ゆえん

 

インドの宿に引き蘢ってみた

2011-04-29 10:44:36 | インド
この日はインドでまったりお休み。
旅にも休暇が必要ですよね。

ということで、
ビールやらインドのスナックやらを買い込んで、
ホテルでTVを観ながらダラダラ過ごしていたのです。


インドのTVを観てると、
報道番組も、バラエティも、CMも、
インドらしからぬ完成度の高さ。



この番組は、
日本の、「新婚さんいらっしゃい」と、
「風雲たけし城」をごちゃ混ぜにしたような構成で、
その数々のトラップたるや、
まさに、インド人海戦術にモノを言わせたような、
壮大なセットの数々。
インドの男女が試練に挑み、
セットが次々と容赦なく破壊されて行くのです。


今の日本のパワーでは、
こんな番組はつくれまい。
そう認めざるを得ない立派な番組でした。

ちなみに、この番組でミスを犯すと、
インドのイケメンマッチョにケツしばかれるのです。




TVCMも、インド的にノリが良いものばっかり。
しかも、注意深く価格をみていると、
シャンプー中サイズ : 約240円
AXEとか8×4的制汗剤  : 約500円
ジャイアントコーン的アイス : 約120円

とか、インドの金銭感覚を見失うくらい、
高額なモノばっかり。


インドを旅してると、
無理矢理現地の価格感覚に合わせようとするけど、
日常的にTVを観るような階級のインド人からしたら、
さぞかし滑稽なんだろうなーと思いました。




まったり時間を過ごしながら、
トイレに行って、用を足して、
水を、じゃーーっと流すと、


  ・・・・・・・・?


大っきいのはしてないはずなのに、
なんか、ゴミの固まりみたいのが、
ぐるんぐるん回ってる。

なんとなーく、流れるのを見守ってると、


 ・・・・あれ??

    ・・・・・なんで流れないんだ?



 ・・・・・・・・


  !!!!!!!!!!!!!!!!!!

  ぎ、ぎゃあああっぁぁっぁっぁぁぁあ!




※グロ注意

それは、ゴミではなく、
インドの魔物、イモリだかヤモリだったのです。




・・・・・・・・。

どうやら、コイツの潜む便器に向かって、
下半身をあらわにして用を足していたらしい。


さーて、どうしよう。
こんだけビールガン飲みしてるし、
トイレは何度も行かざるを得ない。


そこでゆえんさんは、
ホテルのフロントに行って、

「あのー、部屋掃除して欲しいんですけど・・・。」


と、頼んでみました。

快く引き受けてくれた割には、
一時間以上待たされ、
やっと来た清掃係の人。

しつこく便器に張り付く魔物を指差して、
コイツを何とかして欲しいと言うと。


「お~う、これは、でんじゃらぁ~す。」

とかいいながら、作業に入ってくれました。




作業を終えた清掃員さんに、

ゆえん「ありがとー、コレ、日本の飴、あげるよ!」

清掃員「・・・・・・・・・・。」

 あれ、、きょとんとしちゃった??
 リキシャのおっちゃんとか喜んでくれるのになー。。

ゆえん「あ、ごめんごめん、あと、これね。」

 お財布から、5ルピー(10円ちょい)出して差し出すと、

清掃員「・・・・・・・・・・。』


  え・・・・・
  足りないの?

  いや、まずい、相場がわからん。

清掃員の、無言攻撃が続きますが、、、

こっちも負けじと、きょとんとしてみる。


ゆえん「・・・・・・・・・・??」(笑顔で)

清掃員「・・・・・・・・・・・。」



清掃員「アー ユー ハッピー?」

ゆえん「??? は? はっぴー?
    い、いえっさいあーむ!」

清掃員「そうか、、
    それはよかったな。。。」


それだけ告げると、
清掃員さんは、静かに部屋を去って行きました。



 ・・・・・・・・・・


    なんやねーーーーん!


しかも、部屋の清掃はしてくれないし!


