイ・コラム

今日、春一番が吹きました。新聞によると、昨年

より11日遅いとのこと。このまま、暖かくなってく

れると、非常にありがたいです。なんと言いまして

も、寒い日は外回りは大変ですから。行政書士と

言いましても、一日、事務所にいて書類を作って

などいません。大体が、クライアントのもとに行って

いるか、書類を集めに役所をはしごしているかです。

ですから、暖かくなるのはとてもうれしいのです。

もっとも夏の暑さはごめんですが。

民主党のごたごたは続いているみたいです。身から

出たさびと言えばそれまでですが、どうなることやら。

永田議員については、懲罰委員会で登院停止とか

いう大したことのない処分で済みそうです。どうにも

納得いかない結末になりそうですね。今日の春一番が

永田氏のような人権侵害議員を吹き飛ばしてしまえば

いいのに、などと考える私です。