元上場証券会社店長のブログ

元上場証券会社の店長(東京日本橋支店・大阪北浜支店)現在現役株式為替ディーラーのブログです。日本FP協会AFP

個人的相場観

2007-11-02 13:04:09 | Weblog
さてさて、というか。来ましたね。
三菱UFJ・80Pまでは早いと思いますよ。

米国が金利を下げるたびに、株は暴落していくことになる。怖い現実が、いよいよスタートした!

☆☆今日の言葉
いつまでも、
自分の傷に甘えていちゃ駄目だよ。
あんなことがあったから
もう頑張れないなんて、
自分の幸せに蓋してるだけだよ。

(引用元不明)

ゆきさんからの投稿です。

誰かにやさしくされると、
それに甘えたくなる。

そういう誰かがいないと、
自分の傷に甘えたくなる。

甘えて、
寄りかかれるものがあれば、
生物というものは、自然と
それにくっつくように出来ている。

けれど、
甘えるものがあれば、
幸せになれるとは限らない。

甘えるものがない方が
自分の幸せを
ちゃんとつかめることも
少なくない。

甘えることを
すべては否定しない。

甘える場所があるのは、
ひとときの休憩となる。

それが分かっていて、
そこから自立して
がんばる自分になることも必要。

甘えられることも
一つの幸せかもしれないけど、
甘えてばかりいちゃ、
本当の幸せは見えない。


(参考)「甘え」の構造(土居 健郎)


予定通り

2007-11-02 11:39:31 | Weblog
注目のFOMCは予想通り25bpの利下げが行われ、FF金利は4.50%となりました。しかしもう一つの注目点である声明は、前回と同様に「金融市場の混乱が景気に与える悪影響を防ぐためのもの」とされたものの、「インフレの上昇圧力が依然として存在し、インフレの上振れリスクと景気の下振れリスクは概ね均衡」とされるなど、予想していたよりもタカ派的な内容となりました。これは米景気がさらに悪化することがなければ、当面、FRBはFF金利を据え置くことを示唆していると捉えられNYダウは下落、ドルは主要通貨に対して買い戻される展開となりました。もっとも円も買い戻されたことから、ドル円は115円を割り込む下落となりました。

 ただしすぐにNYダウが反発に転じるなど、その後は一貫して「ドル安・円安」の展開となっています。ドルそのものは先安感が根強いものの、円を積極的に買う材料は乏しく、結果的に高金利通貨や資源国通貨を中心に円が売られたものと見られます。このため円安の地合いそのものは緩慢であり、円高に対する警戒感も依然として残っていることが想定されるところです。しかしサブプライム問題が燻り続ける中で、少なくとも現在のマーケットはリスク許容度が徐々に高くなってきていることが読み取れます。

 リスク許容度が高まる大きな要因に、世界的な過剰過ぎるともいえる流動性の増加が挙げられます。サブプライム関連のリスク債券が含まれるABCP(資産担保コマーシャルペーパー)は相変わらずリスクへの警戒が高いものの、この不安を払拭するために各国通貨当局は資金をジャブジャブとマーケットに投入しています。このため世界的に株式市場は堅調推移、原油や金などの一次産品は大幅上昇、そして為替はリスク許容度の高まりから円キャリートレードが再燃する、典型的な金余りによる流動性相場となってきています。昨日、米利下げが行われたことで、さらにこの流れに拍車がかかったといえるかもしれません。

 ただし確認しておかなければならないことは、今回のFOMCでの米利下げで債券市場は下落(金利は上昇)するなど、米国と主要国との金利格差はドルにとって有利な方向へと動いているにもかかわらず、ドルは売られているということです。もちろん金利格差がマーケットの全てではありませんが、しかし今回の状況はリスク許容度の高まりの中で行われた円キャリートレードという金利格差に着目した動きが牽引している中でのドル売りとなることです。これはマーケットのテーマが、目先の金利動向や金利見通しに着目した動きではなく、株式動向等を受けたリスク許容度へと変化したことを示しているといえます。

 現在のマーケットは落ち着いてきたといわれますが、実は落ち着いてきたのではなく、以前とはマーケットのテーマ(流れといってもいいかもしれません)が変わってきたと思って対応した方が良さそうです。そしてテーマが変わっているとすれば、それはすなわちこれまでの戦略や取引手法は通用しないと疑ってかからなければならないことを意味します。個人投資家の方も、8月の急落でリスクについて再認識された方が多いですが、落ち着いた感のある現在のマーケットではそのリスク管理が疎かになりがちです。リスク許容度が高まってきていることでマーケットでは積極的にリスクをとる向きが増えてきていますが、ファンドや銀行などの資金は決してリスク管理を疎かにはしません。
 
 マーケットの流れに乗るというのは投資の基本ですが、リスク管理も投資の基本です。落ち着いた感のあるマーケットではややもすると忘れがちですが、マーケットでのリスクとは天災と同じく、「忘れた頃にやってきた時の被害が一番大きい」といえます。資金配分をする、ロスカットを設定する等、自分なりのルールに沿って取引を行ってほしいところです。

 さて本日は今週のもう一つのイベントである、米10月雇用統計が予定されています。31日に発表された10月ADP雇用統計が5.8万人の事前予想に対して+10.6万人とほぼ倍増したことで、明日の米雇用統計・非農業部門雇用者数への上振れリスクが警戒されています。金融機関の雇用削減が加味される今回の統計ですので事前予想は+8万人とそれほど大きくありませんが、前回の雇用統計では政府部門が軒並み増加したことでサプライズとなったことは記憶に新しいところです。2回連続での増加はないと思われますが、この雇用統計だけは何があってもおかしくないだけに、注意しておきたいところです。