なんか、完全に、負けを認めざるを得ないこの感じ。

ま、とりあえず、トイレの安全が確保されたので、
再びビールをぷしゅったのでした。



インドでまったり。
ホテルに閉じこもってるだけでも、
刺激が耐えることの無いインド。

そんな、まったり休暇な、
インドの旅の、とある日の出来事でした。







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インドイケメン遊戯~ポストオフィスの男~

2011-04-26 21:26:34 | インド
バラナシでガンジス沐浴を果たし、
デリーに帰還した、ゆえんさん。

この日は、水着やらTシャツやら、
役目を終えたアイテム達を日本に送るべく、
デリーのポストオフィスに向かったのでした。

インドの郵便局。
無事荷物を送れるんだろうか。
そして無事、日本に届くんだろうか。

そんな不安に駆られつつ、
辿り着いたポストオフィス。



とりあえず、キョロキョロしてみると、

「おい、キミはこっちだ、ここに並べ。」

と、テキパキ客を捌いてるポストマンがいます。


あー、でたでた。イケメン。


それも、これまで旅で出会ってきたような、
野性的ワイルドイケメンとは違って、
いかにも育ちのよさそうな、
整った顔立ちのイケメン。
(プリンスと命名)


ゆえん 「あのー、これ、日本に送りたいんですけど。」

プリンス「中身は何だ?」

ゆえん 「(水着なんだけど) えっと、服です。」

プリンス「そうか、なら約1,200ルピーだ。」

ゆえん 「ええええええぇえぇえぇぇえぇ!!??」


1,200ルピーって、
日本円にしたら、2,500円くらいなのですが、
インド的感覚値に換算すると、

最強紙幣 日本 1万円札
     インド 500ルピー札

という価値観から単純計算するに、
うん、実に2万円以上の価値と言って良し。
日本に荷物送るの2万円なんて、
何の迷いもなく、送るのやめるわ。


・・・という決断を、
0.2秒くらいで済ませると、

ゆえん 「ごめん、あたし、そんなお金持ってません。」

と告げて、立ち去ることに。



プリンス「いや、まて、冷静になれ。」

    「いいか、私が、ひとつずつ、教えてあげるから、
     よく聞くんだ。」


きっと、1,200ルピーって聞いた時の驚いた顔が、
さぞかしヤヴァかったんだろうなーと、
反省せざるを得ない程に、
ゆえんさんを、たしなめてくれるプリンス。

彼が言うには、
EMSという最強サービスを使った場合は1,200ルピー。
配達にかかる時間や保険などのオプションで、
全4種類あるらしく、
ゆえんさんは、下から2番目のプランを選択。

575ルピーという、インドじゃ大金なんですが、
まー折角プリンスが一生懸命説明してくれたし、
日本円にしたら1,200円くらい、
またすぐ稼いだるわい!という気持ちになれたのです。


書類への記入を進めていると、

プリンス「アー ユー マドリッド?」

っと聞いてきたので、

ゆえん 「マドリッド?いやいやいや、
     トーキョージャパンに送るのよ。」

と答えると、プリンスは、
まるで、自分の心臓を取り出して、
こちらに差し出すかの如く、
何度も胸の前で手のひらをくねらせながら、

プリンス「のー!まっどりっひぃど!まっっどぅうりっひぃっど!」

と、繰り返す。


ゆえん 「あー、スペインの首都だよねー。
     行ったこと無いわー行ってみたいなー。」


書類を書き進めながら、
軽く聞き流していると、
ついにプリンスは、


プリンス「っっん゛っっっーーーーーーーー!」

という、ものすごいうなり声を上げると同時に、
右足を大きく地面に叩き付けて、
悔しがった。




     ・・・・・・!!!



ゆえん 「ご、ごめっ マジごめん。」

    「あたし、英語聞き取れなくて、ごめんさい。
     で、なに?まっどりひっど、だっけ??」


傾聴の姿勢をみせると、
プリンスは、胸ポケからカッコ良くノートを取り出して、
こう綴った。


  m a r r i e d


  married?結婚?


