湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

江ノ島から渋峠を越えて直江津へ!其の弐

2006年08月31日 | 自転車生活
其の弐、険しくも美しい天上の渋峠越え

渋川からはようやく関東平野とおさらばして、国道353号を吾妻川に沿って少しずつ遡っていく。ここからはやっとツーリング気分を味わえそうだ。無理せず走ったせいで足にもまだ余裕がある、というか100kmを越えてからかえって楽に走れるようになった気がするんですが。





ようやく、あらわれたこういう風景に心が和みます。癒されます。



またまた襲ってきた暑さと眠気のために、こちらの駅舎でひと休みです。

この道はアップダウンを繰り返しながら高度をあげていく、嫌らしいといえば嫌らしい道なのだけれども、交通量の多い関東平野の幹線道路よりこういう道のほうが疲れなくていいなぁ。



このあと睡魔と暑さのせいで日影を見つけては何度か横になって短い休憩をしたけれど、のんびりペースで吾妻峡を越えて、いい感じで草津への上り口である大津の交差点に到着。あぁ、ホントにこんなとこまで自走でやってきたよという感慨が少しあった。
11:55 ここまで231.06km、AVS23.1km。



さて、ここの交差点にあるコンビニで昼食がわりの補給をして、いよいよ標高2172mの渋峠への30kmを超えるヒルクライムのはじまりだ。230kmを走ってからの峠越え(それも第一級の!)なんてはじめてなので、ちょっと緊張だけれども、俄然やる気もでますです!

がしかし、やはりきつい・・・。大津の標高が多分600mくらい。で草津が1200mくらい。その標高差を10km弱で上るわけだからきついのは当たり前なんですけど、いやぁ結構な激坂もありましたよ、ここは。

とは言え、僕は上りが嫌いではないので関東平野よりは全然精神的に楽でした(しつこい)。やはり自転車は車や信号が少ない自然のなかを走るのが楽しいのです。



で、草津の道の駅でアイス休憩。ここの店員さんに「渋峠までここからは少し楽になりますか?」と安易に訊ねたら、「いやいや、同じようにきついですよ」とあっさり言われてしまった。
13:06 草津の道の駅まで240.10km、AVS22.2km

草津の道の駅ではアイスのみの補給で出発(あとでこれが響くことになる)。ここから草津の町へ少し下って今度は峠まで延々と上るのだ。



樹林帯を上り、





森林限界に近づき、



そして森林限界を越え、



天上の領域?へ。
いやぁ、どんどん景色が良くなりますが、そのかわりどんどんキツクなります(笑)。



でも、ツールの山岳ステージを彷彿とさせる上りがまだまだ続きます。



でも高みに憧れて上り続けます。そう、僕は峠越えが好きなのだ!





だんだんと心から余計な感情が静かにこぼれ落ちていく。ただただ目の前にある坂を上ること、ただただ目の前にある道をすすむことだけに精一杯になっていく。殺生河原というロープウェー乗り場でしばらく横になったけれど、(当たり前だけれども)僕は上ることをやめない。



そしてとりあえず草津白根山のすぐそばまでやってきた。余裕があったらビーチサンダルでこの山に上ろうと思っていたのだけれども、体力的にも時間的にも残念ながらそんな余裕はなさそうだ。まぁ今回は仕方ないな。



でもこの湿原はできたら歩きたかったなぁ。まっ、またいつか来ればいいか。

さて、ここからは万座からの道まで少し下り、そこからまた峠へ向かって上り返す。

しかしその道路の合流地点あたりからだんだんと体に力が入らなくなる。草津の道の駅でアイスしか食べなかったのが体にこたえてきたようだ。あれから2時間以上たっている。そのあいだにとりあえず手持ちのカロリーメイトと残っていた薄皮あんぱん1個、それから飴玉や梅干でしのいで来たけれど、それだけではどうやら足りなかったようだ。



まだ続く上りを苦痛に喘ぎながら自転車を押し上げ(実際は押してないけどそんな感じ)、そして峠の少し手前で完全に自分の体から力が失われたことに気づいた。そのとき僕は、「あぁ、いま力が抜けていったな」という感覚が不思議なくらいよくわかった。

ただ幸いなことにそこから峠までは1kmくらいの距離だった。地図とメーターでそのことをしっかりと把握していたので、そこからは水面に浮かぶ木の上を歩くかのような必要最小限の力を伝えるペダリングでなんとか峠まで走りきった。



で15:45、江ノ島から260kmを走って2172mの渋峠にたった!やった!!

これはやはりちょっとした感動だった。自転車で長い距離を走ることに何の意味があるのだろうと出発前に結構本気で考えたりしたけれど、渋峠に着いたときは理屈抜きの体から湧き上がるヨロコビがあった。ちょっと恥ずかしいけど。無意味に感じられた関東平野を走った苦労もここに来てようやく報われたかも。

渋峠まで260.17km、AVS20.3km。 ちょっと時間が押し気味なのが気になるところであるのだが・・・。

其の壱、ほんとうに無意味に感じそうになった関東平野
其の参、そして直江津まで

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