アニリール・セルカン氏の宇宙服写真は合成写真である可能性が高い。
↓ アニリール・セルカン氏著『ポケットの中の宇宙』(右)や和歌山大学講演ポスター(左)に掲載されていた同氏の写真
(p55 「2004年12月、宇宙飛行士候補に選ばれたとき、マスコミに発表された写真」※宇宙服を着た写真 )
↓ STS-49に搭乗したRichard J. Hieb氏の写真に酷似
Image credit: NASA
・ 候補に選ばれた時点で宇宙服を着て記念撮影することはない。
(こうした写真が撮影されるのは、通常フライトが決まった時)
・ NASAの記章が古い。この記章が使われていたのは1992年まで(→ NASAの記章の歴史)
・ 宇宙服が古い。現在は腕と肩が一体になっている(→ 近年の宇宙服の写真)
・ 胸に付けられたミッションパッチは、1992年のSTS-49のもの(→ STS-49ミッションに関するNASAサイト)
よって、アニリール・セルカン氏の宇宙服の画像は、Richard J. Hieb氏の画像を加工したものである可能性が高い。
日経BPの記事や、和歌山大学での講演ポスターにも同じ合成写真が掲載されている。
その他多くの公の場で、宇宙飛行士候補という肩書きを使用している(→第113回J.I.フォーラム、筑波大学公開セミナー)
アニリール・セルカン氏の海中訓練写真は別人の写真からの盗用である。
独立行政法人科学技術振興機構(JST)運営の「かがくナビ」の記事において「NASAで海中訓練中のセルカンさん」として掲載されている写真(左上)や、アニリール・セルカン氏著『ポケットの中の宇宙』p61の掲載写真(右上)は、実際は、2003年6月のNASA極限環境ミッション運用訓練5(NEEMO 5)で、閉鎖施設「アクエリアス」の技術者として参加したジェームズ(JamesTalacek)氏の写真である。
(⇒ JamesTalacek氏のプロフィール)
アメリカ海洋大気庁(NOAA)管轄のフロリダ州沖合の海底約20mに設置された閉鎖施設「アクエリアス(aquarius)」のホームページの「June 2003: Space Simulation and Training Project: NEEMO V.」に、同じ海中訓練写真(James works on Aquarius fittings)が掲載されている。
この海中訓練写真は、アニリール・セルカン氏著「宇宙エレベータ」大和書房 p19 においても掲載されており、「ミッションスペシャリストとして、水中で暮らすなど、様々な訓練を受けた。 2006年4月からはESAで訓練は続行される。 」との説明が付いている。
アニリール・セルカン氏の宇宙飛行士訓練に関する写真の一部は、ジョンソン宇宙センターのビジターセンターの展示や見学コースの写真に酷似している。
アニリール・セルカン氏著「ポケットの中の宇宙」p59 「2004年12月、NASA。宇宙飛行士候補として、スペースシャトルで訓練中」の写真(左下)と、「宇宙エレベータ」p19(右下)について。
左上の写真について
・コックピットの型式が古い
シャトルのコックピットは2000年から2004年にかけてCRTを全面的に廃しLCDを使ったものに改められている。
http://iss.jaxa.jp/iss/2a_2a/shuttle_repair.html
・この写真はジョンソン宇宙センターのビジターセンターで撮影されたものである可能性が高い。 。
(スペースシャトルのコックピットの展示(コックピットとの間にガラスの仕切りがあり、
音声解説のステッカーが貼ってある)
http://www.everywheremag.com/photos/25898
http://www.flickr.com/photos/_stefanie/3713432041/
もちろん、本物の訓練施設にはこんなラベルはない。
また、本物は操縦席の後ろの部分がガラスで隔てられてることもない。
アニリール・セルカン氏著「ポケットの中の宇宙」p60 「2002年、NASA。ドッキングの調整訓練」(左下)と、「宇宙エレベータ」p19(右下)の写真について
・これはドッキングの訓練装置ではない。
・ドッキングの際のコントロールユニットとは形状が異なる。
http://newshopper.sulekha.com/slideshow/technology///960284.htm
http://iss.jaxa.jp/astro/pict/ms_039.jpg
上のリンクの画像は、コックピットの背中側を撮影した画像(上の画像の後ろ)。
コンソールの真ん中にある、操縦桿のような形をしたものがドッキング時に使われるもの。 ちなみに、ロボットアームの操作に使われるのは、若田宇宙飛行士が立っているコンソールと、 さきほどの操縦桿の上、オレンジ色の部分のレバーのようなもの。 見ての通り、どちらもセルカン氏の使っている機材とは似ても似つかない。
アニリール・セルカン氏の写真のものはおそらく、現在は使われていない船外活動ユニット(MMU: (Manned Maneuvering Unit)のモックアップと呼ばれるもので、窒素を噴射することで命綱なしで宇宙遊泳をするための装置である。
