アニリール・セルカンの研究不正・詐欺事件

東大助教で、自称 宇宙飛行士候補のアニリールセルカン(松村秀一研究室)の経歴詐称・業績捏造・研究盗用の追及ブログ 

杜撰な科学研究費の審査

2009-11-27 | 科学研究費 研究計画調書
アニリール・セルカンの 2006年度 科学研究費 若手研究(B)
研究計画調書(都市計画・建築計画 5303)における虚偽記載について


日本学術振興会より情報開示された
研究計画調書 1,2,8,9枚目.pdf を参考に検証する。

関連サイト:2006年度 研究実績報告書虚偽の科学研究費実績報告について

平成18年度 第1段審査委員 理工系 工学
・平成18年度 第2段審査(合議審査)委員
  審査第一部会第二部会第三部会工学小委員会成果公開部会理工系小委員会

概要
研究種目 若手研究(B)
分野 工学
分科 建築学
細目 都市計画・建築計画
細目表キーワード 計画論
研究代表者氏名 (フリガナ)セルカン アニリール (漢字等) Serkan Anilir
年齢 (非公開)
所属研究機関 東京大学
部局 工学(系)研究科(研究院)
 助手
学位 工学博士
現在の専門 建築構法・宇宙技術・建築設計
エフォート 90%
研究課題名 宇宙技術を活用した住宅建設におけるインフラフリー施設の構築に関する研究
研究経費(千円未満の端数は切り捨てる)

研究目的、計画、方法、明細、その他研究課題の受入・応募等の状況・エフォート などについては非公開


研究略歴
・2005年 東京大学大学院工学系研究科 建築学専攻 助手
(インフラフリー技術を応用した施設の開発に関する研究)

(講師は詐称)・2003年 日本宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙構造・材料系講師
(日本の宇宙開発研究における構造・材料研究)

・2000~2002年 鹿島建設デザインエンジニアリング部 研修生
(日本における建築環境の学習及び技術の習得。また同建築・設計プロジェクトの推進。)

(詐称?)・2000~2003年 NASAジョンソンスペースセンター アドバンスプロジェクト チームリーダー
(NASAが行う宇宙空間での構造開発研究において宇宙エレベータプロジェクトの統括。またここで開発された技術の一般企業への移転。同研究の業績が評価され、2005年ケンブリッヂ大学特別物理化学賞を受賞。)

(詐称?)・1998年 ヨーロッパ宇宙開発事業団(ESA) 宇宙技術移転開発部メンバー
(EUにおけるエラスムス交換プログラムにおいてバウハウス大学より派遣。一般企業に対し宇宙開発技術の移転を目的とした三ヶ月の就任。)

(詐称?)・1997年 プリンストン大学客員教授 数学部教授
(EUにおけるレオナルド交換プログラムにおいてバウハウス大学より派遣。科学・数学分野と建築分野の交流を目的とした八ヶ月の就任。)


学位論文
・アニリール・セルカン、"情報化時代における建築物に関する研究- Buildings in the Information Age", バウハウス大学大学院建築学専攻修士論文、ワイマール、ドイツ、1999年2月18日

(誤記?)・アニリール・セルカン、"宇宙空間で長期居住を可能にする軌道上施設に関する研究- Study on an orbital Settlement (ATA).for a permanent presence in Space", 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士論文、東京、日本, 2003年12月16日

著書(出版書籍)
1) ANILIR S、'Buildings in the Information Age', (修士論文の出版), バウハウス大学出版, 1999年9月

2) (捏造) ANILIR S., EDWARDS B., "SPACE ELEVATORS- An Advanced Earth-Space Infrastructure for the New Millennium", NASA STI ProgrmOfficePublication, NASA/CP-2000-210429, (NASA Marshall Flight Centerで行われた革新的宇宙インフラストラクチャー・ワークショップにプロジェクト・リーダーとして参加、その研究結果の出版)、2000年8月
ANILIR S., "エコ手法とその事例-A View to Ecological Architecture", (鹿島建設によって依頼された研究、参考文献として全国の鹿島建設支社に配本される)、鹿島建設出版, 2002年7月