ゆえん 「あーーー!、結婚ね!してないしてない!
     全然してないよあははははははは!」


大笑いしながら答えるも、
プリンスは神妙な面持ちでこう続けます。

プリンス「そうか、では、その、

     特別な、つまり、

     その、う、運命の人は、既に見つけたのかい?」

ゆえん 「特別な?運命の?何それ、知らんしらーん。」

軽く流して書類への記入を進めたのですが、、

プリンス「わからない?
     それがキミの答えかい?
     いや、キミは既に見つけたはずだ。
     それは、ほら、、、

     今だよ!」



  ・・・・・・・・・・・・



聞き取りにくい英語だったので、
たぶん聞き間違いだろうと思ったのですが、

プリンスの方を見ると、
プリンスも、まっっっっっすぐ、こっち見てる。




一瞬、プリンスと二人で宇宙空間に飛び出して、
地球を挟んで公転しているような、
そんなビジョンが浮かんだ。
それくらい、プリンスを遠くに感じたのです。



そう、たしかこの会話に至る前に、
ガンジス川で沐浴してきた話をすると、
プリンスはバラナシ出身とのことで、
ガンジス話で盛り上がったのでした。

プリンスはその時のくだりを巧みに拾って、

プリンス「ほら、バラナシ生まれの、この男さ。」

なんて言って、首を軽くかしげながら、
満面の笑みを浮かべ、
親指を力強く、自分のアゴに向けてゆび指してる。



なにその自信。。


彫りの深い端正な顔を、
台無しにするくらいの笑顔で、
誇らしげにこっち見てる。


  ・・・・・・・・・・・・


  えーかげんにしときなはれやー!


          ほれてまうやろーーー!





最終的に、プリンスは、
荷物の梱包から発送まで世話を焼いてくれて、
荷物のステータスをチェックできるサイトのアドレスと、
プリンスのメアドをメモしてくれたのでした。


あーあ、インドのイケメンの個人情報ゲトしちゃったー
(プリンスは帰国後も仲良しだったり。)

おっと、いけねー!
ポストオフィスの外には、
イケメンリキシャマンを待たせてるんだった!

もー、どんだけのイケメンたちが、
あたしを求めてるの???

なーんて、ばかばかばかー!

インドイケメンパラダイス、
最高すぎるぜ!!!!


ホント、日本の草食系男子とやらは、
インド行って、女の口説き方勉強してきた方がいいんじゃなかろうか。


プリンスの写真が無いのが悔やまれますが、
次回インド行くときに激写したいと思います。


今回ご紹介できる写真は1枚だけ。
無事、日本に届いた、プリンス梱包による愛の荷物。




インドイケメン遊戯はまだまだ続く、かも。
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インドの乗り物リキシャ 大人の乗り方入門

2011-04-23 14:07:33 | インド
インドを旅するなら、
何度も乗ることになるのがこのリキシャ。





この乗り物は、
たぶん通算100回は乗ったと思うのですが、
まっすぐ目的地に辿り着き、正規の値段で降りれる確立は、
多分5%くらい。

ほとんどの場合は、乗る時に価格ボられてケンカして、
乗ってからは土産物屋やら安ホテルに案内されてケンカして、
降りる時もまたボられてケンカして、
まー、とにかくトラブルが尽きない乗り物なのです。

しかしここは、
データアナリストゆえんさん。
わずか5%の成功事例を徹底分析しまして、
気持ちよくリキシャに乗れる法則を発見したっぽい。

必要なのはわずか3ステップ。

------------------------
・リキシャは自分の意思で決める。
・相場価格の倍支払う心積もりを決める。
・乗ったら会話を投げかけて仲良くなる。
------------------------

今回は、旅のつづきのリキシャを例に、
大人なリキシャの乗り方を紹介したいと思います!



ある日のこと。
この日は、ガンジス川に別れを告げて、
バラナシの駅までの交通手段を探していたのですが、



「へい!どこにいくんだい!
 駅まで、50ルピー(100円ちょい)だ!」

「いや、オレのに乗ってけ!」

「オレの方が早いぜ!」

と、いつもの感じで、
客引きが襲いかかってくる。


------------------------
・リキシャは自分の意思で決める。
------------------------

そう、こーゆーのに乗ると、
ロクなことがないのです。

リキシャは自分で決める。
理由は何でもいいのです。

あーイケメンリキシャいないかなー。
と、うろうろしていると、



   !!!!!!!


