
昨日の夜は、バルガス=リョサの小説『楽園への道』を読み返しておりました。
芸術の為に野蛮人を目指した画家ゴーギャンと、ゴーギャンの祖母で労働者と女性の為の社会改革を目指す活動家のフローラ・トリスタンの二人を主人公にした物語。
ゴーギャンとフローラ・トリスタンの生涯が交互に語られていきます。
独特の文体です。
筆者であるバルガス=リョサがゴーギャンやフローラ・トリスタンに語りかける形で物語が進んでいきます。
まるで筆者のバルガス=リョサがゴーギャンやフローラ・トリスタンに寄り添っているようで、読んでいて私も主人公のすぐそばにいるかのような気分になってしまいます。
「怒りんぼ夫人」フローラ・トリスタンは活動的で夢想家で情熱的な女性。
筆者のバルガス=リョサはフローラ・トリスタンが大好きなんだろうなぁ。
本能の赴くまま生きようとするゴーギャンには、芸術家である為にはそこまで激しくなければならないのかと圧倒されてしまいましたよ。
ゴーギャンとフローラ・トリスタンのお互いの主張は相反するものが多いです。
でも常識を打ち破り、理想を追求するという点では一致しています。
もし二人が生きて会うことがあったならど~なっていただろう?
想像すると面白いです。
とても面白い小説でありますよ。
お勧めです。
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