3) (捏造) ANILIR S., "The Space Elevator", Feasibility Study funded by NASA, published by NASA- Institute for Advanced Concepts, NASA/CP-2003-352104, (実現可能な研究としてNASAによって助成金受けた研究結果の出版)、2003年2月

これまでの調査結果
著書2): Smitherman Jr., D. V. 2000. Space Elevators: An Advanced Earth-Space Infrastructure for the New Millenium, NASA/CP-2000-210429.
という実際に存在する報告の著者名を変えたもの。EDWARDS B氏は、Space Elevatorの研究で有名。宇宙エレベータのイメージ図として画像を盗用されている被害者

著書3): Edwards B. 氏の報告のパクリ。(番号は謎)
http://www.niac.usra.edu/studies/521Edwards.html
NIAC (NASA Institute for Advanced Concepts) [既に廃止] が資金補助した研究全ての報告は
以下にあるそうです。当然、セルカン氏はいません。
http://www.niac.usra.edu/studies/studies.html




原著論文
1) ANILIR S., BANAZEWSKI K., BLASZcZYSZYN M., GOLEBIOWSKI P., LINDER R., PINDOR B., et.al., "Advanced Technology Paths for redeveloping of old cities taking 'zamosc' as a case study", ENTER ポーランド建築専門月刊誌, Ed. 1' 97, p.26-27, ISSN 0867-4566, 1997年1月

2) ANILIR S., SCHOENFUSS S., MULLER T., "Ecological Habitant Design Considerations in extreme environments", バウハウス大学建築・構造専門月刊誌, Vol. 1/1998, p.13, 1998年12月

3) ANILIR S., "From Past to Future- Japanese High-tech solutions", トルコ建築学会発行の建築専門誌, Vol. 2/00, p. 34-40、2000年2月

4) ANILIR S., "The Role of Space-Based Manufacturing in an Evolving Space Economy", NATOの宇宙航空研究開発技術専門誌、p.5-9, 2003年5月

5) (捏造) ANILIR S., "A Proposal to understand the 11th Dimensional membrane universes and their architectural forms in space environment", Physical Review Letters, ケンブリッジ大学出版, 2003/09, p. 39-50、2003年9月

6) (捏造) ANILIR S., "Energy for Housing in the 21st Century- Advanced Technology Paths from Space Technology into Terrestrial Architecture" 中東工業大学(METU) 建築・構造専門雑誌特別版(日本建築学会建築生産専門研究委員会と共同で), Volume 23, Number 9-10, p.43-53、2003年9月

7) (捏造) ANILIR S., "Terraforming Mars", p.12-18, Popular Science 科学専門誌12月番, 2003年12月

8) (捏造) TODD B., ANILIR S., "The NEEMO Project: A Report on how NASA utilizes the 'Aquarius' Undersea Habitat as an Analog for Long-Duration Space Flight", National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA) 月刊誌, 2004/04, p. 23-36, 2004年4月

9) (捏造) ANILIR S., "Proposal for air-filled construction systems to develop ultra-high rise buildings in earthquake zones", TASARIM建築専門月刊誌, 2004/08, p.73-78, ISSN 1300-7351, 2004年8月

10) ANILIR S., "Space Station Architectures- Educational development and technology transfer pattern for a new design and engineering field", ARRADEMENTO イタリア建築専門月刊誌, ISSN 1300-3801, 2004年12月

11) ANILIR S., MATSUMURA S., "A New Vision into the 21st Century Architecture: Design and Development of Infra-free structures in future cities", UIA 専門雑誌特別版, p.53-55, 2005年7月


