悠々茶房ブログ

名古屋市東区にある中国茶カフェ・語学教室のブログ!教室イベントの記事、中国茶の記事、中国・アジア各国の文化も紹介します♪

中国茶茶請けとヒマワリの種

2015年05月08日 11時06分46秒 | 中国茶、ベトナム茶

中国では茶請けを食べながら中国茶を飲むという飲茶の習慣は、長江より南の地域にあたる江南地方を中心に、現在では北京や上海といった大都市においても広く見られますが、餃子、小籠包、饅頭、シュウマイ、春巻きといった点心類のようなものだけではなく、もっと手軽に食べられる茶請けとして茶梅、種(たね)類、ドライフルーツ類(なつめ、サンザシ、いちじく、くるみ、杏など)があります。

このうち種(たね)類は、これから植物が成長していく大元の部分ですから、免疫力も高く栄養たっぷりの健康食品です。中国では古くからおやつやお茶請けとしてヒマワリ、カボチャ、スイカなどの種を食べる習慣があります。そこで、今回はその中でも中国人に最も好まれるヒマワリの種について、中国語講師の劉 ていぎょくさん、孫 百恵さんの二人に尋ねてみました。

Q:ヒマワリの種はどのように食べるのでしょうか?

孫:ヒマワリの種は先の尖った方を口に入れ、上の歯と下の歯で切り込みをいれ、殻を手で押しつぶして中から種を取り出して食べます。中国人は若い年代から年配の年代まで、また男女を問わずヒマワリの種をよく食べます。小さい頃から前歯で殻を削って食べているので、前歯の一部が欠けたり、磨り減ったりしている人もいるほどなのですよ。

劉:中国人はほとんどヒマワリの種をおやつのように食べますが、私は高校や大学の寮などで友人たちとおしゃべりをしながら、また一人でいるときはテレビをみながらといった具合に、時間があるときはよく食べたものです。あと、年配の人たち、私の家では祖父や祖母たちはマージャンをするときやお茶を飲みながらおしゃべりしたりするときなどに、よく食べている光景を目にしました。

孫:以前はテレビだけでなく映画館などでもポップコーンではなく、ヒマワリの種を食べる人が結構いましたが、最近はマナーの問題もあって少なくなってきたのではないかと思います。劉さんの話にあったように人が集まると必ずのようにヒマワリの種を食べたものですが、特に旧正月の春節の時期になると親戚などが集まりますので、春節には欠かすことのできない中国らしい光景となる食べ物でした。

劉:中国では茶館でお茶を頼むとヒマワリの種がセットで出てくる店も多く、お茶と一緒に食べるのが最もポピュラーですが、カラオケでも有料にはなりますがヒマワリの種がついてきたりします。したがって、中国ではいろんな場面で、老若男女を問わず食べるほどポピュラーな食べ物であるといえるかもしれませんね。最近ではヒマワリの種の味も進化していて、バター味、チョコレート味、ミント味などとバリエーションが豊富になっていますので、日本の皆さんにも是非味わってみてもらいたいですね。

孫:先ほどもお話したとおり、友人たちが集まったときなどにおしゃべりをしながらヒマワリを食べるので、ついつい夢中になって食べてしまい、後で数えてみると2袋、3袋が空になっていたということもしばしばあるのですが、ヒマワリの種はあまり多く食べ過ぎると吹き出物が出たり、口内炎になったりするとも言われていますので、あまり食べ過ぎない程度に楽しむのがおすすめです。

 


中国緑茶を代表する銘茶「碧螺春」

2014年05月08日 14時44分59秒 | 中国茶、ベトナム茶

皆さんは中国茶と聞いて何を連想されますでしょうか?「烏龍茶」に浮かべる方も多く、中国では「烏龍茶」が最もよく飲まれているお茶であると思っておられる方も多いのではないかと思います。ところで、中国茶は大きく分類すると緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶の六種類で、「烏龍茶」は「青茶」に含まれます。でも中国茶のなかで最も多く生産され、また消費されるのは「青茶」ではなく「緑茶」で、その占める割合は6割とも7割ともいわれており、烏龍茶は大陸では福建省、広東省などで生産されているにすぎません。

生産量、消費量のもっとも多い緑茶を代表するお茶が、「龍井茶」そして今回紹介させていただく「碧螺春」なのです。「碧螺春」は田螺(たにし)に似た茶葉の形と薄い碧緑色をしたお茶の水色から名づけられたといわれています。このお茶が高級であるのは、500gをつくるのに7万から8万の若芽が必要とされるからで、そうした理由で「龍井茶」とならんで中国二大緑茶にあげられる銘茶の誉れ高いお茶として知られています。

なめらかな甘味とすがすがしくほどよい渋味があり、果物のような香り高いお茶で知られています。清代の皇帝があまりの香りの良さに「この香りに殺されそうだ」と言ったというエピソードがあるほどです。このような香り高い高級茶ですから、ゆったりとくつろいで飲んでいただくのに最適であるといわれています。

悠々茶房では5月から10月までの期間限定メニューとして「碧螺春」が加わることになりましたので、是非この機会に奥深い中国緑茶を味わっていただきたいと思っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


台湾の「紅玉」紅茶と福建省の「毛蟹」烏龍茶

2013年11月08日 10時39分21秒 | 中国茶、ベトナム茶

悠々茶房では11月から来年4月までの期間限定メニューとして、台湾の「紅玉」紅茶、福建省の「毛蟹」烏龍茶などが登場することになりましたので、今回はこれらのお茶について紹介させていただきます。

