悠々茶房ブログ

名古屋市東区にある中国茶カフェ・語学教室のブログ!教室イベントの記事、中国茶の記事、中国・アジア各国の文化も紹介します♪

日本と中国の異文化を語る<3>

2012年04月25日 13時39分15秒 | 文化・生活習慣

このシリーズでは日本と中国の文化や生活習慣の違いについて尋ねていますが、今回は食事をするときの「いただきます」や「ごちそうさまでした」の言葉について、中国語スタッフの呉さんと董さんに語ってもらいました。

Q:中国では食事のときに「いただきます」や「ごちそうさま」のような言葉を言いますか?

呉:中国語には「いただきます」や「ごちそうさま」にぴったり合うような言葉はありません。たとえば、お客様と食事をするとき、接待する側の「さあ、どうぞどうぞ」という言葉が合図になって食事が始まりますし、接待する側の「もっとどうぞ」に対して「もう結構です。とてもおししかったせす」の言葉で食事が終わることが多いです。

董:そうですね。大勢で食事をするときには、たとえば一番年上の人やメインの人が料理に箸をつけるのが合図になって食事が始まることもあると思います。

Q:それでは家族で食事をするときはどうですか?

呉:私の家では祖父や祖母がいましたから、どちらかが「じゃ食べようか」という言葉が合図になって食事が始まり、祖父や祖母が食べ終わるのを待って家族の食事が終了しました。ですから「いただきます」や「ごちそうさまでした」などの言葉はありませんでした。

董:我が家では父が食事をつくることが多かったのですが、一度に全部の料理をつくることはできないので、ある程度の料理ができあがると母と私で食べ始めましたし、終わるときも特に何の合図もなく終わっていましたね。

Q:日本に来てから日本の友人と食事をするとき、「いただきます」や「ごちそうさま」という人もあると思いますが、そのときはどうしていますか?

呉:私は日本に来る前からこのような習慣があることを知っていましたので、驚くことはありませんでした。ですから、日本人の友人たちが「いただきます」や「ごちそうさまでした」を言うときは、私もそれに合わせて言葉を言うようにしていますが、特に違和感を感じることはありません。

董:私もまったく同様で、まわりの人に合わせて言葉を言うようにしています。

Q:一人で生活している日本人のなかには、たとえ自分ひとりでも食事のときに「いただきます」や「ごとそうさまでした」という人もいるのですが、それについてはどう感じましたか?

董:初めてそれを聞いたときはとても奇異に感じました。なぜなら、「いただきます」や「ごちそうさま」の言葉は食事のときの合図だと思っていたからです。

呉:私もまったく同じなのですが、日本の友人からこれは食事の合図の言葉ということだけではなく、神や自然に対する感謝に気持ち、また作物をつくった農家の人や猟師さんたちへの感謝の気持ち、また動物などの命をいただいていることへの感謝の気持ちなどが込められているということを聞き、理解ができたような気がしました。

董:だから「いただきます」や「ごちそうさま」を言うときには手を合わせて言葉を発しているのですね。やはりそれぞれの国にはいろいろな生活習慣があるのですが、それはその国の人に詳しく聞いてみないとなかなか理解できないものだということがわかりました。

 


中国人の誕生日と年齢は?

2012年04月15日 11時40分47秒 | 文化・生活習慣

中国語スタッフの董さん(3月16日生まれ)と呉さん(4月14日生まれ)の誕生日祝いを4月11日に東北料理の店で行いました。このお店はいわゆる小吃料理のお店で、排骨の醤油煮込み(写真中)、肉餅(写真下)、ニラパイ、酸菜餃子など中国東北地方では有名な小吃料理をたくさんいただきました。

誕生日祝いの後、中国東北部に位置する遼寧省出身の呉さんと中国中南部に位置する江蘇省出身の董さんに、中国での誕生日を祝う日と年齢の数え方について尋ねてみました。

Q:中国では誕生日を新暦で祝う場合と旧暦で祝う場合があると聞いていますが、二人はどちらでお祝いをしますか?

