ゆえん

 

インドイケメン遊戯~太鼓売りの男~

2011-06-26 21:56:50 | インド
インドのニューデリーにある、
メインバザール。


参照:インドで楽しくお買い物@ニューデリーのメインバザール




この通りを歩いてると、
客引きたちが襲いかかってくるのですが、

中でも特におもむきがあるのは、
インドの太鼓やさん。


こんな感じの太鼓を↓


いろんなサイズ合わせて10個以上身体に巻き付けて、
派手に演奏しながら巡回しているのです。


 ポン、ポポポン♪
  ポポン、ポヨヨォ~ン♪


音楽を生業にする商人だけあって、
営業スタイルも独特のノリで攻めてくる。

かなり厄介なので、
できるだけ関わらないようにしていたのですが、


あー、でたでた。イケメン。


それも、これまで旅で出会ってきたような、
野性的ワイルドイケメンとは違って、
アーティスト系オシャレイケメン。


自然に日焼けした水嶋ヒロか、



スラムダンクのリョーたん(宮城リョータ)か、


みたいな感じの太鼓売り。





太鼓売り「へい!ハロー!ハロー!
     見て見て、コレ、たたく?」

       ポン♪


    「こする?」

     ポヨヨョオぉ~ん♪

    「いろんな音が出るんだよ~!
     買う?買う?買う?」



ゆえん 「・・・うーん・・・
     音はいいと思うんだけど、
     
     旅人の荷物としては、
     ちょっと大きすぎると思うな・・・」


太鼓売り「ノーノー!
     ノープロブレム!
       コレ小さい!」

ゆえん 「でかいじゃん!!」

太鼓売り「大丈夫!こうやって、
     紐を使って、腰に巻き付ければいいよ!
     ポポン♪(太鼓を鳴らしながら)」

ゆえん 「なんでやねん!いやすぎるわ!
     いらんいらーん!」



切りのいい所でイケメントークを受け流し、
サリーやストールのお店を巡っていると、
また、太鼓の音が。



太鼓売り「オ~ゥ!また会ったね!
     太鼓、買う?買う?」

ゆえん 「いらんっちゅーに!」


そんな感じで、2度も運命的な再会を果たし、
(今思えば、後つけられてた?)

そして3度目の再会は、
インドの楽器屋さんの前だったのです。


太鼓売り「ヘーイ、また会ったね!
     ここ、オレの店!入って!入って!」


そのインドの楽器屋さんは、
民芸品の太鼓だけじゃなく、
ギターやヴァイオリンなんかも並んでて、
かなり魅力的なラインナップ。


ゆえん 「へぇー!!
     いっぱいあるねー!」

太鼓売り「ああ・・・」


そう囁くと、
イケメン太鼓売りは、
おもむろにクラシックギターを肩に掛け、
優しい手つきで、奏で始めた。



  ボロン・・ボロロン・・・


  ・・・・・・・・・・・・



太鼓売り「オレ、ギター弾けないんだよ。」


・・・じゃあ、やるなよ!!!
一瞬、ほれてまうかと思ったぞ!


詳しいことはわからんが、
たぶんソレ、チューニングすら合ってないよね。



折角来たので、
ギターのピックでインドっぽいのがあれば、
お土産に買おうかと思ったのですが、
フツーーーなのしか無いので、
何も買わずにサヨナラしたのでした。





そして後日、、、

この日は、インドに来て初めて、
日本人とビールを飲むことになり、
冷えたビールが飲めるというお店に行くことに。

――――――――――――――――――――――
これまで紹介してきたように、
インドには不思議な魅力がありまくるため、
インドから帰れなくなる日本人が結構いるらしく、
さらに、インドを旅する日本人の半数は麻薬目的との噂もあり、
頑に日本人との接触を避けてきたのです。
この日は10日以上ぶりの日本語解禁。
――――――――――――――――――――――

日本人の男性、ゆうさん。
金髪だったので年下に見えたけど、5歳くらい年上だった。

お店に向かっていると、
例のイケメン太鼓売りが駆け寄って来たのです。


太鼓売り「ヘーイ!キミたち、友達なの?」

ゆうさん「そうだよ。これからビール飲みに行くとこ。」

太鼓売り「太鼓買ってよ!いつ買ってくれるの?」

ゆうさん「あー、分かった分かった。あとでな。」

太鼓売り「待ってるからね!」


・・・・・・・・・

なんだか、いつになく必死なイケメン。

とりあえず、この日本人歓迎と書いてある



「かん二くのしょくどう」
(たぶん、かんこくのしょくどう、って言いたい)
にお邪魔することに。

――――――――――――――――――――――
ここは、韓国女性と結婚したインド人が経営するお店で、
1Fはネットカフェ、3Fは韓国料理屋、
2Fでは新たなビジネス展開を目論んでいるそうな。
ご一緒させてもらった日本人のゆうさんも、
日本でかなりの経験を積んでるらしく、
インドの未来に野望を馳せる夢いっぱいな会合となりました。
――――――――――――――――――――――