http://en.wikipedia.org/wiki/Manned_Maneuvering_Unit
ただのこの装置は、スペースシャトルチャレンジャーの事故以降は使用されていない。
http://history.nasa.gov/SP-4219/Chapter13.html)
・また、本物のMMUのシミュレーターとはまるで違う。
http://images.jsc.nasa.gov/luceneweb/caption_direct.jsp?photoId=S84-27703
・さらに、MMUの展示の写真に酷似している。
http://www.flickr.com/photos/famillesebile/3288401627/
http://www.flickr.com/photos/wvpv/2344935413/
ただ、上の二つの画像のジョンソン宇宙センターのビジターセンターの展示物は、
よく似ているけれど細部が微妙に異なる。
その他、"Johnson Space Center"のキーワードでFlickrを検索すれば類似の写真が見つかる。
http://www.flickr.com/search/?ss=2&w=all&q=Johnson+Space+Center
検証中の画像 (コメント欄参照)
アニリール・セルカン氏のブログ記事(2007.1月の記事)に掲載されている写真
「シミュレータの中、人間一人がやっとのスペース。」の説明付き。
この写真の中のシミュレータとされるものは「Lunar Module ミッション・シミュレーター」(Lunar Module Mission Simulator : LMMS)のことと思われる。
しかし、ケネディ宇宙センターにおいて、Lunar Module ミッション・シミュレーターが現在も訓練に使われているということは、考えにくい?
同じシミュレーターの画像はアポロマニアックスなどで見れる。
http://www.masaakix.interlink.or.jp/apollo/d_apollo/_training/training.htm
http://www.apolloexplorer.co.uk/photo/html/apoll_ov/10074712.htm
http://www.blogcatalog.com/blog/common-themes/83bccda2bb2ca654b2a585bebc0175d2
http://www.cradleofaviation.org/exhibits/space/lm_simulator/index.html
http://www.flickr.com/photos/50203533@N00/2346255944/
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Apollo_Lunar_Module_Inside_View.jpg
↑ wikiで紹介してある、2007に撮られたという、ケネディ宇宙センターの Apollo Lunar Module (LM) crew cabin. の写真は、シミュレーターではなく、計画中止で使用されなかったLunar_Moduleか?(LM-9?)
そのほかに、LM-2, 13, 14も、その他の博物館で展示されている。
上記写真中のセルカン氏の背後のLunar Module(シミュレーター?)について、さらなる調査が求められる。
↓アニリール・セルカン氏のブログの記事
http://blog.anilir.net/?search=%A4%C9%A4%A6%A4%E4%A4%C3%A4%C6&page=1
当記事では、「ボストンで用事が全て終え、その次の日はオーランドに移動し、ケネディースペースセンターでのグループ訓練に参加しました。ハワイで操縦訓練を受けているので、ケネディーではSurfaceLanderというシミュレータに入りました。コンパクトで狭い空間ではありますが、何でもすぐに手が届くように、うまく設計されてさすがです。運転は、事前にハワイで訓練をしてあっても、ものすごい難しいものだけれど、こういう経験をできることは非常に嬉しくてワクワクします。他には、その他訓練を受けつつ、NASAが開発しているハビタットの模型を見たり、関係者と打合せをしたりし、インフラフリー研究のためにもとても参考になりました。」というコメントが述べられている。
以上のように、アニリール・セルカン氏が公開していた写真は捏造あるいは盗用されたものであり、セルカン氏の宇宙飛行士候補という経歴は詐称である可能性が高い。
↓ アニリール・セルカン氏著『ポケットの中の宇宙』(右)や和歌山大学講演ポスター(左)に掲載されていた同氏の写真
(p55 「2004年12月、宇宙飛行士候補に選ばれたとき、マスコミに発表された写真」※宇宙服を着た写真 )
Image credit: Dr. Serkan ANILIR | Image credit: Dr. Serkan ANILIR & 中央公論新社 |
