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つまらない新聞を読んで「なんて近頃はくだらないんだ!」と言った時代もあったろうが、最近の読者はこう言う。「なんてくだらない新聞なんだ!」と。

2020年07月26日 15時55分53秒 | その他の日記
 以下の文は、デイリー新潮の『朝日「軍艦島の徴用工」社説に疑義あり 女性センター長が質問状を出した根拠』と題した記事の転載であります。





朝日「軍艦島の徴用工」社説に疑義あり 女性センター長が質問状を出した根拠
2020年7月25日 11時1分
デイリー新潮


元島民も抗議
 朝日新聞は7月9日、「世界遺産対立 負の歴史見つめてこそ」との社説を掲載した。《世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」に関する展示をめぐり、日本と韓国の間で摩擦がおきている》問題を取り上げた。
 ***
 この社説に“事実誤認”の疑いが指摘されているのだが、その前に、なぜ日韓に《摩擦》が起きているのかをご説明しよう。
 朝日新聞が6月16日に掲載した記事「『徴用工差別ない』証言展示 韓国は抗議 政府が施設公開開始」などから、ポイントを引用する。

【1】「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は2015年、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産リストに登録された。
【2】遺産は19世紀後半から20世紀の初頭にかけ、日本の重工業が発展した歴史を伝える。山口県や福岡県など8県に点在し、知名度が高いものに、静岡県の韮山反射炉や、長崎県の端島炭鉱=軍艦島、三菱長崎造船所、福岡県の三池炭鉱、八幡製鉄所などがある。
【3】世界遺産委員会では、長崎・端島炭鉱に動員された徴用工の説明をめぐって日韓両政府が対立、諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)が勧告で「歴史全体について理解できる説明戦略」を求めた。
【4】日本政府は「真摯に対応する」と約束し、「産業遺産情報センター」の設置準備を進めてきた。
【5】20年6月15日、産業遺産情報センターが東京都新宿区で開所。センターの中では端島炭鉱や長崎造船所、八幡製鉄所などの歴史を解説した。

社説の「公文書」と「判例」
【6】センターは、戦時中の端島において朝鮮半島出身者への差別は「聞いたことがない」とした、在日韓国人2世の元島民の証言も紹介。これに韓国は反発し、6月15日には同国外務省が冨田浩司駐韓大使を呼んで抗議した。
【7】加藤康子センター長は朝日新聞の取材に対し、「政治的な意図はない。約70人の元島民へのインタビューで、虐待があったという証言はなかった」と答えた。
 こうした経緯を踏まえて、先にご紹介した朝日新聞の社説をご覧いただこう。冒頭は、こんな具合だ。

《国としての対外的な約束は誠実に守る。日本が求めてきた、この原則を自ら曲げるようでは信頼は築けまい》

 朝日新聞は、センターがアーカイブした端島炭鉱=軍艦島の元島民による証言を《当時を知る人びとの証言が、貴重な価値をもつのは論をまたない》と評価しながらも、《個々の体験の証言を取り上げるだけでは歴史の全体像は把握できない》と指摘した。
 自分で《貴重な証言》と言っておきながら、それだけでは《歴史の全体像は把握できない》というのだ。
 社説では、元島民が行った証言の価値を否定するため、次のように指摘した。
《朝鮮半島出身者の労務動員に暴力を伴うケースがあったことや、過酷な労働を強いたことは当時の政府の公文書などで判明しており、日本の裁判でも被害事実は認められている》

