桃とかなへび

いらっしゃいませ。

2022年02月03日 | ブックエンドとスクリーン
大島真寿美「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」
「ピエタ」がとても好きな大島さんの直木賞受賞作が文庫になったので購入。他の作品も読んでみたいと思っていた。
読み始めて驚いた、関西弁で喋る喋る。ピエタと同じ作家が書いたとは思えないまるきり違う世界観。江戸時代の道頓堀が生き生きと広がるのだ。
物語は、人形浄瑠璃作者の近松半二の一代記。芝居好きの父親が近松門左衛門から譲られた硯を受け継いだことで、近松を名乗る半二。まことによく喋る。家業は兄が継いでおり、母親はキツい人であった。半二は芝居小屋に出入りし、貧乏暮らしをしながら話を書いている。将来的に「妹背山婦女庭訓」を描くのはわかっているが、なかなかうだつが上がらないのである。

こんなような話なんだが、滅法面白い。いくつかの章があり、前半の「あをによし」に俄然引き込まれた。幼馴染のお末がとても魅力的。
終盤、少し読み疲れる感じはあるものの、面白かった。高校生の時に本物を見た「文楽」、是非また見に行きたい。
続編の「結」も発売されたらしく、楽しみだ。




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12〜1月のクラシック | トップ | スコア »

ブックエンドとスクリーン」カテゴリの最新記事