↓ STS-49に搭乗したRichard J. Hieb氏の写真に酷似
Image credit: NASA
・ 候補に選ばれた時点で宇宙服を着て記念撮影することはない。
(こうした写真が撮影されるのは、通常フライトが決まった時)
・ NASAの記章が古い。この記章が使われていたのは1992年まで(→ NASAの記章の歴史)
・ 宇宙服が古い。現在は腕と肩が一体になっている(→ 近年の宇宙服の写真)
・ 胸に付けられたミッションパッチは、1992年のSTS-49のもの(→ STS-49ミッションに関するNASAサイト)
よって、アニリール・セルカン氏の宇宙服の画像は、Richard J. Hieb氏の画像を加工したものである可能性が高い。
日経BPの記事や、和歌山大学での講演ポスターにも同じ合成写真が掲載されている。
その他多くの公の場で、宇宙飛行士候補という肩書きを使用している(→第113回J.I.フォーラム、筑波大学公開セミナー)
アニリール・セルカン氏の海中訓練写真は別人の写真からの盗用である。
Image credit: Dr. Serkan ANILIR (Image credit: UNCW/NOAA) | Image credit: Dr. Serkan ANILIR & 中央公論新社 (Image credit: UNCW/NOAA) |
独立行政法人科学技術振興機構(JST)運営の「かがくナビ」の記事において「NASAで海中訓練中のセルカンさん」として掲載されている写真(左上)や、アニリール・セルカン氏著『ポケットの中の宇宙』p61の掲載写真(右上)は、実際は、2003年6月のNASA極限環境ミッション運用訓練5(NEEMO 5)で、閉鎖施設「アクエリアス」の技術者として参加したジェームズ(JamesTalacek)氏の写真である。
(⇒ JamesTalacek氏のプロフィール)
アメリカ海洋大気庁(NOAA)管轄のフロリダ州沖合の海底約20mに設置された閉鎖施設「アクエリアス(aquarius)」のホームページの「June 2003: Space Simulation and Training Project: NEEMO V.」に、同じ海中訓練写真(James works on Aquarius fittings)が掲載されている。
この海中訓練写真は、アニリール・セルカン氏著「宇宙エレベータ」大和書房 p19 においても掲載されており、「ミッションスペシャリストとして、水中で暮らすなど、様々な訓練を受けた。 2006年4月からはESAで訓練は続行される。 」との説明が付いている。
アニリール・セルカン氏の宇宙飛行士訓練に関する写真の一部は、ジョンソン宇宙センターのビジターセンターの展示や見学コースの写真に酷似している。
アニリール・セルカン氏著「ポケットの中の宇宙」p59 「2004年12月、NASA。宇宙飛行士候補として、スペースシャトルで訓練中」の写真(左下)と、「宇宙エレベータ」p19(右下)について。
Image credit: Dr. Serkan ANILIR & 中央公論新社 | Image credit: Dr. Serkan ANILIR & 大和書房 |
左上の写真について
・コックピットの型式が古い
シャトルのコックピットは2000年から2004年にかけてCRTを全面的に廃しLCDを使ったものに改められている。
http://iss.jaxa.jp/iss/2a_2a/shuttle_repair.html
・この写真はジョンソン宇宙センターのビジターセンターで撮影されたものである可能性が高い。 。
(スペースシャトルのコックピットの展示(コックピットとの間にガラスの仕切りがあり、
音声解説のステッカーが貼ってある)
http://www.everywheremag.com/photos/25898
http://www.flickr.com/photos/_stefanie/3713432041/
もちろん、本物の訓練施設にはこんなラベルはない。
また、本物は操縦席の後ろの部分がガラスで隔てられてることもない。
アニリール・セルカン氏著「ポケットの中の宇宙」p60 「2002年、NASA。ドッキングの調整訓練」(左下)と、「宇宙エレベータ」p19(右下)の写真について
Image credit: Dr. Serkan ANILIR & 中央公論新社 | Image credit: Dr. Serkan ANILIR & 大和書房 |
・これはドッキングの訓練装置ではない。
・ドッキングの際のコントロールユニットとは形状が異なる。
http://newshopper.sulekha.com/slideshow/technology///960284.htm
http://iss.jaxa.jp/astro/pict/ms_039.jpg
上のリンクの画像は、コックピットの背中側を撮影した画像(上の画像の後ろ)。