瓶ビールを2本ほど空けて、
お店を出ると、
イケメン太鼓売りが、体育座りで待ってた。

こちらに気づくと、

太鼓売り「あ!戻って来た!
     太鼓買って!太鼓!」

と、すごい勢いで言い寄ってくる。


ゆうさんが、
どんだけ彼に思わせぶりな言い方したのか知らないが、
その様子はかなり切実で、鬼気迫るものがある。


そこには、楽器屋の他のメンバーも集結していて、
ゆえんさんには、ギターのピックを営業してくる。

・・・よく覚えてるね・・・



まぁ、ゆえんさんも、ゆうさんも、
インドにはそれなりに慣れてるので、
そつなくスルーして歩みを進めるわけなのですが、

最後に、イケメン太鼓売りが発した言葉。


太鼓売り「買ってよ!今買ってよ!

     オレは、明日は休みなんだ!
     でも、今日は一個も太鼓が売れてないんだよ!

     このまま売れなかったら、
     オレは明日を過ごすことが出来ないんだよ!

     だから買って!今買って!」



・・・・・・・・

あなたほどのイケメン、
日本なら、ツラだけでメシが食えると思うけど(大げさかも)、

イケメン大国インドで、
イケメンの切実な現状を目の当たりにしたのでした。


 (ってゆーか、
  うちらがビール飲んでる間にさ、

  体育座りして休んでないで、
  太鼓売っとけよ・・・!)




思えば、あの太鼓、値段すら聞かなかったな。
日本に帰って来て、ほんのちょっぴり後悔してる。

今度インドに行って、
水嶋ヒロ似のイケメン太鼓売りに会えたら、
写真を撮らせてもらう代わりに、
一番ちっちゃい太鼓を1個買って、
腰から太鼓ぶら下げて旅を続けるってのも、
悪く無いかな。


アスタラヴィスタ、イケメン太鼓売り!


※この記事に登場する太鼓売りは、
 実在の人物、水嶋ヒロさんとは、
 何の関係もありません。
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インドで楽しくお買い物@ニューデリーのメインバザール

2011-06-18 20:17:05 | インド
今日はお買い物の日。


インドのニューデリーには、
外国人向けお買い物ポイントが2カ所あって、

少々お値段は高いが清潔(?)な、
コンノートプレイス。



そしてこちらが、
少々物騒だけどインドらしさを堪能できる、
メインバザール。



ま、どちらも観光地ということで、
外国人なら客引きに襲われることには変わりないのですが、

ゆえんさんはやっぱり、
後者「メインバザール」が好きなのです。



メインバザールの入口付近の様子。



奥の方まで歩いてくと、
大量のインド人が服や日用品に群がってる。



サリーがバカ売れ。

ここで、現地の相場観が見えてきますね。
サリーがセール価格で350ルピー(700円くらい)。


幼女の怪しい衣装が150ルピー(300円くらい)らしい。



ここに来る前に、

サリー屋「おい、ねーちゃん!
     サリーどぉ?見て行きなよ!」

ゆえん 「うーん、これいくらなの?」

サリー屋「いくらでも好きな価格を言ってみろ!」

ゆえん 「じゃあ、、、
       100ルピー・・・・?」

サリー屋「オーゥ、、、
       そいつぁ無茶だぜ・・・」

ゆえん 「あっそ・・・
         じゃ、いらないワ♪」

と、いうやりとりがあり、
とても恥ずかしいことをしたと思いました。




現地の価格感が身に染み付いてきた所で、
実際にお買い物をしてみます。


インドの小物は、むっちゃカワイイ。


ピアス屋さんに、

バンクル屋。


いろいろ売ってるお店。



渋谷に並んでても違和感ないくらい、
カワイイ小物ばっかり。

それでいて、お値段は激安。
インド人に混じって、買い狂っちゃいました。

バンクルたち。


青のゾウさんバンクル:150ルピー(300円くらい)
金のゾウさんバンクル:70ルピー(140円くらい)

