元上場証券会社店長のブログ

元上場証券会社の店長(東京日本橋支店・大阪北浜支店)現在現役株式為替ディーラーのブログです。日本FP協会AFP

為替

2007-11-21 09:47:13 | Weblog
今週の為替相場の見通し(11/19~11/23)
…目先は、109円は大きなフシ。

先週のドル実行相場を見ると(主要6通貨に対するドル指数)、週間で0.6%と6週間ぶりの上昇となっており、ドルに対する弱気一辺倒にマーケットが変化しつつあるようにも見えました。しかし、これは一時的な現象に過ぎず金融不安による米景気減速懸念が払拭されていない現段階では、ドル安基調であることには変わりがないと思われます。先週の14日に、次回の(12月11日)FOMC会合で追加利下げの判断材料として注目していた10月の小売売上高が発表されましたが、前月比0.2%増と市場予想と一致したものの、9月の同0.7%増から大幅に減速しており、また最近の原油高騰で上昇しているガソリンを除けば小売売上高は実際に同0.1%増に過ぎず、4ヵ月ぶりの低い伸びとなり、米国個人消費の低迷を如実に現わしています。一方、週末に発表された米9月対米中長期証券投資額は264億ドルと予想を大幅に下回っており、海外投資家の買い意欲の弱まったことがドルの先安懸念が高まる要因でもあります。というのは、米国の貿易赤字をカバーするためには、毎月700億ドル程度の外国人投資家による買い越しが必要だからです。このような状況で、今週も景気判断で良いニュースよりも、不安材料に過剰反応しやすく、思惑、噂でもドルが売られやすい局面に入る可能性があります。又、週後半22日には感謝祭よる米株式市場の休場と、国内は23日に勤労感謝の日があることから、市場の流動性もやや乏しくなるため、値動きが極端になる傾向には円キャリーの巻き戻しを含め注意が必要になるでしょう。目先は、109円は大きなフシとなりますが、次に109円を超えてくる時は、円の上放れ(ドルの下放れ)となって、104円台さらに100円突破もありえると思われます。

ユーロ相場は引続き堅調な推移を想定しています。ただ、現段階ではユーロ独自の変動要因は見出しにくく、ドル・円相場の動きに左右されやすいと思います。今まで、円はドルに対する下落幅は、対ユーロに対する下落幅を2倍近く上回って推移することが多く見られましたが、先週の週間ベースで見た場合は、ほぼ同じ幅で下落・上昇しています。それ故、今週のユーロ/ドル相場は、目先は緩やかに堅調さを維持しつつ更なる上値を試す展開になると思います。

株は「総売り」で勝負!