今回のFRBの措置について、説明をしておきたい。多くの評論家、
アナリストの言う中央銀行によるサブプライムローン問題の解決も、
また先週の株価回復の理由も、FRBの真の意図を見誤っている。FRB
が公定歩合まで下げて(0.5%)資金供給をした先はBank of Ameri
ca, CITIBANK等大手4行である。しかも、資金供給対象となっている
大手銀行はサブプライムローン関連融資を引締め、停止、または凍
結しようとしている。
Contrywide Finance等大手数社を救済したのは、それらの金融機関
がサブプライムローン市場の約90%近いシェアを持っているから。
他の何百、何千の弱小住宅金融機関に対しては、資金凍結、追加融
資拒否、資金凍結等で破綻へ追い込むのが資金供給を受ける大手銀
行とFRBの暗黙の了解である。
バタバタと中小金融機関の連鎖倒産が始まるでしょう。
驚愕の底割れ近し!
<テクニカル分析>
まずは先週より申し上げていた「16400円前後売り」は正解
でした。
上値を16504円まで伸ばし、8月15日安値16433円からのマドを埋める
とともに、年初来高値18300円(2月26日)~年初来安値までの下落に
対する38.2%戻し16422円も達成した。しかし、上昇幅を大きく縮め
たことで、昨日の高値が目先での高値になる可能性もある。したがっ
て、昨日の安値16263円を割り込むと下値を探る動きが強まりそうだ
。その際には節目の16200円、16100円に加えて、15262円~16504円ま
での上昇の38.2%押しとなる16030円が下値のめどになろう。一方、昨
日の高値を越えると、年初来高値~年初来安値までの下落の50%戻し
16781円が目標値になる。ただし、8月2日安値16652円、6日安値16675
円、そして10日安値16651円という、かつてのトリプル・ボトムがあ
った16600円台は強い上値抵抗線になりそうだ。
<トピックス>
ニューヨーク 27日 ロイター] ゴールドマン・サックスのア
ナリスト、ウィリアム・タノナ氏は、米ベアー・スターンズ、リー
マン・ブラザーズ、モルガン・スタンレーの第3・四半期利益見
通しを引き下げたことを明らかにした。
同氏はリサーチノートで「8月は投資銀行にとって数年来の厳しい
事業環境だった」と指摘。
すべての投資銀行がサブプライムローン(信用度の低い借り手向け
住宅ローン)市場の混乱や世界的な信用収縮の影響を受けているも
のの、ベアー・スターンズは住宅ローン市場へのエクスポ
ージャーの大きさから、打撃が最も大きくなるとの見方を示した。
同氏はベアー・スターンズの第3・四半期1株利益見通しを2.30
ドルから1.30ドルに下方修正。リーマン・ブラザーズについても
1.90ドルから1.40ドルに、モルガン・スタンレーは2.00
ドルから1.60ドルに引き下げた。
[東京 28日 ロイター] 米サブプライムローン(信用度の低い借
り手向け住宅ローン)問題を起点にした信用収縮の世界的な広がりで
、ヘッジファンドや投資銀行業界に激震が走っている。米、欧、日の
中央銀行は潤沢な流動性をマーケットに供給することで事態の沈静化
に躍起だが、震源地となっている米クレジット市場の機能不全に回復
の兆しはみえない。
信用度の低い資産をもとに最新の金融技術を駆使して新しい金融商
品に仕立て、大きな利ざやを稼ぐという欧米の証券・金融だけでなく
、この取引に関与してきた格付け業界も含めた収益構造そのものが揺
らいでいる。
BNPパリバ(BNPP.PA: 株価, 企業情報, レポート)が傘下の3つ
のファンドの基準価格の算出を停止して凍結すると発表し、それま
で米国内の住宅ローンの問題とみられていたサブプライム問題は、
一気に世界規模の信用収縮現象に変化した。欧州中銀(ECB)、
米連邦準備理事会(FRB)、日銀は大規模な資金供給に乗り出し
、FRBは緊急の公定歩合引き下げに踏み切った。世界同時株安の
様相を示してたマーケットは、こうした対応でいったん小康状態と
なったが「最悪の事態を脱したとするのは、愚者かポジションがし
こっている人だけ」と英エコノミスト誌が指摘するように、グロー
バルマーケットの霧は晴れていない。
<金融イノベーションで資産価値の不透明な商品が大量に市場へ>
市場関係者によると、ある米金融当局者が投資銀行やヘッジファン
ドの規律を欠くビジネス手法に対し、「天罰が下った」と述べたとい
うことが市場の一部で広がっているという。
「投資銀行はここ5 6年間、生ゴミをきれいな箱に詰めて売ると
いうビジネスで収益を確保してきた」とビジネス・アドバイザリーの
ファースト・インターステート・リミテッド・香港CEOの中山茂
氏は指摘する。
中山氏によると、「彼らは生ゴミを小分けにしたり、束ねたり、ゴ
ミでないものも少々混ぜたりしながら、市場価値の分からないパッケ
ージを作り上げ、それをスペシャル・ヴィークルと称した。格付け会
社は一見小ぎれいなヴィークルを投資適格商品として太鼓判を押した
」という。
パッケージングの過程で、サブプライムローンを担保とする住宅担