なんとそこには、
フェラーリのリキシャが!



絶対、コレに乗りたい!!!!

ゆえんさんは、フェラーリが大好きなのです。


ちなみに、フェラーリといえば、

「フェラーリって何の意味か知ってる?
 跳ね馬(はねうま)って意味なんだよ?」

と教えてもらったのを、
致命的に聞き間違えて、

結構長い間、種馬(たねうま)だと思っていたという、
それくらい、フェラーリに関しては、知ってるのです。


○跳ね馬  ×種馬


さっそく、フェラーリのあんちゃんに話かけます。

「ねーねー!駅まで連れてって!」

すると、とりまきの客引きたちが、

「いや、こいつのリキシャは壊れてる。」
「オレの方が早くて安いぜ。」

とかなんとか、諦める気配がない。
あまりにもうざいので、

「あたしは、フェラーリに乗りたいの!
 フェラーリじゃなきゃやだぁー!」

もはや子供みたいに地団駄踏んでそう叫ぶと、
客引きさんたちもさすがに呆れた様子で、
去って行ってくれました。

そして早速、フェラーリあんちゃんと価格交渉。

------------------------
・相場価格の倍支払う心積もりを決める。
------------------------

相場価格の倍。

ゆえんさんは、最初こう思っていました。

日本人のアホ観光客どもが、
インド人に金バラまくから、
こうやって純粋に旅するあたしが迷惑被るんだ!と。

でもね、旅を続けるうちに、
考え方が変わってきたのです。

こちらをご覧いただきたい。



これは、とある観光名所の入場料なのですが

 外国人 :300ルピー
 インド人:75ルピー
 

と、堂々と書いてありますね。
つまりインド政府公認の観光名所ですら、
外国人から、4倍もの見物料を徴収することを、
当たり前のように掲げているのです。

ついでに、「ボられる」という漠然としたこの表現も、
現地の価格感がつかめてくると、見えてくるのですが、
通常の10倍くらいの価格をふっかけられるのは当たり前。

という事実を踏まえれば、
相場価格の倍支払う心積もりを決めるというのは、
大人の乗り方として、
調度イイ所というのがご理解いただけたでしょうか?


ということで、100ルピー払うつもりでいたので、
ふっかけられることも想定して、

「ねーねー、おにーさん、
 さっきまでここにいた人、50ルピーって行ってたけど、
 あたしは70ルピー払うよ!どぉ?」

と切り出すと、

「いや、80ルピーだ」

と、のたまった。

  ・・・・・・・・・・・。


いや、ここで怯んじゃいけない。
100ルピー(200円ちょい)払う心積もりを決めてたので、
80ルピーで価格交渉成立、フェラーリでバラナシ駅へGO!!

あれ、、
おにーさーーん??
大丈夫?これ、動くの???


本当に修理中だったっぽいフェラーリでしたが、
あんちゃんは、中途半端に修理っぽい行為を放棄して、
頼りなさげに走り出します。


だ、大丈夫かー?
このフェラーリ!!??


と、不安に駆られつつ、
最後の、最も重要なステップに進みます。



------------------------
・乗ったら会話を投げかけて仲良くなる。
------------------------

これは、要するに、
あたしはインドに慣れてるぜ?
というアピール行為に近いのですが、

まー、とりあえず、楽しめばいいのです。
今回のケースでは、とっても簡単。


「おにーさん!フェラーリ好きなの?
 あたしもフェラーリ大好きなんだ!

 だからね、あんなにたくさんあったリキシャの中で、
 おにーさんのリキシャを選んだんだよ!

