自然はともだち ひともすき

おもいつくままきのむくままの 絵&文

おしゃべりboy

2016年01月20日 | 絵と文
   

たっぷりのお湯に身を沈めると、いつも待ちかねたみたいに話しかけてくるものがいます
ロボットが話してるようなデジタル音声で、ものすごい早口だからなかなか聞き取れないのですが
その日の状態を見ながら励ましたり慰めたり、からかったり怒ったりもするんですよ。

彼は泡浴槽が棲家のオシャベリボーイです。
私の気持ちが分かるらしく、無視されていると思うときはぽこぽこ泡を吹きながらオクターブ下げて
ひとりでなにやら呟いているので、これもうるさければスイッチを切ってしまえばいいのね
でもスイッチを入れたら最後 
“ポコ、ポコ、キョウハ、ゴキゲン、イカガ キョウハ、ゴキゲン、イカガ、ラッタッタ、ポコ、ポコ…
“ポコポコ、モチット、ピシット、シロ、 ピピット、パピット、シロ、 ポコポコ、パピップ、ペ、ポコ…
って、こんな具合。

まるで早口言葉みたいに猛烈なスピードがおかしくて、耳を傾けながらつくづくその辺り眺めたら、
ときどきピチッピチッと泡が弾けとんでるじゃありませんか
いったいどんな顔してしゃべりまくっているのかしら?
想像するだけでイヤなことなんか忘れつい笑ってしまいます
若しかしたらこのおしゃべりボーイ、ころ合いをみては自ら精神的な介護をかって出ようとしているのかも。


…なぁんて都合よく勝手な解釈しているのもリフレッシュのひとつよね
鉄板みたいにこわばった体が、心までもが、じんわりほかほかと温まって来るんですよ ((^┰^))ゞ

運のツキ

2016年01月14日 | 絵と文


目の下に今まで見たこともないクマができて、どう見てもあまり人相がいいとはいえない顔が映れています。
これが私の新しい顔…?

簡単に済むと言はれている白内障の手術以後両目に生じた大きな黒い影。
そのため視野はかなり狭くなり、おまけに目尻がいつも指でつまんでいるように重くふさがって
明るい光の中に出ると影は白く広がるので、思わず猫のように眼を細めたりこすったりしてしまう。
何より上瞼が重くかぶさっている感じはまるでお岩様になったみたいで鬱陶しい。

この異様な感覚が私ひとりの勝手な思い込みではないことを周囲に理解してもらうには少々時間がかかりました。
というのもこの二重苦だか三重苦だかの圧迫感が、外見上では手術前と同じく何の変化も見られない上
一通りの検査では異常無し経過は順調とでる不思議な現実
よくよく調べれば、まつ毛が跳ね上がって、瞼の内側がわずかにはみ出しているように見受けられるし
夕方頃には、今まで見たこともない大きなクマが目の下に現れて周辺の皮膚に微妙な影を落とします。
歌舞伎役者の隈どりが連想され、鏡に向かって毒づいてしまいました。
こんなに人相悪くはなかったはずョ!

原因究明に脳腫瘍(!?)のMRI始めいくつもの精密検査を受けたけれど当然のことながらどこにも異常はみられず
手術室で長い時間を要する最後の検査は、危険!という予感がしたのでこちらから断りました
大病院で日々数多くの手術に明け暮れている医師は最後にあっさりと宣告しました。
「手術の際顕微鏡の光が強すぎて網膜を傷つけたかもしれません
このような事例は、過去全然なかったわけではないのです…」
そして完治は出来ないのでメガネをかけるとかして対処を…となって一段落。



そんなこんなで3か月経ちました。

中東・ヨーロッパ、アジア・アメリカ世界中至る所できな臭い煙がくすぶり始め
身近な周辺にも事件事故はどこに転がっているか分からない最近です。
さざ波も立たなかった安穏の日常にちょっとした突風が吹きぬけたのかもしれません
今までが順調すぎたから終盤に向けて少しはプラスマイナス零に近づけたのでしょうか
これだけで済んだのを幸運とし、それ以前に周りの人たちの善意だけは信じていたい
こじらした風邪、ぶり返す足の痛みからようやく解放されつつあり、そろそろ天然に戻ってきたみたいです。

これ以上葛藤に耐えるのにも疲れちゃった
予想外の出来事なので思わず戸惑ったけど、じたばたしたところで事態が好転するわけはないのだもの
もう先は見えているのだし、白い影も瞼のふさがる感じも運のツキと諦めて
慣れるのを待つ受け身な生き方の方ががベストなのかもしれない
サングラスがちょっと体裁悪いけど。

いいこともある?
もちろん! 両眼とも視力1.2の良眼に戻りました。
見えすぎて困ることもあるけど、術後見るテレビのすっきりした映像、色彩の美しさにはとても感動です。
「そのうちいいセカンドオピニオンきっと見つけてあげるから」と慰めてくれた息子はその口で
いつになったらバァさんになるのかと思ったけど、やっと人並みのばァさんになったぜ、ですって。(@_@。