今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

世界電気通信の日

2005-05-17 | 記念日
今日(5月17日)は、「世界電気通信の日(World Telecommunication Day)」
国際電気通信連合(ITU)が1968(昭和43)年に制定。国際デーの一つ。日本では日本ITU協会 が実施している。
1865年、ITUの前身である万国電信連合が発足した。1932年に、1906年発足の国際無線電信連合と統合して現在のITUが発足、1947年に国連の専門機関となった。世界中の国と、より速く、より正確に連絡をとる手段としての電気通信の普及と理解を深める日。
インターネットの歴史は、まだ、1969年に米国(アメリカ)の国防総省高等研究計画局が、軍事目的で開始したARPAnet(アーパネット)から始まったと言われているが、その後30数年たった今、インターネットは世界規模のネットワークとなり、また、技術開発も進み、利用者数も急速に拡大している。
2002年末で、世界人口の約10人に1人がインターネットを使っており、1995年から2002年7年間では15倍にも増加している。また、日本では、2003(平成15)年末で、7,730万人、人口の60.6%、5人に3人がインターネットを使っていることになり、その後も年々凄い勢いで増えているという。
今や、情報化の時代と言われるが、「情報社会」への移行に必要なコンピュータやネットワークなど「情報インフラ」の発達はここ数年で目を見張るものがある。特に、携帯電話などの「モバイル」の普及により、どこにいても、電話をかけたり、ネットワークに接続したり出来るようになった。
そして、今、インターネット利用者のうち、8割がパソコン、6割が携帯電話などからアクセスしており、パソコン利用者の場合は、「電子メール」、「商品・サービス等の情報検索」、「ニュース等の情報入手」、「商品・サービスの購入」の順で利用、携帯利用者の場合は、「電子メール」「音楽のダウンロード・視聴」「画像のダウンロード」「ニュース等の情報入手」となっているようだ。最近では「ユビキタス」コンピューティングの研究や実験が盛んに行われており、将来は社会のさまざまなものに小さなコンピュータが埋めこまれて非常に便利な社会になると言われている。たとえば、外出先で買物しているときに、家の冷蔵庫の中のものが分ったり、家の様子が分り消し忘れの電気を外出先から消せるなどなど、非常に便利になるだろう。
そういえば、昔、故星新一 の「ショートショート」を読んだときのことを思い出す。短編小説より短い10枚以下の枚数で物語を構築するというジャンルで、凝縮された面白さが魅力であったが、彼は、日本ではじめてSFというジャンルを確立した人でもある。そのショートショート中に、外出先から、誰も居ない無人の家へ帰ってくると、「お帰りなさい」と声を出して迎えてくれるなど、家の中に一人でいても次々と色々な機器類が話しかけてきてうんざりとした・・と言った内容のものがあったのを思い出した。
既に、我が家でもお風呂にお湯が入るとお湯が入りましたと教えてくれるし、温度が変れば温度が変りましたとしゃべる。今家電売り場で売っている炊飯器にはお湯が沸くとお湯が沸きましたと教えてくれるし、冷蔵庫もドアが少しでも開いているとその旨しゃべって教えてくれる・・・。星新一のショートショートは何十年前に読んだのだろう。その時は、笑って読んでいたことが、現実の世界になろうとしている。きっと、星新一じゃ~ないけれど、便利ではあるが、うるさくってしようのない時代になるのかも知れない。
しかし、これからも情報インフラがどんどん整備されていくことによって、私達の社会は豊かで便利なものになっていくことには間違いない。一方色々な問題も出てきている。一つは、情報を扱うための機器を操作出来なければ、いくら情報インフラが発達してもそれを有効に活用することができない。又、情報機器は様々なことを実現出来るようにする為に、新しい機能をどんどん増やすが、それと共に、操作方法もどんどん複雑になっていく傾向にある。社会が便利な方向に進めば進むほど、使い難いものが増えていくとしたら、それは本当の意味での豊かな社会ではなくなってしまう。特に、情報機器の操作に不慣れな高齢者や身体障害者にとって、これは非常に大きな問題だ。そして、もう一つの問題は、「情報を持つ者」と「情報を持たない者」との差が地球規模で拡大しており、今後の情報社会の発展とともに、この差がますます大きくると、「情報を持つ者」だけがどんどん豊かになり、逆に「情報を持たない者」はどんどん貧しくなる。そんな社会にはなって欲しくない。
ITUでは、インターネットの普及と同時に、このようなことにならないよう十分議論していって欲しい。
(画像は総務省HPのもの借用)
参考:
総務省ホームページ
http://www.soumu.go.jp/