自然はともだち ひともすき

おもいつくままきのむくままの 絵&文

楽しい時間

2013年11月24日 | 絵と文


知人から招待券をいただいて暫くぶりで美術館へと、重い腰をあげました。
ひとまわりのあと、ショウウィンドーのとりどり華やかなスィーツやドリンクを横目に見ていたら、
ふっと2歳の太郎といっしょにパーラーへ入ったときの光景が浮かんできました。

幼児を連れて、美術館へ行ったのはその時が初めてでした
成り立てほやほやの新米ばぁばでも、安心して連れて行けるおとなしい素直な太郎でした。

注文のフルーツポンチがくるまで椅子に座ってただ行儀よく
瑪瑙のような瞳がとろりと濡れてどこやら遠くを眺めていましたっけ
白い襟のついた黒ビロードの服が可愛くて、人間の子って最高ね!頭から食べてしまいたい…

小学校入学時にT市に移り住んでからは、
来るたび「ボクおばぁちゃんと一緒に暮らした~い」とウルウルさせて、
成長につれだんだん足が遠のく仕儀となっても、会えば眼と眼で一瞬に通じる嬉しい関係。

それがあっという間に過ぎ去って来春は社会人です。



「犬のようにすばしっこくダイヤモンドを駆け巡り、犬のように人懐っこくキャンパスを駆け巡る、仕草がかわいい」
とは報道関係に就職するチームメイトが、得意の人物評太郎の巻。
歩き始めのころも、散歩の子犬のように自宅の見える四辻まで来るときまって回れ右してたっけ。

シャツを脱いだら、腕も太腿も鉄板みたいなムキムキ筋肉マンなのに、
女の子の衣装をつけたらそれらしく見える不思議な太郎
皮膚の一部みたいだったユニフォームを脱いでしまったら−−−さてどんな素顔がのぞくかしら
ただ環境はどう変化しても、すんなり溶け込んでへこたれないイメージが湧いてきます。
春になればきっとフレッシュに羽ばたいてゆくことでしょう
 ばぁばの念力は衰えたけど…(◡‿◡*)★☆★☆ 


美術館から帰りの車中、もう少しで乗り過ごすところでした。


深夜のミステリー

2013年11月13日 | 絵と文


チッ、… 
どこかでひと声、鳥がないた  
頭の中が薄ぼんやり… …あ、私はベッドの中、心地よく眠っていたのだっけ

ジイッ、  
今度ははっきりした変な音で眠りのいりくちから引き戻された
何? 鳥…私の部屋なら鳥なんているわけがない…

ジィーッ!
枕もとのスタンドを点けた 
本にメガネ、点眼薬、Pちゃんにもらったかわいい子鈴 電話器と、
~あ これだ 故障したのか指定の時間が来ても黙りこくって役立たずの小さな目覚まし時計、これしかない。  
ジエッ!!
音は間隔をおいて威嚇するみたいにだんだん大きくなってくる
眠い眼をこすりながら、目覚まし音のonとoffの操作を何度か繰り返し
音の鳴らないのを確かめてから布団を被った。  やれやれ。

ジェーッ、   
ヤだもう!
たまらず時計をつかんで裏返して電池をすっぽり抜きとってやった
ついでに時計ごと部屋の隅に放り投げた   
これでよし。 心底疑わずベッドに横たわったら・・・またもや、 ジェーッ!
 ? ? ?
飛び起きて電灯を点けた

だーれもいない小さな部屋が暗闇からぽかんと浮き上がる
ベッドの上にへたり込んで、360度何回見まわしても音を出すものってなぁーにもない
ここは自分の部屋じゃない別の世界かも どのボタンを押したらあの怪音は止まってくれる?

 小泉八雲さ~ん

 明るくなれば。  

 そうだ明日は明日の風が吹く
  
 「向こうの部屋にお布団敷こう」

やっと決まったときぐたぐたと仰向けに伸びてしまった
あきらめて少しばかり落ち着いて、見上げた天井に、間隔をおいてチカ、チカと赤い灯が目に入る
火災報知器。 
点灯と同時にジェッとひときわ大きな音がした   こんなところに犯人が!


肩と胸のこわばりがすっと溶けて、安堵とともに何度も笑いがこみ上げてきた 
 無事平穏って最高だわぁ

 困ったときには天を仰いでご覧。


(夜中の電池切れは怪音を発して人心を惑わします、とはっきりマニュアル本に書いといてね)