支局長からの手紙:新型じゃない? /京都
1月25日13時1分配信 毎日新聞
1年ほど前、人類が全く免疫を持たない新型インフルエンザが発生すれば、4人に1人が感染し国内だけでも最大64万人が死亡するなどと政府や医療関係者が警告し、マスコミもその危険性を報道していました。その「新型インフルエンザ」が昨年4月、メキシコで発生。瞬く間に全世界に広がり、WHO(世界保健機関)は警戒レベルを最高の「6」とし、世界的大流行(パンデミック)を宣言しました(今も「6」のまま)。ところが、感染者の死亡率は従来からの季節性インフルエンザよりはるかに低く、社会機能がストップするような事態にはなりませんでした。
詳細は
毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100125-00000141-mailo-l26
そのとおりですね。鳥インフルエンザH5N1がインド東部やバングラディッシュなどで家禽の間で感染しています。昨年の場合もそうでしたが、これを押さえ込むのにはなかなか時間がかかります。一つの理由は感染地区の家禽を処分するのですが、その補償金額が少ないために住民が家禽の処分になかなか同意しないのです。家禽は重要な財産ですからね。
今後H5N1が感染を拡大しなければよろしいが・・・。
サスペンス「真由子」その6
私はその後、一週間近く寝込んだ。真由子の葬儀や、事件のショックで疲れ切っていた。
毎朝目覚めたとき、真由子とはもう会えないことを想い出し、心の中で泣いた。まだどこかで会えそうで仕方がなかった。彼女を殺した奴が憎かった。どうにかして、自分の手で犯人を掴まえてみようと思い出した。
やっと起き上がった日、私は自分の会社と真由子の会社を一回りし、なお、三週間ほど、休暇をとる旨を伝え、どうしても決済のいることは私の父に頼むように言った。叔父はあのショックで、もう口もきかなくなってしまったそうである。
私はある興信所を訪ね、腕利きの若い男を雇った。川田健二というその男は役にたちそうだった。成功したら余分の礼をすると約束した。
私は、まず自分の妻から調べねばならないと思った。淑恵の実家は金持ちだから、お金は十分動かせる。
淑恵の貯金からまとまった金額が引き出されていたことがわかった。約1カ月ほど前だ。私は家の中の領収書を捜したがどうしてもそれは見つからなかった。妻に訊いても嘘を言うかもしれない。川田が言った。「宝石類とか興信所じゃないでしょうか?」
私は妻の行きつけの宝石商に当たり、川田は興信所に当たった。川田はとうとう見つけた。
妻はその興信所で、私と真由子との関係を追及させ、真由子の妊娠さえ突き止めている。そこにはそれ以上のことは頼んでいない。
「今後、お金が大量に動けば、問題になりますな。しばらく銀行を調べましょう。」
川田はそう言い、今度は犬と鍵について調べましょうと提案した。私が犬について研究し、川田は合鍵屋に当たることになった。私の妻なら、私の持っている鍵を一時的に持ち出すことができる筈である。平素は社長室に隠している鍵も、真由子と会った夜はポケットに入れていた。夜の間に打ち合わせた合鍵屋に渡して、朝までに元に戻すことができる。
私は犬のジャックは何処かの獣医に世話してもらったと聞いていた。私は電話帳からたんねんに獣医の電話番号と住所を抜書きした。
まず電話で、「あの・・犬が病気らしいのですが、ジャックというシェパード犬です」とかまをかけることにした。
この策は成功し、なかなか遠いところに住んでいる獣医がこう返事した。
「私が世話して犬です。それより成瀬さんは大変でしたね。ほんとにびっくりしています。あなたは成瀬さんから犬を引き取られたんですか?」
わたしはそういうことについてぜひ会いたいので、あの家まで来て欲しいと言った。先方は一寸考えているようだった。
「私も容疑者の一人なんですか? 私は成瀬さんと親しかったのでごもっともです。よろしい、明日10時に伺います。」
これはうまくいくと思った。私はジャックを連れ、真由子の家に行くことにした。
翌日は犬に引っ張られるようにして、あの家についた。1500メートルは離れているが、この犬が犯人を知っているように思えて、仲良くなりたかったのだ。
ジャックを中庭に放すと、彼はこおどりしてよろこんでいる。彼のホームグランドなのだと思う。私は玄関を開け、応接間の窓を開けた。こころなしか死臭が漂っている。
獣医の瀬川さんが自動車で来た。ジャックは懐かしそうに彼を見ている。「ジャックは彼に吠えない」、私は心のメモに記入した。
瀬川とだけ電話帳で覚えていたが、名刺には、獣医師、瀬川信夫、と書いてある。40歳くらいに見える長身でなかなかハンサムな紳士である。彼はタバコをポケットから取り出し、ライターで火をつけた。私は自分の名刺を出しこう言った。
「犬の病気というのは嘘です。ほんとうにごめんなさい。実はあの夜のことを、犬が知っていると思われて仕方ないんです。この現場で、専門の人に何かよい方法はないか訊きたかったんです。私の推理では、犯人は二階の窓際に潜んでいたと思われるんです。」
