悠々茶房ブログ

名古屋市東区にある中国茶カフェ・語学教室のブログ!教室イベントの記事、中国茶の記事、中国・アジア各国の文化も紹介します♪

ベトナムの生活習慣北・南

2016年12月23日 10時30分52秒 | ベトナム語講師

 今回はベトナム北部に位置するハノイ出身のチャン ハ トウ講師と南部に位置するホーチミン出身のブー  ティー ゴック ハー講師に、ベトナム北部と南部では生活習慣や食文化などでどのような違いがあるかについて語り合っていただきました。

Q:まず生活習慣などではそれぞれの地域でどのような特徴がありますか?

トウ:私の住んでいたハノイなど北部地域の人は、計画的に物事を考えまじめな性格の人が比較的多いのではないかと思います。ですから、生活が安定することを第一に考え、お金もコツコツと貯金をして将来に必要となったときに使おうと考える人が多いのだと思います。

ハー:私の住んでいたホーチミンなど南部地域の人はあまり細かいことには気にしないで、おおらかな性格の人が多いのではないかと思います。ただ、あまり計画的に物事を考えることはせず、そのときに欲しいと思ったものは衝動的に買ったりして後先をあまり考えない人が多いのかもしれません。

トウ:あと、北部地域の人は性格的にまじめな人が多いので、初対面の人にとっては愛想がないように映るかもしれませんが、一度親しい関係ができると人と人との繋がりを大切にするので、深い関係ができるのだと思います。それと、年配の人を敬う気持ちがあり、礼儀正しいマナーを受け継いでいる家族も多いと思います。

ハー:そういう面で比較すると、南部地域の人はどちらかといえば外交的な性格の人が多く、フランクにつきあうことができる性格の人が多いのではないかと思います。ただ、南部地域ではあまり伝統的な礼儀作法を重んじる家庭は少なく、上下の関係もあまり意識せずに自分の意見をストレートに表す人が多いのかもしれません。

トウ:そもそもハノイは政治の中心都市で、伝統を大切にする気持ちが強いので、街には古い建築物や豊かな自然が残っていますし、最近まではあまり高層ビルも多くはありませんでした。そうした都市の文化が北部地域の人の性格にも反映されているのではないかと感じています。ですから、北部地域の人は職業についても安定志向が強く、仕事を選ぶ場合も安定を重視し、コツコツと仕事に励んでいるという印象があります。

ハー:ハノイが政治の中心都市であるのに対し、ホーチミンは経済の中心都市ですから、高層ビルがどんどん立ち並び街全体の変化も著しいのが特徴です。そうした都市の文化も影響して南部地域の人はビジネスチャンスに敏感で、自分で会社を起こしたり、商売を始めたりしようと考える人も多く、そういう意味では安定よりも高収入を求めてチャレンジする精神が強いのかもしれません。

Q:ベトナムの食文化についても北と南の特徴を教えてください。

トウ:北部地域の料理は塩やヌックマムと呼ばれる魚醤などの調味料による味付けがベースになった料理が多く、したがって味は塩辛いものが多いのが特徴です。また、北部地域では中国の影響も受けているので、中国料理に使用する豆腐や麺などを使った料理もあります。あと、北部地域では料理にハーブはあまり使用しません。

ハー:南部地域の料理は砂糖やココナッツミルクを使用した料理が多いので、北部地域に比べると甘い味付けの料理が多いと思います。また、ライスペーパーやハーブ類を使用することも多いのが特徴といえるかもしれません。あと、南部地域ではタイやカンボジア料理の影響をうけた料理もみられます。

 

 


中国の生活習慣北・南

2016年12月08日 11時19分52秒 | 文化・生活習慣

 今回は中国語担当で東北地方・吉林省出身の劉 せいせい講師と最南端に近い海南省出身の張雅講師に、中国の生活習慣が北と南ではどのように異なるかなどを語り合っていただきました。

Q:出身地の気候について紹介してください。

劉:私は吉林省長春の出身ですが、ここは亜寒帯大陸性モンスーン気候に属し、冬は寒さが大変厳しい一方で夏は結構暑くなるのが特徴です。過去には最低気温がマイナス40度近くまで下がった記録があり、1月の平均最低気温はマイナス20度程度で、一方7月の平均最高気温は28度程度と聞いていますので、温度差はかなり大きいといえます。

張:私は海南省海口の出身ですが、ここは熱帯海洋性モンスーン気候に属し、年中温暖であるといえます。ちなみに1月の平均最低気温は13度程度、7月の平均最高気温は32度程度であると聞いています。

Q:そのような気候ではどのような服装で過ごし、冷房・暖房はどのようになっていますか?