これまでの調査結果
原著論文11報の中には、
http://blog.goo.ne.jp/11jigen/e/b60bba756833648cbcc98e4d5a96e2fb
で、捏造発見済の論文4報が含まれている。
5)の論文 → 東大HPに記載の業績1(捏造)
6)の論文 → JAXA(ISAS)業績3(捏造)
7)の論文 → Popular scienceの当該号には、アニリール氏の記事は存在しない。(捏造)
8)の論文 → JAXA(ISAS)業績1(捏造)
9)の論文 → 東大HPに記載の業績2(捏造)


学会発表論文
1) ANILIR S., "Converting Compression structures into Tensile Structures; How to build high-towers regarding the Space Elevator as an example", SPACE & INNOVATION 2002 Conference, Reno, U.S.、2002年1月

2) ANILIR S., 2002年5月,. "ATA" Commercial Space Development Plan, an orbital space settlement and business proposal to establish a permanent space presence and make a profit", Proceedings from the 23rd International Symposium of Space Technology and Science, Matsue, Japan

3) (改ざん、詐称) NOZAKI K., ANILIR S., MATSUMOTO S., et.al., "A Flexible Interior Design Concept for Space Applications", Proceedings from the American Institute of Aeronautics and Astronautics (AIAA), COSPAR World Space Conference, Houston, U.S., 2002年10月

4) (盗用) ANILIR S., "Near Earth Objects (NEO) as Material Resources for future Space Architecture Applications", Proceedings from Society of Automobile Engineers (SAE), Vancouver, Canada, 2003年7月

5) ANILIR S., "The Architecture of Space in 4th Dimension", Invited Speaker to the Annual Yearly Meeting of Design Engineering Technical Committee (DETC), American Institute of Aeronautics and Astronautics (AIAA), Reno, U.S. , 2004年1月

6) ANILIR S., "Industrial Processes in Space Manufacturing for Converting Asteroidal Materials into Useful Construction Elements", Proceedings from Earth & Space 2004, The American Society of Civil Engineers (ASCE), Houston, U.S. 、2004年3月

7) (盗用)WILSING M., ANILIR S., AKPINAR N., "MICRO-G Architecture- An Innovative Design and Education Experience in Turkey", Proceedings from Earth & Space 2004, The American Society of Civil Engineers (ASCE), Houston, U.S. , 2004年3月

8) ANILIR S., NATORI M.C., "Proposal of a Golden Angle-based Platonic solid combination to define the root of all existing forms in nature", 20th Symposium of Space Structures and Materials, Japanese Aerospace Exploration Agency (JAXA), Kanagawa, Japan, 2004年10月

9) ANILIR S., MATSUMURA S., "A New Vision into the 21st Century Architecture: Design and Development of Infra-free structures in future cities", UIA Conference、2005年7月

これまでの調査結果
学会発表論文9報の中には、

で、改ざん・所属詐称・盗用発見済の論文3報が含まれている。
3)の論文 → 著者順入れ替え、東大→NASDA-ISAS の所属詐称(改ざん、詐称)
  http://blog.goo.ne.jp/11jigen/e/bdab306861f7455de1e13940e1c57ade
4)の論文 → コピー&ペースト(盗用)
7)の論文 → コピー&ペースト(盗用)

博士論文(D. thesis) は盗用

2009-11-04 | セルカン博士論文
アニリール・セルカン氏の博士論文中の文章や画像について、他者のサイトや報告書からの盗用が疑われている。

⇒2009年11月29日に、
東京大学へ申立書を送付。11月30日到着し、担当者より受理通知がメールにて届きました。
実際はゆうパックなので、伝票が必要です。
拡大画像はこちら。 


現在、本文352ページ中、208ページ (約59%) において文章の盗用(ほぼ丸ごとコピペ)や画像・グラフ・データの盗用が確認されている
(他者からの引用であると予め同氏が断っているp.23,46,66,161,212,225,333や、p.351-361の清水建設の方が1st Authorの論文は除いて計算している)

