年に一度、11月15日だけ、小村神社の宝物館が開きます。
随分前にこの事を知り、カレンダーに印をつけて、宝物館にある国宝を観に行こうと決めていました。
こちらが、国宝に指定された
「金銅荘環頭大刀拵・大刀身(こんどうそうかんとうのたちこしらえ・たちみ)」
です。
写真を撮るのは禁止されていたのでお借りしました。
小村神社HPより
実際に観てみると、素晴らしくて、古墳時代のものとありました。
今からおよそ1400年ほど昔、小村神社の御神体として奉祀されたもので、今日まで完全な姿で伝わる日本で唯一の伝世品で最古の宝剣のようです。
鞘は金銅と板金で作られており、1958年、国宝に指定されました。
いったい、どういう経緯でこんな立派な剣が土佐にやって来たのでしょうか??
毎年、秋例大祭時にのみ、一年に一日だけ一般の拝観ができると知り、これは行かねばとなりました。
小村神社は、普段はひっそりとしていて、人も少なく、静かに参拝するのですが、この日は人が途切れることなく訪れていました。
宝物館の入り口には警備の方がいたりと、雰囲気が違いました。
宝物館を観終わり、いつものように社殿や御神木をお詣りしました。
社殿を見守るように背後にそびえ立つ御神木は威厳があり、龍が昇るかのような力強いエネルギーを感じます。
この御神木は、樹齢千年を超える牡丹杉で、有事の前に光るという伝統から「燈明杉」と称されています。
小村神社の御祭神は国常立命です。
御由緒は用明天皇2年587年鎮座とあり、その
用明天皇は聖徳太子のお父様にあたります。
宝物館拝観の際に頂いたチラシには、
泥土が固まり大地となることを神格化した国常立命を祀る神社の御神体が大刀であり、
その大刀が天候を操る水の神である龍神を象徴している環頭大刀であること、
このような素晴らしい宝が、この社に授けられた理由のようなことが記されていました。
江戸時代の土佐の歴史研究の基本的史料である『南路志』に、小村神社の御神体は剣である事が記されてあるようなのですが、長い間、社殿の奥深くに秘蔵されており、宮司さんでも、研究者でも、その事実を確かめる事が許されなかったといいます。
しかし昭和30年、研究者達の熱意が実り、古代の剣にベールを脱がせたとあります。
このような見事な直刀が、千数百年前の姿のまま、社殿の奥深く伝世されていた例は全国的にもなく、昭和33年に国宝に指定されたようです。
こんな凄いお宝が、田舎の小さな神社にあり驚きです。
本当に大切なものは人目につかないように、ひっそりと存在して、霊気を蓄えているのだと、改めて思いました。