 おにーさん!
 フェラーリみたいに、駅まで、かっ飛ばしてよ!」


ってな感じでフェラーリ好きをアピールすると、
ちょっと照れ気味に、振り向いて笑顔を見せると、
期待に答えて、ぶっっっ飛ばしてくれました。







  ぎゃーーーーーー!(心の声)



あんちゃんは、常にアクセルとクラクション全開で、
対向車線にまで突っ込んで、
対向車に罵声を浴びせるという、
暴挙を繰り返しまくるのですが、

たぶん、リキシャの最高速度、40km/hくらいだし、
最悪、転倒したり衝突しても死にゃしないだろう、と、
恐怖を楽しみながら乗らせていただきました。



まっすぐ駅までかっ飛ばしてくれた、あんちゃん。

あんちゃん「ついたよ!
      電車に乗るなら、この建物の右側から入りな。

ゆえん  「ありがとう!」

100ルピーを渡すと、
律儀に20ルピーのおつりを探し始めるので、


ゆえん  「いやいや、いいんだよ、
      釣りは、取っといてくれ。

      言っただろ?あたしはフェラーリ大好きなんだ。
      あんたのドライブ、最高だったぜ!」

あんちゃん「そうか、ありがとう!」


あんちゃんと、硬く握手を交わしながら、
絶対また来るよって言うと、
最高の笑顔で、リキシャを名残惜しくも降りたのでした。


ああ、リキシャ最高。

------------------------
・リキシャは自分の意思で決める。
・相場価格の倍支払う心積もりを決める。
・乗ったら会話を投げかけて仲良くなる。
------------------------

きっとインドに慣れてきたら誰でも出来ると思うのですが、
まだまだ初心者な方は、
是非ご参考にされたし!

そんなこんなで、
一度デリーに戻った後、
次は北インドのハイライトと言われる、
砂漠の世界、ラジャスターンに向かうのでした。



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インドイケメン遊戯~宿の男編~

2011-04-19 22:42:34 | インド
バラナシで迎える朝。

鳥の声で目が覚めて、
まだ日が昇らないガンジス川を眺めます。



夜が少しずつ消えて行く。
虫たちの時間が終わって、
鳥や犬たちが騒ぎだす。

色も、風も、音も、全て、
ゆっくり、少しずつ変わってく世界。


ああ、時間なんて、
一体何の意味があるんだろう。


とろけてしまいそうなほど、
ガンジス川に見とれてた、そんな時、



 「ゴンっ! ゴンっ! ゴンっ!」



と、すべてをぶち壊すかのごとく、
乱暴にドアをノックする音が聞こえたのです。


あけてみると、
(今思えば不用心だな)
そこにはインドのイケメンが、
ハダカで(ガタイよくて色黒で)、
白いタオルを腰に巻いて立ってたのです。


   「行こうぜ・・・・」


ぶっきらぼうにそう言うと、
親指で肩の後ろを指差して、
アゴを軽くナナメにふって誘い出す。




    ・・・・はぁぁあああ??



午前6時。
ジャスト6時。



    ・・・・あ・・・・

        あああああああ!



ゆえんさんは、
昨日の夜の会話を思い出しました。

宿のルーフトップレストランとやらで、
夜のガンジス川を眺めながら、
ビールを飲んでいたときの事。


イケメン「ところで、ボートには乗ったかい?」

ゆえん 「乗ったよ。2回も乗った。」

イケメン「そうか。ボートから日の出を見たかい?」

ゆえん 「日の出は見てない。明日の朝、部屋で見るんだ。」

イケメン「部屋はどこだい?」

ゆえん 「これだよ。」


そういって、タマネギ頭の屋根を指す。



ここで、イケメンはゆえんさんの部屋を知ったわけですね。
(今思えばほんと不用心だな)


イケメン「マハラジャの部屋じゃないか!
     ここに泊まってるのかい?
     キミはラッキーだな!」

ゆえん 「この部屋からの眺めは最高だね!
     明日、日の出を見るのが楽しみ!
     ところで、日の出は何時頃か知ってる?」

イケメン「6時さ!!」

ゆえん 「そう!ありがとう!
     明日は早起きするんだー、楽しみ!」

イケメン「ああ!本当に美しいんだ!
     楽しみにしておけよ!」


・・・というくだりを、
0.5秒ぐらいで再生して、

・・・さて、どうしよう。

イケメンは、すでにこちらに背を向けて、
進み始めようとしてる。
(ってか何でハダカなの?)