盗用元の文章の主語を "I" に変えたり、盗用元の重要用語・主題に "ATA" の固有名詞や"by author"の修飾語句を付加し、あたかも自分の研究であるかのように書いており極めて悪質である。
※ "ATA"とは、アニリール・セルカン氏が、トルコ近代化の父・アタチュルク(ATATURK)から名を取ったもの。

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士論文; 宇宙空間で長期居住を可能にする軌道上施設に関する研究
Doctoral Thesis (Serkan ANILIR); Department of Architecture, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo) :STUDY ON AN ORBITAL SETTLEMENT (ATA) FOR A PERMANENT PRESENCE IN SPACE
(平成14年:2002年12月16日)
論文審査委員: 松村秀一助教授(主査)、坂本功教授、野城智也教授、曲渕英邦助教授、川口健一助教授
 ⇒表紙(TITLE) ⇒目次(CONTENTS) ⇒博士学位論文要旨 ⇒審査結果


・ 博士論文 第1章, CHAPTER 1: INTRODUCTION
  page 1 - 22
(page 1,8-11,13,14,17-22の13ページ = 59%のページで盗用が発見されている。)

・ 博士論文 第2章, CHAPTER 2: DOING BUSINESS ON ORBIT
  page 23 - 43 (p.23は、Carl Sagan氏からの引用)
(page 25-28,30-32,34-40,43,45の16ページ = 80%のページで盗用が発見されている。引用文p.23は除く。)

・ 博士論文 第3章, CHAPTER 3: COMMERCIALIZATION OF SPACE
  page 46 - 65 (p.46は、Hermann Noording氏からの引用)
(page 47-65の19ページ = 100%のページで盗用が発見されている。引用文p.46は除く。)

・ 博士論文 第4章の1~3, CHAPTER 4.1-4.3: CAPABILITY DEVELOPMENT PROJECTS
  page 66 - 127 (p.66は、Albert Einstein氏からの引用)
(page 67-71,74,75,78,99,100,103-107,109,111,113,114,118,120-123の24ページ = 約39%のページで盗用が発見されている。引用文p.66は除く。)

・ 博士論文 第4章の4~8, CHAPTER: 4.4-4.8: CAPABILITY DEVELOPMENT PROJECTS
  page 128 - 160
(page 128-140,142-145,147-152,155-159の28ページ = 約85%のページで盗用が発見されている。)

・ 博士論文 第5章, CHAPTER 5: A PROFITABLE BUSINESS PLAN
  page 161 - 211 (page.161は、Tomas D. Jones氏からの引用)
(page 166-169,171-173,177-181,183-185,199-210の27ページ = 約54% のページで盗用が発見されている。引用文p.166は除く。)

・ 博士論文 第6章, CHAPTER 6: DESIGNING THE "ATA" ORBITAL STATION
  page 212 - 333 (p.212は、Gerald O. Neill氏からの引用)
(page 214,217,220-222,224,228-236,239,241-244,246,251-252,260,287-290,292-309,311,312,314-331の66ページ = 約55%のページで盗用が発見されている。引用文p.212は除く。)

・ 博士論文 第7章, CHAPTER 7: CONCLUSION
  page 334 - 362 (p.333は、Thomas H. Huxley氏からの引用)
(page 339-349の11ページ = 約69%のページで盗用が発見されている。引用文p.334や、p.351-361の清水建設の方が1st Authorの論文は除く。)

・ 博士論文 巻末に掲載されている画像1~8, Images: 1-8
  page 363 - 366
(画像:Image 1-8 (4ページ分)全て = 100%の画像について他サイトにおいて同一画像が確認されている。)

・ 博士論文 巻末に掲載されている画像9~16, Images: 9-16
  page 367 - 370
(画像:Image = ? 0%の画像について同一画像が他サイトにおいて確認されている。)

・ 博士論文 Reference
  page 371 - 376



参考: 虚偽の科学研究費業績報告、および、虚偽のJAXA業績報告について