「へえ、変わったお考えですね。一寸外に出てみましょう。」
私たちは庭の芝生に立った。ジャックがよろこんで私たちのぐるりを走っている。瀬川さんは、二階建ての洋館を見上げて、
「あんなに高いところで、足場も悪いのに・・」
と言った。
「そこがつけ目だと思うんです。でも上から見るとあしがかりはあるんです。もっともあそこまでははしごがいるでしょうが・・」
「そうなるととび職みたいな犯人ということになりますな。私など登ることだけでもできません。」
彼は庭をぐるっと見回した。
「こっちのブロック塀だって、私には無理です。」
「でも何かスポーツをなさっているような体格じゃありませんか?」
「嘘をいうとすぐお気づきになる。たいした勘ですな。テニスをやっています。テニスをやって真由子さんと知り合ったんです。」
「ほう、いつごろからです?」
「4年にはなるでしょう。はじめは亡くなったご主人とも一緒でしたからな。」
「彼女は主人が亡くなってからもテニスをやっていましたか?」
「2~3ヶ月休まれましたが、またはじめられました。私の方から誘ったんです。正直に言いますが、私はあの人が好きだったんです。犬も私の方から飼われるよう薦めました。」
「へえ、そうだったんですか?」
「しかし私がなぜあの人を殺したと思われるんです。私にはあの人を殺す理由など全くありませんよ。」
「いや、そういう意味でなく、犬の習性を利用して犯人に辿り着く方法はないかと思いまして・・」
「あなたも人が悪いですな、うまく私を引っ張りだしましたね、実はどうせ誰かが訪ねてくると覚悟していましたので、自分から出向いたんです。
犯人は犬をならしていたでしょうね、今日のやり方で、犯人らしい人間が見つかったら、犬と対面させてみるとよろしい。」
「私はそれ以上にこの犬をたよりにしているんです。この家で犬と一緒にいると、犬が何か教えてくれるような気がしてくるんです。」
「こわい人ですな、推理小説そのものですな、もっと動機のある人を捜しなさいよ。」
彼はもう帰ってもいいですかと言い、警察にも今日のことを言っといてくださいと付け加えた。
私は真由子があんなハンサムとテニスをしていたということにショックを受け、ジェラシイを感じていた。真由子の孕んだ子はまさかあいつの子じゃなかったろうな、とまで考えていた。
(つづく)
・・・・・・・・・
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・・・◎日本医師会が備蓄しているマスク
・・・◎㈱マイファーム
このブログは参考になります・・・◎真庭市(a citizen)
1月25日13時1分配信 毎日新聞
1年ほど前、人類が全く免疫を持たない新型インフルエンザが発生すれば、4人に1人が感染し国内だけでも最大64万人が死亡するなどと政府や医療関係者が警告し、マスコミもその危険性を報道していました。その「新型インフルエンザ」が昨年4月、メキシコで発生。瞬く間に全世界に広がり、WHO(世界保健機関)は警戒レベルを最高の「6」とし、世界的大流行(パンデミック)を宣言しました(今も「6」のまま)。ところが、感染者の死亡率は従来からの季節性インフルエンザよりはるかに低く、社会機能がストップするような事態にはなりませんでした。
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そのとおりですね。鳥インフルエンザH5N1がインド東部やバングラディッシュなどで家禽の間で感染しています。昨年の場合もそうでしたが、これを押さえ込むのにはなかなか時間がかかります。一つの理由は感染地区の家禽を処分するのですが、その補償金額が少ないために住民が家禽の処分になかなか同意しないのです。家禽は重要な財産ですからね。
今後H5N1が感染を拡大しなければよろしいが・・・。
サスペンス「真由子」その6
私はその後、一週間近く寝込んだ。真由子の葬儀や、事件のショックで疲れ切っていた。
毎朝目覚めたとき、真由子とはもう会えないことを想い出し、心の中で泣いた。まだどこかで会えそうで仕方がなかった。彼女を殺した奴が憎かった。どうにかして、自分の手で犯人を掴まえてみようと思い出した。
やっと起き上がった日、私は自分の会社と真由子の会社を一回りし、なお、三週間ほど、休暇をとる旨を伝え、どうしても決済のいることは私の父に頼むように言った。叔父はあのショックで、もう口もきかなくなってしまったそうである。
私はある興信所を訪ね、腕利きの若い男を雇った。川田健二というその男は役にたちそうだった。成功したら余分の礼をすると約束した。
私は、まず自分の妻から調べねばならないと思った。淑恵の実家は金持ちだから、お金は十分動かせる。
淑恵の貯金からまとまった金額が引き出されていたことがわかった。約1カ月ほど前だ。私は家の中の領収書を捜したがどうしてもそれは見つからなかった。妻に訊いても嘘を言うかもしれない。川田が言った。「宝石類とか興信所じゃないでしょうか?」