いやいやいや!ちょっとまて!
やべやべやべー、このペースはまずい。

もはや自分の思考回路がどこでどうなったか知らないが、
とっさに出た言葉はこれでした。


「もうちょっと後で乗る。」


我ながら、なんとも日本人らしい、
曖昧な回避を見せると、イケメンは、


「ふうん、そうか・・・」


と言って去ってきました。


   「バタン・・・」
   (ドア閉めた音)



 ・・・・・・・・・


 なんなんだこの展開!!


ああ、昨日の会話、
なんか致命的に英語間違ったかな。

たしかにボートに乗せたい雰囲気は感じたけど、
ボートのくだりは軽くスルーしたつもりだったのに。


インドのイケメンが、
約束を律儀に守って朝早くから、
何故かハダカで迎えにきてくれてるというのに、
それを軽く断るなんて、
一体あたしは何様ちゃんなんだ。

ああーん、ついてけばよかったかも、
ばかばかばかー!


すっかり動揺して、
ベッドでもじもじしていると、

部屋の外では、
太陽が、夜を突き破って、
ガンジス川にオレンジ色の光が溢れました。



水平線でも地平線でもなく、
少し上の雲から登場した太陽は、
あっという間に完全な姿を表して、
オレンジ色の世界は、すぐにいつもの色をもらいました。


ああ、イケメンにホイホイついて行ってたら、
この光景は見れなかったんだね。
神様、ありがとう。


落ち着きを取り戻したゆえんさんは、
ボートに乗る支度をして部屋をでたのですが、
結局この時イケメンには出会えず、
次に会ったのは、前日と同じく、
ルーフトップレストランだったのでした。


ゆえん 「今朝ごめんね。」

イケメン「? ああ!いいんだよ!」

ゆえん 「あの後、あなたには会えなかったけど、
     ボートに乗ったんだよ。」

イケメン「ああ、知ってるよ。ここから見てたよ。
     キミはボーイに話しかけられて困ってたね。」

ゆえん 「ぶっ!」


 ・・・そこ見られてたか。。

昨日世話になったボートのおっちゃんを探す途中、
地元のガキんちょ共が、

「ボートなら僕にまかせてよ!」

とか、しつこく絡んできて大変だったんだ。


イケメンさんは、
このゲストハウスに住んでいて、
仕事といっても、こんな感じで、
観光客と戯れるだけ。

世界中から観光客がくるから、
退屈しないし、友達もたくさんできるそうな。

そんな優雅でまったりな人生がうらやましい。



ま、そんなこんなで世話になったイケメンさん。

最後に、写真を撮りたいなーと思ったのですが、
どうやらインドのイケメンたちは、
写真をあまり好まないようで、
まともに頼んでも無駄だと踏んだゆえんさんは、


「このホテルを日本の皆に紹介したいから、
 ここの写真を撮ってもいい?」

という表現を用いて、
無理矢理撮影したのが、これだ。



※右がイケメンね。


 ・・・・・・・・・・


だめだ、やっぱり上手く撮れてない。。。
へっぽこイケメンハンターでした。


ま、ちょっと物足りなかった方のために、
インドのイケメン盗撮写真を一挙披露しよう。


※日本人を騙して商売してるイケメン


※抱き合うイケメン


※バランス感覚の優れたイケメン


※突然ファインダーに飛び込んできたイケメン


※象使いのイケメン


※アイス売りのイケメン


※バイクのイケメン


うーん、やっぱり、こんなものか。

インドのイケメンを満喫するには、
現地にいくしかないみたい。

インドイケメン遊戯編も、

まだまだ つ づ く
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インド女一人旅 ガンジス川で全身沐浴までの道

2011-04-16 14:11:16 | インド
ガンジス川で全身沐浴。

自分でも未だによくわからないのですが、
この、決意というか、願望というか、
とにかくガンジス川で沐浴したい、しなきゃって気持ちは、
ある日当然というわけでもなく、
随分前から、じわじわ何かが訴えかけてくるような、
なんだか不思議な、表現できない謎の力に少しずつ包囲されて、
いつの間にか、強烈な願望と義務感になっていたのです。


 ・・で・・

恐る恐るガンジス川の状況について調べてみると、

--wiki先生からの情報---------------------------------
信者以外の観光客が沐浴を行うことは避けるべきである。
ガンジス川には近隣の下水が流しこまれているため、
地元の人間と違って免疫のない人がガンジス川の水に浸かったり
飲用したりすれば多種多様な感染症に罹病する危険が大きい。
-------------------------------------------------

とかなんとか、怖い情報ばっかり。

旅の猛者、おかんですら、

「やめときなさいアンタ!

