HOTなおちゃタイム

保護猫八匹、21歳のリンをはじめとした楽しい日記をお読みくださいね。

映画「愛を読む人」とドイツ

2009-06-23 21:51:45 | 絵画
今日は久し振りに映画を見ました。

其の一つは「愛を読む人」


この原作は「朗読者」というタイトルで95年に世界的ベストセラーになった小説の映画化です。

主人公が名作を読んで聞かせるのです。本の書かれた言葉で、チェーホフだったり、ホメロスのオデッセイだったり、このシーンはとても本好きの私にはたまりません。

原作者のB・シュリンクはドイツ、うまれの、現在は法学部の教授.
この小説は自伝的要素も踏まえているとか。

まず映画を通して聞こえてくるのはドイツ訛の英語。

どうして?とおもった。

原作者の映画化の条件が英語でするということだったそうだ。

ドイツの映画が英語で話されると、其の作り物のような、軽さに、がっかりする。

ドイツ語でやって欲しい!とおもうことがよくある。この映画もそういう仲間である。

だからドイツ訛なのか?

若き日の主人公の若者、マイケルの役デヴィッド・クロスはドイツ人。
少年から、大人へのマイケルの複雑な気持ちを上手く演じているし、外見もとても素敵です。

スタッフもドイツ人に絞り込んで。
マイケルの両親、大学でのゼミ仲間、ハンナの裁判官、マイケルの娘のジュリア。これらのドイツ人俳優たちの演技もドイツでは大いに話題になっているそう。
ハンナが刑に服する刑務所の図書係を、ブレヒトの劇の主役をはっている、カルメン・マヤ・アントニーニがわずか2分間の場面にでている。
なるべく、ほんとのドイツをという監督の思い入れからでしょうか。
どこかでこんなことを聞きました。

<ナチの負の遺産を、どう伝えるのか、戦争犯罪とどう向き合えばいいのか。>
この映画のドイツのホームページによると、1943年当事、ドイツ国内に90万人のドイツ親衛隊がいた。

ハンナは戦犯として裁かれるが、ユダヤ人の虐殺の実態を知りながら、何もしなかった一般人も多かった。


    「あなたならどうしましたか?」ハンナが裁判のなかでいっています。

原作にはないが、主人公のマイケルが、それまで決して心を開かなかったのに、娘に自分の過去を語り始めるシーンで終わるところ、

戦争を、其のもたらした事実を、世代に語り継ぐという監督の思いがこめられているのでしょう。



もうひとつ、最初のシーンに驚いた。だって主人公若かりしころの舞台がドイツのノイシュタット!

私はそんなにドイツを訪問したわけではないが、私の一番親しみのもてる近い存在の町なのです。

20年来のお付き合いのある友人が住んでいるところなのです。

いまだにギルドの感じが残っている田舎町です。しかし、私は映画に出てきたこの町並みは知らない。

おまけに映画ではケイト・ウインスレットが電車の車掌役だったけれど、電車が走っていたのかしら、勿論私が訪れた時と時代が違うけれど、、

まだまだ書きたいことが、ハンナのプライド高い生き方など、一杯の心に残る映画でした。
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1 コメント

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Unknown (kinnko)
2009-06-24 20:51:26
私も京都で 「愛を読む人」を観た。

偶然ですね。

とても考えさせられる映画だった。

紫陽花の油絵、水彩画にみえるなんて
失礼な事言ってごめんなさい。
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