自然はともだち ひともすき

おもいつくままきのむくままの 絵&文

ミルク売りの少年

2017年12月28日 | 絵と文


爆弾低気圧、などと聞くとやや漫画チックでおどけた雰囲気ばかり思い浮かんでしまうのは
やっぱりマンガには背を向けてちっとも時代に即応しようとしないせいかしら?

その爆弾低気圧がいよいよこれから猛威を振るおうかという不気味なしずけさに包まれた夜遅く
突然チャイムが鳴って、だれ?少し身構えながら玄関に出てみました

細めに空けた戸の外には小柄なひとりの少年が済まなそうに立っています。
さし出した小さなビニールの袋に、飲み物の小瓶が五つ六つ
試食の製品持参して売り込みの人、とは分かりましたが。

ペコンと頭を下げたきり伏し目がち、ときどき訴えかけるような視線が何かあどけない。
あの、私は飲まないのですけど、
寒さに震えながら答える私も何故か遠慮勝ち。

はい。
と少年は両手を脇におろして行儀よく一礼し、
帰ろうとして今度は門扉の開け閉めにガチャガチャやっています
冷たい雪の降りしきる中濡れた手指の白さが可哀そうで
いいんですよそのままで、と思わず声をかけたら
はい。
ともう1度起立の姿勢で一礼したあと、雪の夜道を駆けだしてゆきました。

知能に少し遅れがあるらしい
素直そうな少年、というだけで面影さえもおぼろです
でもあの子、何か事情があって自分の意思で動いているのだろうか、それとも…
あの様子では、暖かい布団にくるまれて安らかになれるのは何時になるだろう?

クリスマスは過ぎていましたが
ふっとマッチ売りの少女の話が頭に浮かび・・・

あれこれと勝手に想像しそんなに気になるくらいなら、黙ってビニール袋を受け取ればよかったのに。
と気づいて苦笑してしまったのは1時間もあとのことでした。