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稲荷の総本宮で福をもらう冬の風物詩_伏見稲荷で2/2 初午大祭

2019年01月18日 | 祭・行事・季節の花

関西の初詣参拝者トップの伏見稲荷大社では、正月の約1か月後に、再び多くの参拝者で賑わう行事が行われます。初午大祭(はつうまたいさい)です。多くの人が思い浮かべるであろう”節分”は伏見稲荷でも行われますが、初午大祭の方が目立って人手は多くなります。

  • 伏見稲荷の祭神が降臨した日に、五穀豊穣を祈る重要な行事
  • 全国で行われる初午祭の中で、稲荷社の総本宮・伏見稲荷が最も著名
  • 持ち帰ると家や商売が繁栄すると信じられる「しるしの杉」を求めて全国から人が集まる
  • 参道ではいなり寿司が飛ぶように売れる


身動きが取れないほど混雑する初詣よりも、伏見稲荷の魅力がたっぷりと味わえる冬の風物詩です。2月は節分だけではありません。初午にもぜひお出かけください。



初午とは、毎月最初に迎える午の日のことですが、通常は稲荷社が祭りを行う2月の初午の日を指します。毎月の日数は十二支の公倍数にはならないため、毎年日付は変わります。2018年は2/7、2019年は2/2、2020年は2/9と節分の前後で変動します。江戸時代までは旧暦の2月に行われていましたので、現在よりも1か月ほど遅い春の訪れを感じ始める頃でした。

十二支の午は、時間では昼の12時の前後2時間、方角では真南を指します。昼の12時の正午、南極と北極を結ぶ子午線、のそれぞれ由来になっています。子(ね)は深夜0時、真北を指します。午は、時間や方角のイメージのように、成長のピークと衰退の始まりを示す転換点と考えられています。初午大祭は、成長のピーク時に福を授かろうとする行事なのです。



伏見稲荷の初午大祭は、江戸時代には現在のように町人や商人に定着していたようです。商いに成功したものはこぞって鳥居を奉納しました。現在の壮麗な千本鳥居の風景は江戸時代からできていたのです。

そうした伝統が現在も続いていることを如実に感じます。初詣のように屋台が参道を埋め尽くします。普段は外国人観光客が目立つ伏見稲荷も、この日は圧倒的に日本人が多くなります。純粋に信仰目的で来ているのです。



境内のあちこちで、食品を中心とした奉納品が山積みされている光景が目に入ります。とても活気を感じます。今年もこれだけたくさんの野菜が実りますようにという熱い思いを、目で感じることができます。

同じく商売の成功を祈る関西のもう一つの冬の風物詩・十日えびすでは「商売繁盛で笹持ってこい」の掛け声で元気が出ます。こちらは熱い思いを耳で感じます。この違い、とても面白いです。


しるしの杉の授与

この日の参拝者の多くが、初穂料1,000円を納めてお目当てのしるしの杉を手に入れます。験(しるし)の杉とは、平安時代に流行した熊野詣の途中に、伏見稲荷に立ち寄って杉の小枝を身に付けると縁起が良い、と流行したのが始まりとされています。

十日えびすの笹と同じく、持ち帰って家や会社に飾ります。杉の葉の緑は正月の松飾りのように、冬の冷たい空気の中ではとても美しく見えます。しるしの杉を持つ人々の手の多くに、いなり寿司の手提げ袋が後で加わることになります。



2019年の初午は土曜日で、例年よりも混雑が予想されます。しかし遠方の人にとっては訪れやすい曜日になります。混雑といっても初詣よりはかなりましです。伏見稲荷の初午は、福をもらえる冬の行事のメインイベントです。



こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



しきたり三部作、祝いごととお祭り編

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伏見稲荷
初午大祭
【神社による行事公式サイト】

会期:毎年2月初午の日、2019年は2月2日(土)
しるしの杉授与:8:00~夕方ごろ

※参拝に条件はありません。いつでも無料で参拝できます。



◆おすすめ交通機関◆

JR奈良線「稲荷」駅下車、徒歩2分
京阪電車「伏見稲荷」駅下車、徒歩5分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:10分
京都駅→JR奈良線→稲荷駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には無料の駐車場があります。
※道路の狭さ、渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。


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