2008年5月1日(木) 少し前になるけれど、奥野修司著「心にナイフをしのばせて」を読んだ。男子高校生がナイフで同級生を殺害したという事件のノンフィクション。1969年に起こった事件で、主に被害者家族のその後が書かれている。被害者の母親は心が不安定となり、父親・妹はその事件をずっと引きずって生きなければならない。読んでいてつらくなる1冊だ。加害者の少年のその後にもわずかであるけれど触れられている。加害者はその後名前を変え、弁護士となり、町の名士となっているとのこと。更正して社会生活を送っている元少年に、なぜだろうか「良かった」という気持ちがわいてこない。同書によると、加害者から被害者への謝罪の言葉はないという。理由はどうあれ殺人を犯したという事実はあるのだからまず謝罪するのが人として当然のことに思うのだが・・・・・・。
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