そして、右の金色で細いバンクルセットは、
この4倍くらいの本数で、200ルピー(400円くらい)。
両手に20本ずつくらい付けるのが流行ってます。




ネックレスとピアスのセット



1セットで400ルピーって言われたけど、
いっぱい買うからって値切る作戦で、
3セット700ルピー(1,400円くらい)で購入。


続いてインド服。

パンジャビードレスなる、
気軽な女子服を買いました。


ド派手なデザインが多いけど、
あえてシンプルなのを購入。
300ルピーくらいだったかな。


そして、現地で流行ってる、
かぼちゃズボン。



これを履くと、
天空の城ラピュタで、ドーラのおばさまに借りた、


ピンクのズボンみたいになるのです。


イイ・・・


どちらも帰国後はパジャマとして活躍中。

買いすぎた物を入れるバッグも買っちゃった。


ゾウさんのバッグ、
200ルピー(400円)くらいだった気がする。



そろそろ買い物しすぎて疲れたので、
ちょっと休もうと思ったのですが、、




なんか、、
暗~くて、汚~いお店ばっかりで、
気軽に入れない。。。


結局、こんな暗~いお店に入って、


とりあえずビール!


インドではなかなかビール飲めないので、
この瞬間が最高なのです。


こんな感じで、何のトラブルもなく、
お買い物を満喫できてしまいました。


メインバザールは、人通りが多いし、
屋台風オープンなお店が多いので、
土産物屋に監禁されることもなく、安心安全(な気がする)。


こうして、すっかりメインバザールを気に入ってしまい、
その後何度も足を運ぶことになるのですが、

そのお話は、また次回!

つづく
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インドの一等車輛にて~謎の金持ちインド人~

2011-06-05 11:07:02 | インド
砂漠の国ジャイプールから、
ニューデリーに帰る列車にて。

四時間半、距離にして東京名古屋間くらい。
たまには、一等車輛に乗ってみます!



運賃は、990ルピー。
2,000円くらい也。

半額の車輛と、あんまり変わらないけど、、


参照:インドの車窓から 便意との戦い デリー~ジャイプール編


ま、安心安全料ってことかな、
と無理矢理納得して、席に着きます。


今度の席は、通路側。
窓側には、かっぷくのいい、
インドのおっちゃんが。

ちょびヒゲに、優しいお目目の、
まるでマリオの実写版のようなおっちゃん。



自己紹介によると、
おっちゃんは、インドの飲料会社の偉い人らしく、
今回も仕事でジャイプールに来たそうな。


おっちゃん「日本から来たの?
      アースクエイク、大変だったね。

      それに、ぬーくれあの問題で、
      水が不足しているそうじゃないか。

ゆえん  「え!そうなの!?」


この頃日本では、
水道水から放射性物質が検出されたか何かで、
水の買い占め事件が勃発していたそうなのです。


おっちゃん「我が社としても、
      日本への水の輸出を検討している所だよ。」


次から次へと、
いろんな情報をインプットしてくれるおっちゃん。

盛り上がっていると、
車掌さんが切符を拝見にきました。



おっちゃんは、切符を出さずに、
ヒンディ語で車掌さんになにやら伝えると、
車掌さんは、笑顔で頷きながらスルー。



   ・・・顔パス!?



このおっちゃん、
何者なんだ・・・



その後も、おっちゃんは、
日本の文化やら経済ネタやら、
いろんな話題をふってきます。


おっちゃん「キミは、普段なにしてるの?」

ゆえん  「んー、働いてるよ。」

おっちゃん「もし差し支えなければ、
      給料を教えてくれないか?」



   ・・・ぶしつけだな!!



インド人とは、よくこういう会話になるのですが、
過去の経験上、回避は不可能。

インド人は頭の回転がハンパ無く早いし、
数字だけじゃなく、言葉巧みに誘導していく能力も高い。


もし、回答を拒んだとしても、

おっちゃん「そうか、じゃ、食事にかかる値段は?
      家賃は?水道光熱費は?
      月に幾ら貯金する?」

とか的確な質問を繰り返してきて、
結局月収の規模を簡単に推測されるんだ。


それに、インド人の大卒平均月収は、
新卒で1~2万円くらいって何かで読んだことがあった。
このギャップにおっちゃんがどんなリアクションを示すのか、
興味のある所だ。


・・・という妄想を0.2秒くらいで再生して、


ゆえん  「んーーとね・・・
      たぶん、、日本ではね、、

      月に得る収入ね、、たぶん、、
      年齢×1万円くらいだと思うの。

      あたしは、その平均的な感じだよ。。」

おっちゃん「ふむふむ、で、
      キミはいくつなの?」


ゆえん  「んーー、
      見た目どおりかな・・・。」



おっちゃん「ふふ、そうか。
      やっぱりね。日本人の大卒平均月収は、
      20万くらいと記事で読んだことがあるよ。


・・・・知ってたのかよ!