劉:長春の冬は寒さが厳しいので、フードのついたダウンコートやダウンジャンパーだけでなく、防寒ブーツ、マフラー、手袋などは必需品です。夏は結構暑くなるのですが、夏の時期はあっという間に過ぎてしまい、すぐに長い冬がやってくるので、夏の衣装は少なくてすみます。中国の東北地方などでは各家庭の部屋に温水配管が施設されており、地域全体の温水集中暖房システムが整っているので、家の中はとても温かく寒さを感じることはありません。ですから、東北地方で生活している人は寒さに弱い人が多く、日本で生活すると日本人の方が寒さに強いように思われます。

張:海南島では冬でも春のような過ごしやすい日が多いのですが、時々コートが必要になるような冷え込みになることはあります。それでもダウンコートが必要なほどではなく、街でもほとんど見かけません。また、冬でも暖房設備はほとんど使用せず、3月の天気のよい日には半袖でも過ごせるほどの陽気になります。ですから、もう4月になると海水浴ができるようになり、一年の大半が海水浴シーズンとなります。

Q:それでは料理の特徴を教えてください。

劉:中国東北地方は冷涼で乾燥しているため小麦作に適しており、餃子や饅頭(中に具の入っていない中華まん)、包子(中に具の入っている中華まん)などの小麦製品が主食となります。東北地方の料理の味付けは塩辛く、脂濃く、濃い味付けが特徴ですが、やはりこれも寒さが厳しい気候の影響が強いと思われます。

張:中国南部は温暖湿潤で稲作に適しているので、ご飯やちまき、お餅などの米類が主食となります。南方の料理は甘くてあっさりした薄味が特徴です。皆さんも東北地方の料理と広東料理などを食べ比べて見ると、その違いがよくわかるのではないかと思います。

Q:中国の飲み物を代表するお茶の文化は?

劉:中国でも黄河以北はほとんどお茶の生産をしていませんので、お茶の文化も発達していません。中国東北地方の人は緑茶以外にジャスミン茶などを飲む人はいますが、烏龍茶を独特の作法で飲むという文化はなく、お茶をゆっくり味わう茶館などの店もあまり多くはありません。

張:中国南部はお茶の生産地であり、広東省、福建省、四川省などの地域では茶館が街の至る所にあり、独特なお茶の文化が成立しています。私の育った海南島にも「老婆茶」という独特な伝統的な文化があります。道端に置かれたテーブルと椅子の周りに多くの人が集まり、昼間からお茶と御菓子を飲んだり食べたりしながら時間を過ごすのです。

Q:家庭生活ではいかがでしょうか?

劉:中国北部の男性は南部の人と比較すると家事の手伝いをしないで、亭主関白のようにふるまう人が多いという傾向が見られます。なぜなら、男性が家事をしたりすることは格好の悪いこと、男らしくないことと考える人が多いからです。そのほか、北部ではもともと農業などで生活する人が多かったこともあり、商売を上手に成功させたり世渡り上手の人が少ないということもいえるでしょう。

張:中国南部の男性特に上海周辺などでは、家事を積極的に手伝う人が多いと聞いていますし、南部では北部と比較すると奥さんが主導権を握っている家庭が多いと言われています。また、上海は経済が発展して商業も盛んですから、やりくり上手で商売のセンスが良い人が多い傾向にあるのではないかと思います。ただ、海南島の男性はあまり働かない人が多く、一方で女性は勤勉であるので男性が家事を手伝うこともあまりないという特徴があります。