保証券(RMBS)や資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)が
組成され、それらの証券を束ねた合成債務担保証券(CDO)や、そ
れをさらに束ねたCDOのCDOといったものが組成・販売された。
仕組みが複雑になるほどレバレッジが高まり、原資産の125倍とい
う商品も存在する。
こうした現状について、中山氏は「問題の根源はアメリカの経常
赤字からくる流動性の垂れ流しだが、今の国際金融市場の懐の深さ
を考えれば対応可能なものだ。だが、証券化やディリバティブの発
達で当初の流動性にレバレッジがかかり、対応困難なスケールにま
で膨張した」と分析する。
東京大学大学院の福田慎一教授は「(米国の)ゼロに近づいた国
民貯蓄率や膨れ上がった対外債務を考えると、その調整過程では世
界経済や金融資本市場にさまざまな副作用をもたらしかねず、サブ
プライム問題もこの観点からとらえる直すべき」と提言する。
<ヘッジファンドと投資銀行のみつ月の終えん>
国際通貨基金(IMF)によれば、米国で発行されたCDOの残高
は9000億ドル、そのうち17%がサブプライム変動金利モーゲッ
ジを原資産としている。保有者の内訳は、金融機関31%、生命保
険会社19%、年金18%、アッセト・マネージャー22%、ヘッジ
ファンド10%となっている。
IMFのリプスキー筆頭専務理事は「残高ベースではヘッジファン
ドのCDO保有は限られたものだが、彼らのポートフォリオに占める
高リスクのCDO(エクイティ・トランシェ)の割合はかなり高水準
」という。
リッパー・ジャパン・チーフ・アセット・マネジメント・リサーチ
の中丸友一郎氏は「これまでサブプライムという商品をもとに、ハ
イリスクを取り、ハイリターンを上げてきた投資銀行とヘッジファ
ンド業界のみつ月は終えんを迎えている」と語る。
ヘッジファンドは住宅ローン会社のCDOやABCPに投資し、そ
れを金融機関に担保として差し入れて借り入れをしてきたが、市場
が機能停止に陥っているCDOは担保としての適格性を欠いている。
今回の混乱の特徴について「LTCMの時は、ヘッジファンドから
差し入れられた担保が国債だったので市場性があったが、今回は市
場価値が不明なCDOで、実質上、無担保貸付と同じことになって
いる」(欧州系金融機関幹部)との声が上がっている。
他方、ヘッジファンドへの巨額の貸出エクスポージャーは投資銀
行にとって、アキレス腱となりつつある。ファンド・オブ・ファン
ズのインベスター・セレクト・アドバイザーズのマネージング・デ
ィレクター関村正悟氏は「ヘッジファンドの大手は総資産100億
─500億ドルと米国の地域金融機関大手にひっ敵するバランスシ
ートを有し、資本の3─15倍に上る借入金がこれを支えていると
いうケースも多い」と指摘する。
<欧米住宅ローン会社の資金調達、投資銀の焦げ付き要因に>
欧米金融機関に市場価値不明の担保を差し入れたのはヘッジファ
ンドだけではない。住宅ローン会社は、CDOやABCPを金融機
関やヘッジファンドに売って資金調達するだけではなく、それらを
担保に銀行から資金を借入れ、新たに住宅ローンを出し、その住宅
ローンを担保にさらに銀行借入れしていた。
欧米投資銀行の損失額は現時点では確定していないものの、8月
中旬以降、金融機関が短期資金を融通し合うインターバンク市場で
は、特にユーロやドル資金の取引で、資金の出しが極端に細ってお
り、円資金を調達して為替スワップをかけ、辛うじてドルやユーロ
資金を確保する状況になっている。
クレジット・クランチを緩和すべく欧米中銀が大量の資金供給を
続ける中で、米利下げの見通しが高まっている。「米当局は今後金
利を連続的に下げるだろう。だが、今問題となっている証券は、ス
トレートな債券と異なり、変動利付き債であり、デリバティブでヘ
ッジしてあるので、金利感応度が高くない。利下げが即座に奏効す
るとは限らない」と関村氏は言う。
☆☆新内閣について
岸信介、吉田茂、鳩山一郎のお孫さんが中心となった
「超有名私学ボンボン幼稚園内閣」には期待しないほうが
よさそうですね。
☆☆あせらず、あわてず、飛びつかない
「夏の嵐」の後の静けさといった様相で小動きに終始して
いる株式マーケット。
この度のサブプライムショックという夏の嵐でやられた分
を一気に取り戻すため、「一発儲けよう」として意気込み
すぎますと平常心を失い、普段にも増して目先の相場変動・
短期売買に一喜一憂しがちとなり、こうなりますと結果は
見えています。
そうならないためにも、この局面は、『遠きをはかる者は
富み、近くをはかる者は貧す』(二宮尊徳)と申します通り
、原点に戻って中長期スタンスで臨むこと。これが結果とし
て大きな投資成果の向上に直結すると考えます。
底割れ近し!と判断しております。
☆☆今日の言葉
こつこつ
無理に頑張らなくていい
無理になにかにならなくていい
あなたらしく頑張ればいい
強がらず泣きたい時に泣き
心のまま笑いたい時に笑い
こつこつ頑張ればいい
あなたにしか歩けない人生を
あなたのまま進めばいい
(あなたとの時間を愛と呼べるように、きむ)