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陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「キング・コング」(2005)

2009-10-03 | 映画──SF・アクション・戦争
キングコングの存在を知ったのは、じつは生まれ故郷の都心部に、外壁を登る巨大なゴリラを模したビルを観たことがあったから。ですので、せいぜい古くとも六〇年代くらいの映画かしらと思っていたのですが、もとは1933年作、なんと戦前だったんですね。どうりで、映画「フリーダ」でパロディにされているはずだと。
最初、舞台が町中ではないのでふしぎだったのですが、もともとがこういう筋書きだったのでしょうかね。

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1933年の大恐慌時代。
売れない舞台女優のアン・ダロウは、映画監督カール・デナムの誘いに乗って、未開の島での冒険映画の撮影に挑む。撮影中、憧れの脚本家ジャックとも恋に落ちたが、撮影班たちをとつじょ原住民が襲う。
アンは島の野獣キングコングに連れ去られ、残りのクルーはジャングルの奥地にひそむ奇怪な生物に襲われはじめた…。

前半の舞台が原始的な島。
ましてや、なぜか恐竜や巨大な昆虫がわんさか出てきまして、どうみてもジュラシックパークのノリ。でも、これはキングコングと美女とが意思疎通をはじめるための筋書きなんですね。

恐竜から命がけで救ってくれた巨体ゴリラに対し、アンがこころを開きはじめる。そのいっぽうで、ジャックはアンを奪い返すためにコングに挑むのですが、その裏には欲得のためにコングを捕獲しようとしていたカールの思惑がありました。
キングコングが捕らえられ、ブロードウェイで見世物にされるが、そのあとはだいたいご想像のとおり。

エンパイアステートビルに登ったキングコングと、アンとの悲しい別れはなんともいえないですね。
初登場時はどう猛な顔していたキングコングも、おしまいには、どうみても恋をしている男の目つき。

舞台をニューヨークに移してからはなかなか面白かったのですが、ジャングルのシーンは至極退屈極まりませんでした。監督が「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソンだけあって、そのシリーズのCGを使い回しているんじゃないかなと思えるほど、既視感が。
そして、昔はいかにも着ぐるみぽかったゆえに人間の骨格に近いゴリラの動きが体感できたのですが、一部がCGのゆえか、どことなく軟体動物みたいな重みのない手足の動かし方が気になります。カットによっては遠近感がたまにおかしく見えたり、手足の比率が微妙に誇張して歪められているのをかんじますし。

さらにいえば、もうこの類のモンスターパニックが新鮮に感じなくなったのは、都会を襲う人間に近い巨大生物のアニメを見知っているせいなのかなとも。あのコングの動き、なんとなくですが、エヴァンゲリオンを思わせます。素材じたいとしては、キングコングが鶏であるはずですが、「GOZILLA」のように日本の特撮がハリウッドに与えてきた影響を考えてみると、05年版のキングコングこそが卵になってしまうのかも。

主演はナオミ・ワッツ。マリリン・モンローを思わせるブロンドの髪と白いドレスが美しさを引き立てていますね。
共演は「戦場のピアニスト」でおなじみの、エイドリアン・ブロディ。
キングコングを演じたのは、アンディ・サーキス。


キング・コング(2005) - goo 映画

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