 ○○さん(金持ちなマダム)なんかね、
 帰りの飛行機で、下痢が止まらなくって、
 おしりビチョビチョのまま、家に帰ったらしいわよ!」

とか強烈なネタを披露してくる。



とまぁ、そんな情報たちに若干ビビリつつも、
確固たる意思で、
ガンジス川、母なるガンガーに辿り着いたのです。


ガンガーとのファーストコンタクトは、
とあるゲストハウスからの絶景。







音も、風も、匂いも、その全てが美しくて、

何度かシャッターを切ってみたけど、
ばかばかしくなって、すぐにやめた。




この神秘に包まれたら、
「汚い」とか「病気になる」とか、
そんな心配は、即、消滅しました。


 よーーーっし!
    沐浴するでーーーー!


迷彩柄の水着を装備して、
(下着を確保するために持参しました)

現地で仕入れたパンジャビードレス
(現地の人の普段着)を着て、
テンションあげあげで支度を進めます。


 ここで、最大の懸念事項が。。


    貴重品、、どうするんだっけ。。


当初は、宿に置いとけばいいかなーと思ったのですが、

宿の鍵、これだし。


しかも、ベランダ、これ。

※誰でも通れる廊下から撮影しています。

ベランダから部屋に入る戸は、
人間どころか、
猿でも簡単に侵入できるような構造になっていて、
ここに貴重品を置いて行くのはチャレンジングすぎる。

仮に、置いて出かけたとしても、
きっと不安がずっと襲いかかってきて、
清らかな気持ちで沐浴することは不可能だろう。


と、いうことで、
最小限の貴重品を持参して、
川っぺりに出かけます。




最初にここに来たときは、
リーダーたけし激似のインド人と一緒だったので、
安心して歩けたのですが、

いざ、一人になってみると、
常に、インド人が話しかけてくる。



  ・・・実にうざい。。。


ちょっと水に触れてみようかと思って、
川に近づいてみたものの、

そこにいるインド人が、
全員こっちガン見。

なんかもう、真っすぐ歩く以外の行動が許されないような、
そんな緊張感に苛まれながら、
少しずつ、現地の文化に馴染むのでした。





ウシさんも沐浴。




犬ちゃんも沐浴。


不思議な事に、コレをみても、
この川を汚いだなんて全く思いません。


インド人の子供が、
イタズラで、ビニール袋にガンガーの水を入れて、
観光客の二人組の白人に、
後ろから水ぶっかけてたのですが、
(これはちょっとヒドい)

その水が汚いかのような表現で喚く観光客に、
違和感すら感じつつ、
インドの子供に混じって、
一緒に爆笑できたゆえんさんでした。



そんなこんなでいろいろありつつ、
やっぱり沐浴できずにいたゆえんさんは、
とりあえず、ボートに乗ってみる事に。

宿のあんちゃんの紹介で出会った、
ちゃんとしたボートマン。


わーい、出発しゅっぱーつ!


ボートで大興奮。おっちゃんも苦笑い。
沐浴する人、雑談する人、
目に飛び込んでくる全てに感激。






瞑想する人いっぱい。






沐浴から上がって、
タオルを身に纏った爺さんが、
こちらをみながら、

 「ほーーーーーぉらっ!」

って、タオル全開にして、
アレを丸見せにしてる。



  ・・・・・・・・・。



ま、日本にもいるしね、そういう人。


動画も撮影してみた。

360°ガンガーに包まれた景色。
※船酔いに注意




結局この日は、おっちゃんのボートに2回乗って、
沐浴は出来ずに終了。

そして翌日、
朝一でおっちゃんのボートに乗って、
イケてる沐浴ポイントに連れてきてもらったのです。


「おっちゃん、ちょっとだけ待ってて!」

と言って、ついに川に身を浸します。





3月の早朝、まだ空気が少し冷えるけど、
川の水は、心地よい冷たさで、
全身を浸せたらどんなに気持ちいいだろう、
と思いました。

でも、この時は、
荷物があったので、断念。

そして、4度目のボート。
ゆえんさんは、このおっちゃんに、
全てを託す決意をします。

貴重品、ボートに置かせてもらおう。
このおっちゃんとは、もう顔見知りだ。
きっと持ち逃げなんてしないと思うし、
もし逃げても、本気のクロールで追えば、
きっと、追いつける。

