悠々茶房ブログ

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ベトナム、インドネシアの学校教育

2016年07月08日 11時07分29秒 | 文化・生活習慣

 今回はベトナム語担当のブーティ ゴック ハー講師とインドネシア語担当のイッザ ディナルハック プラナタサリ講師に、ベトナムとインドネシアの学校教育について紹介していただきました。

Q:それぞれの国の学校教育の概要を教えてください。

ハー:ベトナムの学校制度は5・4・3・4制です。ただし、大学には5年制大学もあります。義務教育は6歳から15歳までの9年間ですが、都市部以外の一部地域では実態として5学年までで義務教育が修了となっています。義務教育段階の公立学校では授業料は無料ですが、教科書代や制服代は有料です。学校の年度は9月から5月までで、学期は2学期制です。学校によって多少異なりますが、1学期は9月第1週から1月中旬まで、2学期は1月中旬から5月下旬までです。5月末頃から9月初めまでの約3ヶ月が学年修了の休みになります。その他旧正月のテト期間中にも2週間程度の休みがあります。

イッザ:インドネシアの学校制度は6・3・3・4制です。義務教育は7歳から15歳までの9年間ですが、地域によっては完全な義務教育制度化が及んでいません。義務教育段階の公立学校授業料は無料です。学校年度は7月1日から6月30日までで、学期は2学期制です。1学期は7月から12月まで、2学期は1月から6月までですが、多少変更となることがあります。学年終了後の休みも学校によって異なりますが、6月下旬頃から7月中旬頃までの2、3週間です。そのほか、ラマダン(断食月)明けのレバランの時期にも2週間程度の休みがあります。

Q:義務教育段階ではどんな授業科目がありますか?

ハー:小学校では国語、算数、道徳、自然科学、歴史地理、音楽、美術、体育、団体行動といった必須科目と外国語や情報の教科は選択科目としてあります。英語の授業は正式には中学校から開始となりますが、小学校でも英語を選択科目として採用している学校は多くあります。あと、都市部などでは教育施設が不足しているため、午前組と午後組に分かれて授業をする学校が多くありますし、小学校や中学校では午後に1時間から1時間半程度の昼寝時間を設けているところが多くあります。

イッザ:小学校では国語、算数、理科、社会などの一般的な教科のほか、宗教の授業が必須になっています。また、第2言語として地方語(各州の言語)を学ぶほか、バンチャシラア(神への信仰、民族主義、民主主義、人道主義、社会主義の5原則)も学びます。中学校では小学校で学ぶ一般的な教科のほか、情報や環境、技術などの実技を習得する科目が増えます。英語は全国的には中学から学びますが、公立小学校でも英語やコンピュータの学習するところもあります。あと、小学校、中学校の卒業時には全国統一国家試験があり、基準に満たない場合は卒業できません。

Q:学校以外に塾などで学ぶ生徒は多いのでしょうか?

ハー:ベトナムの小学生、中学生の多くは学校が終わると塾などに通います。また、学習塾だけでなく学校の先生が主催する補習授業もあるのですが、これに通わないと担任の先生からの心象が悪くなるため、通わざるを得ないという側面もあると思います。学年終了後の休み期間にも学校主催の補習授業が行われますが、この休み期間には特別メニュー塾が開講されるので、これに参加する子供も多くいます。メニューのなかには英語、数学、文学、音楽、絵画、ダンスなどがありますが、最近では日本語も人気になっています。なお、この休み期間中には宿題が出され、国語や算数などの教科復習問題などが出されますが、それほど量は多くないので子供に負担となることはありません。

イッザ:インドネシアでは詰め込み教育がなされているほか、有名大学に入学するための学生同士の競争も激しくなっています。ですから受験勉強のためだけでなく、授業を補完する目的で塾に通う人もかなり多いと思います。あと、先ほど紹介した小学校などを卒業するための統一国家試験も結構難しく、学校によってはこの試験で卒業できない生徒もたくさん出てしまうほどでした。一方、学年修了後などの長期休み期間に宿題が出されることはありませんでした。

Q:最後に学校の制服について教えてください。

ハー:ベトナムでは義務教育段階の学校では制服が義務付けられています。学校の制服には白やカラーのシャツを採用している学校のほか、体操服を制服にしている学校もあります。ホーチミンなど南部地域の高校では女子高生の制服に白色のアオザイ着用としている学校も多くあります。また、そのほかの地域でも特別な学校行事のときだけアオザイ着用する学校も結構多いのではないかと思います。ちなみに私の高校では白色のシャツとネイビーのパンツで、周辺の学校でもこうした組み合わせにしているところが多くありました。

イッザ:公立学校には全国共通の、私立学校には学校ごとに決められた制服着用が義務付けられていました。私立学校ではブラウス着用の学校もあれば、体操服を制服としている学校もあるようです。私の場合は小学校から高校まで制服があり、大学には制服はありませんでした。シャツは白色で、ズボンやスカートは小学校が赤色、中学校が青色、高校がグレーというように、色で識別できるようになっていました。


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