当地では、昨昼に少し雪が降った程度で積雪も見られないが、普段から温暖な土地であるせいか温度がマイナス1℃程度になっただけでも寒くて仕方がない。その一方、公園の桜の木は早くも蕾をつけ、カンザクラの中には、咲き始めつつあるものもある。
物価の上昇が続いていて、年金暮らしで家計の赤字が続いているが、我が国の社会・生活システム全体が制度疲労を起こしており、岸田首相のかってない決断力でも追い付いていないせいもあるだろう。例えば、オレオレ詐欺グループから派生したと思われる、ネットで実行犯を募集する組織的な強盗事件が関東圏をはじめとして複数発生しているのもその一つの現れであるかもしれない。格差社会で、何らかの理由で社会システムから脱落した人間にとっては、SNSで知った、やばいアルバイト募集でも応募してしまうのだろうか。一昔前といおうか、20年近く前にも、闇金等に借金をしている多重債務者が追い込まれて、金融機関やコンビニに強盗に入ったようなことが複数あった。経済不況は貧富の格差を拡大し、底辺の中間層も下層に転落して生活苦から様々な犯罪に手を染めるようになる。このような時代には、社会の仕組みを抜本的に見直し、変革することが必要で、その為には反対勢力や国民からの批判をも恐れないという、決断力が何よりも必要だろう。野党やリベラル勢力は何かというと反対するが、社会制度自体が壊れかけている時に、それに気づかず、昔ながらの反対諭を唱えていることは、むしろ、変革の邪魔にしかならない。また、自民党は、利権の調整型政治を長らく続けてきて、それが政党の根本のところまで汚染しているが、それでも、このまま現在の危機的状況が続いていけば、政権が危うくなるだけではなく、この国の社会全体が崩壊してしまう可能性に気づくべきではなかろうか。それくらいの危機感を持つ必要があると考える。
少子化についても、AIやITを使えば、激減しつつある労働力の補完が可能だという者もいるが、それは間違いだと思う。多少は、ロボット化によって生産や配送などの補完は出来るかもしれないし、そのうち、底までいけば自然に、ある程度の人口は回復するかもしれないが、その時まで待っているうちに、我が国は中国などの植民地になっているかもしれない。そうなれば、徹底的な管理国家の支配下で、国民の人権などは徹底的に無視され、政権への反対の声などは圧殺されてしまうだろう。(ちょうど、先ごろの中国で白紙を掲げて街頭に出た人々が監視カメラなどで特定されて拘束されつつあるように)
このような日本社会でも他国よりも優れていると思われることは、自由な言論の場が存在しているということではなかろうか。安倍氏は、モリ・カケ問題などで、お友達を優遇する一方で、我が国の根本的な問題の解決について先延ばしし続け、マスコミなどを使って世論を巧みにコントロールして来たようだが、それでも、自らに反対する言論を力で封じ込めるようなことはしなかった。今、閉塞感を持った若い人々が、我が国を捨てて外国に移住しつつあるが、それでも、私は、こんな日本でも愛着があって仕方がない。
今は、寒い季節だが、春になれば、花も咲くし、穏やかな日々も訪れるだろう。我が国には、独自の文化もあり、独自の感性を持った若者も生まれつつあるのではなかろうか。一方、今ある社会の閉塞感の根本は、日本社会にある、脱落者を許さない等の寛容性の無さにもある。規則や前例にとらわれて、新しい芽を摘もうとする社会制度があるのではなかろうか。50年後、100年後の日本社会が、絶望の社会となるか、それとも、自由に自分の意見を言える社会であるかの分岐点に現在があると思われてならない。