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相模国と近国を歩く1.国府津の宝金剛寺

2009-03-01 17:35:29 | Weblog
相模国と近国を歩く 1
          国府津の宝金剛寺



 梅が咲くころ、JR国府津駅に下車して観梅と相模湾の眺望を楽しみました。

歩く:国府津駅 菅原神社 宝金剛寺 大磯丘陵 国府津駅

 国府津駅を出て、自転車置き場の横を小田原に向かって歩きます。ガード下をくぐって左へ歩くと、すぐに菅原神社です。道真公といえば、すぐに「こち吹かば」の歌が口をついて出てきます。本殿の横に咲く紅梅がみごとでした。

 童歌「通りゃんせ」の歌碑があって、歌詞の発祥地だそうです。「どうぞ通しておくれやす」と歌っていたので、関西の天神様とばかり思っていました。ほかにも歌詞発祥の天神様があるようです。

 神社の横の道を北に10分ほど進むと、宝金剛寺です。回りは梅花がいっぱいで、いい香に包まれました。鎌倉のお寺のような素朴な雰囲気があり、座って眺めるにはかっこうのお寺です。「ほんとうに、いい香だねえ」と、つい長居をしてお茶をご馳走になりました。

 案内書によると平安時代に開創され、治承2年(1178)に平重盛が妹徳子の安産を祈願して寺領を寄進したとあります。「安徳天皇様のご位牌がありますよ」といわれて、びっくり。長門国壇ノ浦で平家一族とともに入水された天皇の位牌がこのお寺に納まるまで、いろいろのことがあったのでしょう。

 寺の奥に「建武五年(1338)」の銘を持つ板碑があります。最近、裏山から、この地に移したのだそうです。年譜をみると建武は4年しかありません。なにか、理由があってそうなったのでしょう。石は根府川産だそうです。

 板碑の横の細い道を登りました。菜の花が咲き、紅白の梅が咲く迷路のような道を楽しみながら、広い道に出ました。小田原の町と箱根連山、そして相模湾が一望です。

 平安時代の東海道は足柄峠をくだって坂本(関本)の駅家(うまや)、そして小総(こぶさ)の駅家から箕輪の駅家(平塚?)へと東進しました。小総の駅家は宝金剛寺の門前辺りに在ったのではないかなあと思いながら、梅の花が咲くころになるとこの地を訪れます。