このあとも、おっちゃんとは、
経済ネタや、インドの観光スポット、
日本の宗教観などなど、
ずーーっとくっちゃべってたのでした。


そして、次々でてくるフルコース。


まずはお菓子

チャイとセットで出てきます。


そして前菜、トマトのスープ


激ウマにつき、ガッついてた所、
おっちゃんが、このスティックと一緒に食べるように教えてくれた。



でももうスープないわ。



そして、ベジタリアンの食事。




写真ではお伝えできず残念すぎるのですが、
余す所無く激ウマなのです。


おっちゃん「どうだい?おいしい?」

ゆえん  「うんうん、もうね。最高すぎるよ。

      日本にも、長距離の列車があるけど、
      高い座席に乗っても、こんなサービスは無いよ!

      カレーもね、こんな美味しいのは滅多にない!
      インド、大好きーーー♪」

おっちゃん「そうか、よかったね。

      おっと、また別のサービスがあるようだよ?」



こんどはデザートにアイスまで出てきます。



これがもう激甘で激ウマ。


ゆえん  「すごーーい!
      インドの一等車輛!!
      来て良かったです!!」

おっちゃん「ふふ・・日本のキミの友達は、
      キミを羨むだろうね。」




うーん、
羨むかな。。。


この感激は、
灼熱地獄の砂漠を味わった末だからこそ、
な気がする。

日本人からしたら、
ただの小汚いメシにしか見えないかもしれない。。

でもね、本気でこのサービスに感激できるっていう、
それもまた、インドの魅力だと思うのです!



食事を終えて、
また、おっちゃんとくっちゃべって、

少しずつ、ウトウトしてきて、
夢の世界にいざなわれていた所、、、



 ・・・!!!???



何者かが、足をひっぱった!

???

どうやら、足に引っ掛けてたバックパックが、
倒れたらしい。


隣のおっちゃんは、
迷惑そうにそのバックパックを、
元の位置に戻そうとしている。

・・・あーごめんごめん・・・



    ・・・ん??



元の位置に戻そうとしている・・


     のか・・・????




ほんの数秒の出来事で、
しかも寝ぼけていたため真相は分からない。

でも、その時おっちゃんは、
手にかけたバックパックを手放して、
いそいで、席を立ちどこかに行ってしまった。


ああ・・

  邪魔だったのね、、この荷物・・・。



ゆえんさんは、
日本で旅する時でも、
荷物を網棚に上げるのは好きじゃなく、
必ず身体に接触させておく主義なのです。

だから、貴重品用バッグは肩からタスキがけ、
バックパックは足に絡めて足下に置いといたのです。



・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・



おっちゃん、
戻ってこないね。。




膝においてある、
ノートをペラペラめくってみる。

電車という環境ゆえ、
おっちゃんの話で興味深い点を、
メモに取りながら聞いていたのです。


英語が通じなかったときは、
スペルを書いてもらったりして、
ヒンディ語の発音を教えてもらったりもした。


今度来る時は、私に連絡しなさい、
って言って、yahoo!のメアドも渡してくれた。


おっちゃん・・・
どこいっちゃったの・・・・
寝てたから、別れの言葉を遠慮したの・・?



おっちゃんが戻らないまま、
途中の駅に停車した。



もう、雰囲気的に、
おっちゃんは戻らないと悟り、
おっちゃんの座ってた窓側の席に移ります。



車窓の景色・・・
・・・立ち並ぶスラム。。


最悪の事態を想定してみる。

バックパックの中身、あるよね・・・
貴重品、、大丈夫だよね。。

無事を確認して、いろいろ思い返すと、
思えば、おっちゃん、
車掌さんに切符見せてなかった。。

なんかヒンディ語で語でごにょごにょ言ってたけど・・・


車掌さん 「切符を見せろ」

おっちゃん「おい、みろよ、日本人だぜ、
      あとで山分けにしようぜ(ニコッ)。」

車掌さん 「・・・」(にっこり頷く)



って、んなわけないよねーー!

 ばかばかばかーーーーーー!



でも、そういえば、月収の話の切り出し方も、
不自然な気がしなくもなかった。


おっちゃん、、、
日本に帰ったら、
すぐにメールするからねーーーーーー!






残念ながら、帰国後のメールに返信はなかった。


でもね、他にも返事の無いインド人なんていっぱいいるし。
逆に返事があっても怪しいインド人もいっぱいるし。

騙されてなんか無い。
マリオのおっちゃん。

イイ人、イイ人、イイ人・・・


結局おっちゃんが戻らないまま、
ニューデリーの駅に到着。


到着は現地時間で22:00と、
若干物騒な時間ではありますが、

襲いかかってくる客引きも、
牛フンだらけの汚い道も、
インドっぽくて大好きだと思いました。



インドで残された時間は残りわずか。
落ち込んでる暇なんて無いのです。
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