コンソールの真ん中にある、操縦桿のような形をしたものがドッキング時に使われるもの。 ちなみに、ロボットアームの操作に使われるのは、若田宇宙飛行士が立っているコンソールと、 さきほどの操縦桿の上、オレンジ色の部分のレバーのようなもの。 見ての通り、どちらもセルカン氏の使っている機材とは似ても似つかない。
アニリール・セルカン氏の写真のものはおそらく、現在は使われていない船外活動ユニット(MMU: (Manned Maneuvering Unit)のモックアップと呼ばれるもので、窒素を噴射することで命綱なしで宇宙遊泳をするための装置である。
http://en.wikipedia.org/wiki/Manned_Maneuvering_Unit
ただのこの装置は、スペースシャトルチャレンジャーの事故以降は使用されていない。
http://history.nasa.gov/SP-4219/Chapter13.html)
・また、本物のMMUのシミュレーターとはまるで違う。
http://images.jsc.nasa.gov/luceneweb/caption_direct.jsp?photoId=S84-27703
・さらに、MMUの展示の写真に酷似している。
http://www.flickr.com/photos/famillesebile/3288401627/
http://www.flickr.com/photos/wvpv/2344935413/
ただ、上の二つの画像のジョンソン宇宙センターのビジターセンターの展示物は、
よく似ているけれど細部が微妙に異なる。
その他、"Johnson Space Center"のキーワードでFlickrを検索すれば類似の写真が見つかる。
http://www.flickr.com/search/?ss=2&w=all&q=Johnson+Space+Center
検証中の画像 (コメント欄参照)
アニリール・セルカン氏のブログ記事(2007.1月の記事)に掲載されている写真
「シミュレータの中、人間一人がやっとのスペース。」の説明付き。
この写真の中のシミュレータとされるものは「Lunar Module ミッション・シミュレーター」(Lunar Module Mission Simulator : LMMS)のことと思われる。
しかし、ケネディ宇宙センターにおいて、Lunar Module ミッション・シミュレーターが現在も訓練に使われているということは、考えにくい?
同じシミュレーターの画像はアポロマニアックスなどで見れる。
http://www.masaakix.interlink.or.jp/apollo/d_apollo/_training/training.htm
http://www.apolloexplorer.co.uk/photo/html/apoll_ov/10074712.htm
http://www.blogcatalog.com/blog/common-themes/83bccda2bb2ca654b2a585bebc0175d2
http://www.cradleofaviation.org/exhibits/space/lm_simulator/index.html
http://www.flickr.com/photos/50203533@N00/2346255944/
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Apollo_Lunar_Module_Inside_View.jpg
↑ wikiで紹介してある、2007に撮られたという、ケネディ宇宙センターの Apollo Lunar Module (LM) crew cabin. の写真は、シミュレーターではなく、計画中止で使用されなかったLunar_Moduleか?(LM-9?)
そのほかに、LM-2, 13, 14も、その他の博物館で展示されている。
上記写真中のセルカン氏の背後のLunar Module(シミュレーター?)について、さらなる調査が求められる。
↓アニリール・セルカン氏のブログの記事
http://blog.anilir.net/?search=%A4%C9%A4%A6%A4%E4%A4%C3%A4%C6&page=1
当記事では、「ボストンで用事が全て終え、その次の日はオーランドに移動し、ケネディースペースセンターでのグループ訓練に参加しました。ハワイで操縦訓練を受けているので、ケネディーではSurfaceLanderというシミュレータに入りました。コンパクトで狭い空間ではありますが、何でもすぐに手が届くように、うまく設計されてさすがです。運転は、事前にハワイで訓練をしてあっても、ものすごい難しいものだけれど、こういう経験をできることは非常に嬉しくてワクワクします。他には、その他訓練を受けつつ、NASAが開発しているハビタットの模型を見たり、関係者と打合せをしたりし、インフラフリー研究のためにもとても参考になりました。」というコメントが述べられている。
以上のように、アニリール・セルカン氏が公開していた写真は捏造あるいは盗用されたものであり、セルカン氏の宇宙飛行士候補という経歴は詐称である可能性が高い。