それに、こんだけ人がいるんだし、
ドロボーって騒げば、
きっとみんな、助けてくれるさ。

そう信じて、
荷物を預かって欲しい旨を切り出そうとすると、
おっちゃんはこう言ってきた。

「荷物はボートに置いて行きなよ。
 キミは泳ぎたいんだろ?

 ここで荷物とキミを見ててやるから、
 行ってこい。」




   ・・・おっちゃん・・・・

        マジありがとう!!!!


少し躊躇するような芝居をしつつも、
おっちゃんは、「大丈夫だから!」って
念を押してきて、
ゆえんさんを見送ってくれました。

さっきみたいに、
少しずつ、川に身を浸していきます。

今回は、カメラも、パスポートも、財布も持ってない。
どんどん進んで、ついに腰まで浸かると、

ひゃぁぁーっ!つめたい!きもちい!


ボートのおっちゃんの方を見ると、

「もっと進め!行け!行け!」

って凄いテンションで捲し立ててる。

わ、わかった、わかったよ、おっちゃん!

胸のあたりまで身体を浸すも、
若干躊躇してるのを見るに見かねて、

ついにおっちゃんは、
ゆえんさんのバッグを持って、
ボートを飛び出した。
(一瞬持ち逃げかと思ってビビったけど)

おっちゃんは、こっちに近づくと、
周りのインド人に何か言ってます。
みんなを捲し立ててるみたい。

近くにいたインド人が、

「よく来たな!
 マザーガンガーでキミもグッドカルマだぜ!」

「早く頭のてっぺんまで潜っちまいな!
 こうやるんだ!」

とかいいながら、
一緒になってハシャぎはじめるゆえんさん。


そして、三人くらいのインド人と一緒に、


「せーーーーーーのっ」


ざっぶーーーん!

水から顔をあげて、
みんなで、ぎゃはははははって大笑いして、

「これでキミは一生病気にならないよ!」

なんて言われたりしながら、
ついにマザーガンガー全身沐浴を果たしたのでした。


なんかすごい達成感。
ここまで来るの、楽じゃなかった。


いろいろ思い出しながら、
ゆっくり、浮かんでみる。


空。
鳥がいっぱい飛んでる。

水がばしゃばしゃ鳴る音も、
たくさんのインド人が騒ぐ声も、
風も、空気も、ここで感じる全てが、
ガンガーの一部なんだなーとか。

全身をガンガーにあずけながら、
いろんなことを考えたのでした。


きっと時間にしたら数分なんだろうけど、
なんか、時間とかそういう概念を超越したような、
不思議な感覚につつまれます。

危険を犯してでも、
沐浴できて本当に良かった。



一緒に泳いだインド人たちに別れを告げて、
ボートのおっちゃんの所に戻ると、
おっちゃんは嬉しそうに迎えてくれて、
再びボートに導いてくれます。

水浸しの格好で、
ボート濡らしちゃうの悪いなーと思って、
躊躇していると、
おっちゃんは、
「いーから乗れよ。」
ってボートの中から手を引いてくれます。

そして、水浸しのパレオを絞ってくれて、
頭の上から、ヴェールみたいにかぶせてくれて、

「どうだ、涼しいだろ?」

って、笑顔でいいながら、
ボートをこぎ始めます。


 ・・・・・・・・、

    惚れてまうやろーーーー!



そんなこんなで、
沐浴を果たして、再びガンガーを眺めると、
何だかもっと、美しく感じられたのでした。


夜のガンガー。


ガンガーの日の出。





こうしてすっかり勢いづいたゆえんさん、
インドの旅はまだまだ続きます。

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コメント (8)
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