私は妻の行きつけの宝石商に当たり、川田は興信所に当たった。川田はとうとう見つけた。
妻はその興信所で、私と真由子との関係を追及させ、真由子の妊娠さえ突き止めている。そこにはそれ以上のことは頼んでいない。
「今後、お金が大量に動けば、問題になりますな。しばらく銀行を調べましょう。」
川田はそう言い、今度は犬と鍵について調べましょうと提案した。私が犬について研究し、川田は合鍵屋に当たることになった。私の妻なら、私の持っている鍵を一時的に持ち出すことができる筈である。平素は社長室に隠している鍵も、真由子と会った夜はポケットに入れていた。夜の間に打ち合わせた合鍵屋に渡して、朝までに元に戻すことができる。
私は犬のジャックは何処かの獣医に世話してもらったと聞いていた。私は電話帳からたんねんに獣医の電話番号と住所を抜書きした。
まず電話で、「あの・・犬が病気らしいのですが、ジャックというシェパード犬です」とかまをかけることにした。
この策は成功し、なかなか遠いところに住んでいる獣医がこう返事した。
「私が世話して犬です。それより成瀬さんは大変でしたね。ほんとにびっくりしています。あなたは成瀬さんから犬を引き取られたんですか?」
わたしはそういうことについてぜひ会いたいので、あの家まで来て欲しいと言った。先方は一寸考えているようだった。
「私も容疑者の一人なんですか? 私は成瀬さんと親しかったのでごもっともです。よろしい、明日10時に伺います。」
これはうまくいくと思った。私はジャックを連れ、真由子の家に行くことにした。
翌日は犬に引っ張られるようにして、あの家についた。1500メートルは離れているが、この犬が犯人を知っているように思えて、仲良くなりたかったのだ。
ジャックを中庭に放すと、彼はこおどりしてよろこんでいる。彼のホームグランドなのだと思う。私は玄関を開け、応接間の窓を開けた。こころなしか死臭が漂っている。
獣医の瀬川さんが自動車で来た。ジャックは懐かしそうに彼を見ている。「ジャックは彼に吠えない」、私は心のメモに記入した。
瀬川とだけ電話帳で覚えていたが、名刺には、獣医師、瀬川信夫、と書いてある。40歳くらいに見える長身でなかなかハンサムな紳士である。彼はタバコをポケットから取り出し、ライターで火をつけた。私は自分の名刺を出しこう言った。
「犬の病気というのは嘘です。ほんとうにごめんなさい。実はあの夜のことを、犬が知っていると思われて仕方ないんです。この現場で、専門の人に何かよい方法はないか訊きたかったんです。私の推理では、犯人は二階の窓際に潜んでいたと思われるんです。」
「へえ、変わったお考えですね。一寸外に出てみましょう。」
私たちは庭の芝生に立った。ジャックがよろこんで私たちのぐるりを走っている。瀬川さんは、二階建ての洋館を見上げて、
「あんなに高いところで、足場も悪いのに・・」
と言った。
「そこがつけ目だと思うんです。でも上から見るとあしがかりはあるんです。もっともあそこまでははしごがいるでしょうが・・」
「そうなるととび職みたいな犯人ということになりますな。私など登ることだけでもできません。」
彼は庭をぐるっと見回した。
「こっちのブロック塀だって、私には無理です。」
「でも何かスポーツをなさっているような体格じゃありませんか?」
「嘘をいうとすぐお気づきになる。たいした勘ですな。テニスをやっています。テニスをやって真由子さんと知り合ったんです。」
「ほう、いつごろからです?」
「4年にはなるでしょう。はじめは亡くなったご主人とも一緒でしたからな。」
「彼女は主人が亡くなってからもテニスをやっていましたか?」
「2~3ヶ月休まれましたが、またはじめられました。私の方から誘ったんです。正直に言いますが、私はあの人が好きだったんです。犬も私の方から飼われるよう薦めました。」
「へえ、そうだったんですか?」
「しかし私がなぜあの人を殺したと思われるんです。私にはあの人を殺す理由など全くありませんよ。」
「いや、そういう意味でなく、犬の習性を利用して犯人に辿り着く方法はないかと思いまして・・」
「あなたも人が悪いですな、うまく私を引っ張りだしましたね、実はどうせ誰かが訪ねてくると覚悟していましたので、自分から出向いたんです。
犯人は犬をならしていたでしょうね、今日のやり方で、犯人らしい人間が見つかったら、犬と対面させてみるとよろしい。」
「私はそれ以上にこの犬をたよりにしているんです。この家で犬と一緒にいると、犬が何か教えてくれるような気がしてくるんです。」
「こわい人ですな、推理小説そのものですな、もっと動機のある人を捜しなさいよ。」
彼はもう帰ってもいいですかと言い、警察にも今日のことを言っといてくださいと付け加えた。
私は真由子があんなハンサムとテニスをしていたということにショックを受け、ジェラシイを感じていた。真由子の孕んだ子はまさかあいつの子じゃなかったろうな、とまで考えていた。
(つづく)
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