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暮らしの菓音vol.7 ドルチェ倉庫ライブレポ



11月3日のドルチェ倉庫ピアニカライブの写真を眺めるつどあの日の光景鮮やかに蘇る。
音、形、色、レモングラスの香り。
あれから月日が過ぎてもキラキラと胸の中で輝く宝石のような思い出の一日。
宣伝に奔走していた9月頃、トミーさんのライブの魅力を言葉で何と説明すれば適切なのか
思い悩んだ日々も懐かしい。
鳥肌が立つような感動のひとときは、確実に胸の中で息づいている。



昨年初めて主催したトミーさんライブのリベンジと気合い入れたものの
トミーさんの本拠地神戸から遠く離れた静岡県。しかもこの片田舎町。
あまり知られていないアーティストのライブチケットをお金を出して
買う気持ちになってもらうことはやはり簡単ではなかった。
「本当にいいモノ」を自信を持っておすすめすればチケット売れる!という考えは甘かった。
「ピアニカのジャズ??」「ライブに来てもらえれば絶対魅力分かりますよ~」
そう口で説明しても相手の胸に響かない。CD聴かせてもライブ本来のおもしろさは伝わらない。
宣伝ってホント難しい。沈んだ日々もハンパなくココロ折れそうな時も多々。
私が家の中でどれだけのたうち回って悶絶してたかはオット以外に知る人はいない。
そんなめげかけた時期に複数のお客様がチラシ配布など
宣伝協力を申し出て下さって身にしみて感じたこと。
ありがたいって、本当に有り難いことなのだ。

宣伝広報活動すったもんだの挙句。
いざフタを開けてみたらほぼ定員80名様のご来場。
普段ドルチェ倉庫で行われているクラシックコンサートでは
大体お客様数50名様前後のことが多いので、80名様は大入り満員である。
前日準備で椅子を実際に並べてみて、あらためて80名様という人数の重みを感じた。
すごいな~~~ホントにこれだけ大勢の方が来て下さったんだ~~~・・・夢見てるみたい。

 

最初は当日午前中に準備する予定だったのだが、急きょドルチェ倉庫オーナーさんにご連絡し
空きを確認してやっぱり前日準備に変更した。
中学校での演奏終了後にその足でドルチェ倉庫へ。
実際杜屋販売品の陳列だけでも時間めいっぱいだったので前日準備で正解だった。
私ひとりでジャム並べながら彼らのリハーサル演奏を存分に聴けた。贅沢☆ 

ちなみに、ライブ当日右側のお席にお座りだったお客様が後日
「何でピアノの人右手と左手の高さが違うのかな?と思ってたんですけど
 右手でピアノ、左手でキーボードを弾いてたんですねーすごい!」
とおっしゃっていた。



開演直前に司会担当のオットがトミーさんの事について紹介説明していたけれど
その時私は遅れた方の対応で外に出てたので何言ってたか不明。
でもトミーさんが初っ端の挨拶で「暮らしの菓音」カノンとは何て素敵なネーミングでしょう!
とおっしゃったのはきっかり耳に入ってる。むふ。褒められた。嬉しいな~



フルートの住本エリさん、キーボードの伊川洋平さんとともに
トミーさんと三人でのピアニカ三重奏からスタート。



「かえるのうた」はトミーさんのプロ用木製ピアニカではなく、小学生が使うピアニカでの演奏。
上手な朗読家の朗読を目をつぶって聴いていると、
絵のように物語の情景がぱっと頭の中に浮かぶことがあるが
この「かえるのうた」三重奏を聞いてるとあちらこちらからぴょこぴょこ飛び出すかえるが見えてくる。

今回はもちろん、1年前のライブで演奏して頂いた曲目や曲順も記憶している。
ピアニカ三重奏から始まり、ボサノバ調の赤とんぼやリズミカルなタンゴ、
そして後半へ向けて徐々にヒートアップしていく曲の順番をあらためて思い返しながら
お能の「序破急」という言葉を思い出した。
軽やかにお客様のハートをつかみ、曲の進行とともにじわじわじわじわ、
そして中盤を過ぎる頃にはぐいぐいぐいーんとお客様のテンションが上がり
会場の空気も熱く厚くなっていく。

私自身は基本音楽シロートだしジャズマニアでもないし、
心臓ドキドキ高鳴らせながらも黙って聴いてるだけだが
「ヒューヒュー」とか「ウヮオー」とか、自然と客席の間からそんなお囃子声が生じてくる。
なんだこの盛り上がりは!なんなんだこのすごい熱気は!!
このライブを「楽しみ」に会場へ足を運び、
”序”で「楽しそう」な気持ちが倍増し、
”破”でココロをわしづかみにされ
”急”で演奏者さんとお客様が一体となって音を楽しむ。



何気に和太鼓好き、パーカッションに興味がある私的には
今回初めてドルチェ倉庫に来て下さった、村尾コージさんのドラムがすんごく良かった。
「茶摘み歌」でのソロ演奏がド迫力でしかもユーモアも含まれていて
何より村尾さんご自身のカンペキに演奏に入り込んでいる楽しそうな表情を見ているだけで楽しかった。
ライブの最中にオットと「いやー村尾さん何かすごくない?!」「すごいいいね!」とひそかに耳打ちしあう。
後からメンバーの皆さんからお話うかがうところによると、
関西ジャズ界で村尾さんの名前を知らない人はいない位有名なドラマーなんですよ~とのこと。

CDでは知りえないライブパフォーマンスにより場は一層盛り上がる。
最前列のお客様が鍵盤一ヶ所押さえてる横でトミーさんの指が無尽に鍵盤の上を動きピアニカを吹く。
実は私、先日12月8日神戸らんぷミュージアムでのトミーさんのライブに行った折、
最前列の席に座って何とこの「鍵盤押さえるお客」の役をやらせて頂いたのだ!
ものすごいスピードでの指さばきに圧倒されたのはもちろん、
目と鼻の先でトミーさんの表情を見つつ絶え間なく発し続けられるピアニカの音に
「一体トミーさんはいつ息を吸っているのだろう」と、素朴な疑問を抱いた。
ピアニカは吹奏楽器。一瞬の呼吸であれだけ吹き続ける肺活量はもはや人間ではない!?(笑)



はるか昔、細かな星のつぶてのような、珊瑚のかけらのような海の砂をお土産に頂いたことがある。
木造りの小さな箱の中いっぱいに満たされた星の砂。
キラキラと色鮮やかに光輝く音の一粒一粒が木造のドルチェ倉庫を一杯に満たした時間。
かけがえのないひとときは、そこに生きた人の心の中にずっと残る。
心に秘めた自分だけの箱の中に手を入れて星の砂を掌に広げれば、
楽しかった思い出は幾度もよみがえる。



感動を頂いた演奏者さんの心魂込められた演奏に、
感動を共に味わいアツい空気をシェアすることが出来た
ご来場のお客様の「チケット買ってみよう!」という心意気に、
そして陰日向で無数の支援・応援をして下さった方々のあたたかいお手助けに、
心からの感謝を。
願わくば、時とともに消えてなくなる珠玉の生演奏ライブに相応のお金を払う人が増え
音楽を楽しむ文化がこの地に根付くことを。

ジャズピアニカ奏者・トミーチョウさんのWEBは→こちら。

※このレポに掲載した写真は、ドルチェ倉庫オーナーさんと当日ご来場のお客様に撮影して頂いたものをご提供頂きました。
 あらためて御礼申し上げます。(私が撮ったのはピンボケばっか~)

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