三菱マテリアルは否定

 ところが、この部分は、歴史的事実として確認されていないという。事実だとすれば、《歴史の全体像を把握》できないどころか、単に歴史の捏造だと言っていい。
 産業遺産情報センターのセンター長を務める加藤康子氏が、朝日新聞の社説に対して疑問を指摘する。
 「社説を見た元端島島民より、『えっ! 政府が端島への労務動員時の暴力や島での強制労働を認めた公式文書や裁判記録があるの?』とお問い合わせがありました。というのも、社説は戦時中朝鮮半島出身者への虐待がなかったという元島民の証言の信頼性を、根本から否定する文脈で書かれているからです。センター開設にあたり、私たちは夥しい量の一次史料に目を通してきました。しかし、朝鮮半島から端島への労務動員で、《暴力を伴うケース》や、端島での業務で《苛酷な労働を強いた》ことを報告する公文書も、国内裁判事例も、見たことがありませんでした。そこで7月9日付で朝日新聞の社説がこのように書いた根拠を示してもらうために、質問状を送ることにしました。《公文書》と《裁判》という記述の根拠について、ご教示を依頼するものです」
 加藤センター長の指摘を続ける。
 「元島民たちも弁護士を通して、当時、端島炭鉱の経営にあたっていた現在の三菱マテリアルに『端島炭鉱(軍艦島)等に関する事実確認の申入書』を7月10日付で送付しました。申入書で、『朝鮮半島出身者に対する暴力や虐待、差別的な扱い、苛酷な強制労働を強いたといった被害を訴える裁判の被告となったこと、被害が認定された裁判が存在する事実はありますか?』と調査を依頼したのです」(同・加藤センター長)

朝日新聞の偏向!?
 三菱マテリアルからは7月13日付の「事実関係の回答書」が送付された。文書で《弊社が国内裁判で被告となっている事例はございません》と答えたのだ。
 加藤センター長は、朝日新聞の端島炭鉱=軍艦島に対する報道姿勢に“偏向”があるのではないかと気になっている。
 なぜ、そのような疑問が浮かんだのかといえば、朝日新聞の電子版に5月30日、「『4密』の炭鉱の島、遺体は酒樽で…コレラ大流行の教訓」という記事が掲載されたからだ。
 内容自体は問題がない。長崎県の近代史に詳しい建築家のインタビュー記事で、県内の炭鉱における感染症対策の歴史を紹介し、新型コロナ禍に悩む我々の“処方箋”を探ろうという内容だ。
 記事が紹介するのは、1885(明治18)年、長崎県の高島炭鉱でコレラが猖獗(しょうけつ)を極め、ひと夏で80人を超える作業員が死亡してしまったという事実だ。
 出炭量の減少に直面し、三菱は感染症対策と“働き方改革”に乗り出す。職場と住居の衛生環境を改善し、直接雇用に切り替えることで労働者の待遇を改善した。
 こうして得られた貴重な教訓を踏まえて三菱は、端島炭鉱=軍艦島では最初から労働環境に配慮して開発が行われた。

日本政府を批判する証言も収録
 かつて炭鉱労働者はタコ部屋という劣悪な環境で寝起きしていたが、端島では鉄筋コンクリートの高層アパートが用意された。
 むしろ端島を評価しているとも読める記事なのだが、加藤センター長は問題点を指摘する。
 「電子版では見出しの下に、端島の大きな写真が使われています。コレラや天然痘で亡くなった炭鉱労働者の《遺体を「酒樽(さかだる)に入れて焼き捨てた」とする資料も見られます》との一文に、『端島でそんなことがあったなんて初耳だ』と驚きました。ところが、よく読んでみると、高島炭鉱の話なのです。朝日新聞が7月9日に掲載した『世界遺産対立 負の歴史見つめてこそ』の社説を読んだ後で、改めて振り返ってみると、どうしても朝日新聞は端島炭鉱に悪いイメージを持たせたいのではないかと思ってしまいます」
 今、加藤センター長に対する取材依頼は、大半が日韓の“左翼的”メディアと市民団体だという。朝日新聞の社説に続き、韓国のハンギョレ新聞(電子版)によると7月17日、韓国と日本の64の市民団体が「産業遺産情報センターの強制労働否定の展示を中止せよ」との共同声明を発表している。
 「ある社は、1社で複数名、1人の記者の方が取材をしたら、また別の日に別の記者の方がと、延々と取材を申請されています。取材拒否をする訳にはいきませんから応じますが、率直に言って、申し合わせたような質問が多く、徒労感を覚えることもあります」