 台湾のお茶というと凍頂烏龍茶、東方美人、阿里山烏龍茶など烏龍茶の名前はすぐに思い浮かべることはできますが、台湾にも紅茶があるのはご存知でしたか?台湾の紅茶は烏龍茶に比べると生産量はとても少ないのですが、「蜜香」紅茶「紅玉」紅茶などといった紅茶があり、すでに日本の統治下にあった頃に生産が開始されたそうです。「紅玉」紅茶は台湾の南投県などで生産されており、生産量が限定されることもあって紅茶のなかでも最高級品といわれています。その特徴はシナモン、コニャック、ミントなどが混ざったような香りとボディの効いた強烈な個性の味ですが、個性が強いだけに好みが分かれるかもしれません。

次に「毛蟹」烏龍茶は、「鉄観音」や「黄金桂」なども生産する福建省南部で栽培される烏龍茶で、「鉄観音」などと同様にくるくると揉捻された茶葉の形が特徴です。それにしても「毛蟹」とは面白い名前ですが、これは茶葉に生える産毛が毛蟹に似ているというのがその由来であるといわれています。このお茶は焙煎が弱く、柑橘系の香りもしますので、さわやかな喉ごしになっています。

これらの中国茶は期間限定メニューですので、一度試してみたいと思われた方は、是非この機会にご来店ください。

 


チベットカフェとチベット茶

2013年07月28日 11時16分53秒 | 中国茶、ベトナム茶

名古屋市守山区龍泉寺にあるチベット寺院の境内に併設されたカフェがあると聞き、尋ねる機会がありましたので今回はこのカフェとチベット茶について紹介させていただきます。なお、チベット仏教寺院は日本でもここにしかないということです。

上の写真がチベット寺院とカフェですが、ここのカフェメニューにはチベットカレーや「トゥクバ」というチベット料理とバター茶、チベット黒茶のチベット茶がありました。「トゥクバ」というのはチベット風うどんで、麺の上に野菜やきのこ、ヤクの肉などの具材を乗せたものですが、このカフェではうどん風ではなくすいとん風のものになっているそうです。

ところで、チベット料理やチベット茶というとどんなものを思い浮かべることができますでしょうか?チベットにはツァンパ(はだか麦を炒って粉にしたもの)、羊やヤクの肉料理、バター茶、甜茶、はだか麦酒などがあるそうです。チベットは標高が高いので空気が希薄で降水量は少なく、日照時間が長くて風が強いという気候・風土の特徴があり、それにより塩分やカロリーの高い特有の食文化を作り上げたといわれています。

次にチベット茶を紹介しましょう。チベットでお茶を飲む習慣もチベットの自然環境などと密接なかかわりがあるようです。チベットでは食事が肉料理中心であるため、脂肪を分解し、消化を助ける働きのある茶葉に含まれるカテキンは必要不可欠なものです。またチベットには新鮮な野菜や果物が少ないため、ビタミンが不足がちになるのですが、茶葉に含まれるビタミンB1,B2,Cなどの成分によってその不足を補っているのだそうです。

チベットでよく飲まれるお茶には「バター茶」と「甜茶」があります。「バター茶」はヤクの乳から作ったバターとかなり濃い目の黒茶で作られますが、カロリーが高いので寒さを防ぐとともに、喉のかわきをいやします。チベットではバター茶でお客をもてなすのが伝統で、お客様の茶碗にはいつもいっぱいのお茶が入っていなければならないといわれているため、飲んでも飲んでもすぐにお茶を継ぎ足されてしまうそうですので、注意が必要ですね。また、客人としてお茶をいただき帰るときには全部飲み干すのが習慣・礼儀になっているそうですので、一層注意が必要かもしれません。

一方、「甜茶」はミルクティに似ており、紅茶を濃い目に煮出し、茶葉を取り除いてから湯をいれて薄め、牛乳の粉ミルク、白砂糖と少量の食塩を加えてつくるそうです。チベットにある茶館のほとんどは甜茶中心の茶館だそうで、地元の人はそこで話をしたり、囲碁・将棋などのゲームをしたりしてゆっくりした時間を過ごすのだそうです。

※チベット茶に関する記述は、「天空紀行」(日中通信社)の記事を引用または参考にさせていただきました。


「東方美人」は蜜の香り?

2012年11月15日 10時41分50秒 | 中国茶、ベトナム茶

悠々茶房では、11月から4月までの期間限定メニューとして「東方美人」が加わることになりましたので、今回はこのお茶を紹介させていただきます。

「東方美人」は別に「白亳烏龍茶」とも呼ばれていますが、欧米では「オリエンタルビューティー」という呼び方で知られています。このお茶は台湾で生産されていますが、青茶のなかでも最も発酵度が高く(約70%といわれています。)、紅茶に近い味のする烏龍茶です。

また、夏の時期に発生するウンカという虫が芽を噛むことによって独特の香りや味になるといわれており、その生産過程の不思議さも特色のひとつといえます。

「東方美人」は熟した果実あるいは蜂蜜の香りがし、やわらかな甘味を感じさせる味がするのが特徴です。水色はオレンジがかかった琥珀色で、見た目にもとても鮮やかです。

日本や欧米でも特に人気の高いお茶ですので、期間限定の機会をのがさず、「東方美人」の香りと味、そして鮮やかな水色を十分堪能していただきたいと思っておりますので、是非お試しください。