狐の日記帳

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『死して咲く花、実のある夢』/神林長平

2012年11月25日 18時04分03秒 | 小説・本に関する日記





 昨日の夜は、神林長平の小説『死して咲く花、実のある夢』を読み返していました。

 貴重な情報を脳に入力された首相の飼い猫が行方不明になる。
 「死んでも首相の飼い猫を捕捉しろ」と命令されて首相の飼い猫を探す任務に就いた3名の首都圏情報防衛軍団兵士達は、情報車を使って目標の猫を発見する。
 しかしその直後に情報車のすべてのシステムが停止。
 システムはすぐに回復するが、世界は一変していた。
 ここは……、死後の世界?? 

 SFです。
 神林長平の作品はシリアスなテーマをシリアスに語る物語とシリアスなテーマを能天気に語る物語がありますが、この『死して咲く花、実のある夢』はシリアスなテーマを能天気に真面目に語る物語ですね。

 訳の分からない状況に置かれてはいるけど任務は継続中で首相の飼い猫は死んでも捕捉しなくてはならない。
 産業廃棄物で埋まった信州の山間。情報車の情報はゴミの下に1992年の松本の街があることを告げている。空にはクジラが泳いでいる。元の世界とは連絡が取れない。
 状況を認識する為、3名の首都圏情報防衛軍団の兵士達は意見を出し合うのですが、真面目に話していても冗談を言っているかのようになってしまいます。
 「我々は死んだ。ここは死後の世界だ」と主張する隊長。「自分は生きている」と主張する隊員。二人の間でクールに揺れ動くもう一人の隊員。
 話し合い、行動して、また話し合い。
 死んでも任務を果たせと命令されている3人は、任務を果たして生き返ることが出来るのか?? 

 面白いですよ。
 まだ読んでいない人は是非読んでみて下さい。

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