董:確かに旧暦で祝う家庭もありますが、産まれた年の旧暦で祝う場合は新暦では毎年日にちが変わってしまうので大変です。友人のなかには毎年中国にいるお母さんから「今年は新暦の○月○日があなたの誕生日ですよ」と連絡をもらっている人もいます。でも、私の家庭ではそれは面倒なので新暦でお祝いしてもらっています。

呉:私の家族の場合は皆旧暦で誕生日をお祝いしていました。でも、大学に入るとまわりの友人たちはほとんどが新暦でお祝いしていたので、その頃から私だけは新暦で誕生日を祝うことになりました。というわけで、今では私だけが新暦で祝ってもらい、姉や両親の誕生日は旧暦でお祝いをしています。今思い出しましたが、大学の友人のひとりは、新暦と旧暦の両方で祝ってもらっていた人がいて、うらやましいと思ったことがありました。

Q:中国では年齢も満年齢で数える場合と数えでいう場合があるそうですね。

董:中国の数えでいう年齢は産まれた日が一歳、初めて迎える春節の日が2歳、あとは春節を迎えるたびに一歳づつ年齢を加算します。私の場合も中国では数えでいいますので、日本にいるときよりも大体一歳多くなってしまいます。

呉:私の場合も中国では普通数え年で年齢を言います。もちろん正式な書類などでは満年齢で記載しますので、少しややこやしいですね。董さんが言うように日本にいるときよりも誕生日によって一歳から二歳多くなってしまうので、あまりうれしくはありませんよ。特に春節直前に産まれた人は、生まれた日が一歳ですぐにやってくる春節でもう二歳になるわけですから、少し不公平な感じがするかもしれませんね。


日本と中国の花見

2012年04月05日 11時06分13秒 | 文化・生活習慣

まもなく花見のシーズンが訪れますが、今回は日本と中国の花見の違いについて中国語講師スタッフの董さんと劉さんに尋ねてみました。董さんは中国中南部に位置する江蘇省常州出身、劉さんは中国東北部に位置する遼寧省瀋陽出身です。

Q:中国で花見をした経験は?

董:中国では花見をしたことはありません。そもそも私の住んでいる常州では桜の花を見ることはできず、桜の花見をするためには無錫の街まで行かなければなりません。また、中国人は桜よりも梅の花が好きなのですが、わざわざ花見をするために梅の花が咲く公園に行くという人は少ないと思います。したがって、日本のように桜が咲く季節になると大勢の人が桜見物に訪れるという光景は中国ではほとんど見られないと思います。

劉:私も中国では花見をした経験はありませんし、私が知っている限りでは、両親や知人を含めて花見をする人はほとんどいないと思います。また、私の住んでいる瀋陽でも桜をみる機会はなく、梅の花はあちらこちらで見られるのですが、この時期はまだ瀋陽では寒いのでのんびり花見をする気分にもなれないと思います。

Q:それでは日本に来てから花見をしたことは?

董:私は名古屋の山崎川、鶴舞公園、東山公園、名城公園などで花見をしたことがあります。中でも山崎川は川沿いに桜並木が続いており、散策しながら桜を眺めるのはとても良い雰囲気でした。また、桜の花が散って花びらが川面に浮かぶ姿をみると桜の花のはかなさを感じるようで、日本人が桜の花を愛する気持ちもわかるような気になりました。

劉:私も鶴舞公園や名城公園などで花見をしたことがありますが、特に名城公園には夜に訪れたものですから、ライトアップされた名古屋城と桜の花のコントラストが見事でうっとりした気分になりました。一方、鶴舞公園に行くと、桜の木の下でお弁当を食べたりお酒を飲んだりしながらカラオケまで持ち込んで賑やかに過ごしているグループをたくさん見ました。ですから、花見といっても時間や場所によって過ごし方が随分違うものだなという感想をもちました。

Q:日本と中国の花見は随分違うのですね

董:日本ではまわりの人も桜の季節になると花見をするので、私も名古屋に来てからはあちこちで花見をする経験をしましたが、そもそも中国では花見をする人がほとんどないので、花見に対する思い入れのようなものが日本と中国では随分ちがうのだと思います。ですから、中国では梅の花や桃の花を見る機会はあるのですが、わざわざ花見をするために出かけるというよりも、散歩の途中で花も眺めるといった程度の人が多いのではないかと思っています。

劉:そうですね。中国では散歩をしながら花を眺める程度の人が多いのに対して、日本では弁当やお酒、カラオケまで用意して、しかも良い場所を確保するために随分早い時間から場所取りまでするわけですから、気合の入れ方がとても違いますね。それにしても、中国では桜の花を見られる場所が少ないので、もっともっと桜が見られるようになればと願っております。