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京都 城南宮「曲水の宴」4/29_京都で最も人気 平安情緒の歌会

2019年04月09日 | 祭・行事・季節の花

京都の代表的な春の風物詩である曲水の宴(きょくすいのうたげ)が、城南宮(じょうなんぐう)でまもなく4月29日に行われます。平安装束の歌人が庭の水辺で歌を詠んでいく光景は究極の非日常の”雅”です。

  • 春に3か所で行われる京都の曲水の宴の中でも、城南宮は庭が大きく美しいことから最も人気
  • 普段有料の庭・神苑が無料公開され、まばゆいばかりの新緑とツツジ・山吹・藤も楽しめる


曲水の宴は近年、全国の神社や庭園で復活と新設が相次いでいます。写真がSNS映えすることもあり、人気急上昇の古式ゆかしい行事です。


平安装束で歌を詠む

曲水の宴は平安時代のイメージが強いため、日本独自の文化と思いきや、これも始まりは中国です。新元号でも日本の古典が初めて採用されて話題になりましたが、中世以前の故事で日本発祥のものはなかなかありません。

中国では紀元前の秦の時代よい前から行われていたと考えられているほど歴史があります。3月の桃の節句・上巳(じょうし)の日に水辺で禊(みそぎ)を行い、盃を流して宴が行われていました。中国で最も著名な書である「蘭亭序(らんていじょ)」は、4cの東晋王朝時代に曲水の宴で詠まれた詩文集の序文として、書聖・王義之が書いたものです。

日本では奈良時代には確実に行われていた記録が残り、平安時代には貴族の間で盛んに行われていたようです。その後は戦国時代もあり、永らく中断されていました。全国で復活するようになるのは、会場となる庭園の復元や整備が急速に進んだ戦後になってからです。



城南宮の曲水の宴は1970(昭和45)年、会場となる神苑・平安の庭が昭和の名作庭家・中根金作の手で完成した機会に始まりました。城南宮の周囲は平安時代、白河上皇の別荘・鳥羽離宮でした。平安の庭は寝殿造りの庭をイメージして作庭されています。土地の歴史も相まって、平安貴族の雅な宴をライブで鑑賞するのはうってつけの舞台となります。


宴に参加する平安所属の歌人が平安の庭に向かう

曲水の宴は平安の庭の通路から鑑賞します。平安の庭の通路は距離延長が長いので相当の人数が収容できますが、開始直前に到着すると入場制限がかかって鑑賞できない場合があります。開始1時間前、遅くとも30分前には陣取っておくことをおすすめします。



歌人らが定位置の庭に座ると、最初に歌人に歌題が提示されます。続いて行われる白拍子の舞の間に、歌人たちは詠む歌をイメージします。盃が流されると男性5人と女性2人の歌人が順に歌を詠み、短冊にしたためます。短冊に歌を書き終える頃に盃が自分の前に流れてきます。歌人は盃を手に取り、お神酒をいただきます。

集められた短冊の歌は、神職が節をつけて朗詠します。この間約1時間、琴の音がずっと続く、非日常的な平安の空間となります。

城南宮の曲水の宴は11月3日にも行われます。北野天満宮では3月始め、上賀茂神社では4月始めに行われます。京都でも伝統文化をリアルに体験できる機会が増えています。


神苑の藤とツツジ

神苑はかなり広く、曲水の宴が行われる平安の庭以外にも、室町の庭など、テーマに応じて4つの庭が設けられています。ゆっくり歩くと1時間はすぐに過ぎてしまうほど、表情や四季の植物が豊かな庭です。平安時代の鳥羽離宮の庭は現存していませんが、往時を充分にしのぶことができる名庭です。

そんな名庭に、曲水の宴はとてもよく似合います。

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



水野克比古がとらえた城南宮の魅力はいかに?

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城南宮(京都市伏見区)
曲水の宴
【神社による行事公式サイト】

会場:神苑 平安の庭
会期:毎年4月29日、11月3日
開催時間:14:00~14:50頃

※行事当日の9:00~16:00、神苑が無料公開されます。
※観覧者多数の場合、会場への入場制限が行われます。
※雨天の場合、神楽殿の表舞台に会場を変更して行われます。
※スタート時間は当日の法要・神事の進行や天候に左右される場合があります。




◆おすすめ交通機関◆

地下鉄烏丸線・近鉄京都線「竹田」駅下車、6番出口から徒歩15分

JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:25分
京都駅→地下鉄烏丸線→竹田駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には無料の駐車場があります。
※行事当日は渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。


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