元島民の証言を信じないメディア
 加藤センター長の話を続ける。
 「朝日の論説委員にもお目にかかりましたが、すでに固定観念をもっており、社是とする説や、それまで抱いていた端島のイメージと、島民の語る端島の現実にギャップがあり、社説ではあのような書きぶりで、証言を否定したのでしょう。市民の人生は記録に遺らず、日常の延長線上にある庶民の営みや暮らしの描写は、段々と人々の記憶から消えていきます。しかし産業の現場では、業務報告書や記録を遺す習慣があります。特に炭鉱のような厳しい現場では、事故を未然に防ぐために、些細なことでも記録に遺します。センターで公開しているのは、働く人も物資も不足する戦時中に、端島という職場と暮らしが一体化した島で、どのような距離感で人々が共存し何を見たのかを語る貴重な証言と記録です。しかし一部のメディアの方々は、『犠牲者はどこだ。半島出身の労働者を虐待したという事実が公開されていないのはおかしい』の一点張りです」
 加藤センター長が「端島の調査で、70名のお話を伺いましたが、虐待の事実があったという証言はありませんでした」と反論すると、「だったら他の炭鉱に例があっただろう、それを調査しろ」とか、「どうせ証言しているのも全部会社側の人間だろう」とか、「戦時中、未成年の証言は信用ならない」、「端島の島民全員から聞き取ったのか、2000人いた島民のたった70名では有効でない」と難詰してくる。完全な言いがかりだ。

朝日新聞の回答
 「耳を疑ったのは、ある大手メディアの論説委員の方が『在日は韓国にとって祖国の裏切り者という側面がある。なぜ韓国が嫌がる展示をして刺激するのか。韓国にいる韓国人の証言しか信用できない』と発言したことです。勇気を振り絞って真実を証言してくれた元島民に大変失礼だと思います」(同・加藤センター長)
 「政府に都合のよい証言だけ集めたのだろう」と言われた事もあるが、加藤センター長は「政治的意図はありません」と胸を張る。
 「センターでは昭和3年に宮崎県に生まれ、小学生の時に端島に移住した男性の証言も紹介しています。インタビューを撮影した動画の中で男性は、日本政府の外交姿勢を批判しています。ある政府の関係者から『何も国の施設でこのような証言を展示しなくても』とのご批判もありましたが、これも貴重な証言ですから、私はそのままにしました。中庸だと、右からも左からも批判を受けます。今後もありのまま歴史的事実だけを追い求めていくつもりです」(同)

 朝日新聞に対し、事実関係の確認や、改めて社説の根拠を教えてほしいと取材を申し込むと、文書で回答があった。その全文をご紹介する。
 《読者からのご意見ご感想や取材対象・関係者からの問い合わせ等について、本社は社外に公表することは原則として致しません。貴誌は7月9日付社説の根拠についてお尋ねされておられますが、社説に記述しました通りです。日本各地で労務にあたった朝鮮半島からの労働者につきましては、さまざまな公文書などが存在し、研究発表もなされているところです。よろしくお願い申し上げます》

今後、朝日新聞は?
 朝日新聞は7月16日に加藤氏にも回答を行っている。デイリー新潮に対する回答にある《日本各地で労務にあたった》から《研究発表もなされているところです》の部分は、加藤氏への回答書とほぼ同じ内容のようだ。公文書や判例について具体的に質問したはずだが、出典を明示することはなかった。
 元島民の会も朝日新聞に対して抗議文を送ったという。今後、朝日新聞がどのような対応をするのか、どのような報道を行うのか、注目される。
  週刊新潮WEB取材班
  2020年7月25日 掲載
                                転載終わり。




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