ふぶきの部屋

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韓国史劇風小説「天皇の母」191(2時間47分のフィクション 1)

2015-07-17 07:25:06 | 小説「天皇の母」181-

出来上がりましたよ

汗をふきながらたすきを外した侍女に押し出されるようにして

二人の内親王が両親の前に出た。

マコもカコも赤い着物を着ている。

マコは恥じらうように笑い、カコは得意げに袖をふりふりしていた。

「さあ、宮様方、よい子になさいませ」

もう子供じゃないもん」

カコはぷうっと頬を膨らませた。

キコは「カコちゃん。そんな言葉遣いはいけません」と言いながらも

娘達のあでやかな着物姿にため息をついた。

内親王は物心がつくと、「御地赤」と呼ばれる赤い着物を仕立てるしきたりだ。

それを来て正月や天皇誕生日などに参内する。

この日はまさに天皇誕生日だった。

朝から夫妻は、一度参内して祝賀の辞を述べた。

さらに祝宴やら茶会やら、それぞれの行事に出席し、一度宮邸に戻って来てから

再度、娘達を連れて参内し、その後は成年皇族のみの夕食会になる。

着物というのはいいね。おてんばもしとやかに見える」

宮は笑った。

それ、どういう意味なの?お父様」と睨んだマコもまんざらではなさそうだ。

4人は笑顔で車に乗り込み、半蔵門を超えた。

 

控室にはクロダ夫妻も来ていた。今日の夕食会に出席するためだ。

まあ、マコちゃん、カコちゃん、とても可愛らしいわよ

サーヤはにこにこ笑って姪達をここぞとばかりにほめちぎる。

昔からそうだったけれど、彼女は姪には甘いのだ。

女の子は可愛いね」とヨシコも笑顔だ。

そんなに久しぶりではないけど、会った限りは話が尽きない。

みなでさんめきあっているところに、ドアが開いて、皇太子一家がが入ってきた。

沈黙が包み込む。

それに気づかない皇太子はにこにこと

みなさん、来てたんだね」といい、さっさと自分の定位置に座る。

マサコはアイコを抱いていた。

アイコは無表情でどこを見ているかわからなかった。

ごきげんよう」

サヤコとキコがあいさつし、娘達もそれに習う。

あら、真っ赤

マサコは一言だけそう言った。

内親王達は一瞬「え?」という顔をしたけれど、それ以上は何も言わなかった。

アイコは赤い着物がとても珍しそうで、触りたいと思ったのか、マサコの

手から逃れようとした。

ちょっと、暴れないで

マサコは怒ったが、アイコは「いや」というばかりで必死にもがく。

きっとマコ達の着物にさわりたいのね。大丈夫ですよ」

キコが優しく言った。

アイコは母から降ろされると、一目散にマコとカコの着物に触ってみる。

正直、内親王達は「嫌だな」と思ったのだけど、顔に出してはいけないと思い

我慢していた。

アイコは振袖を引っ張ったり、生地をなでたりしていた。

そのうちに時間が来て、子供達だけ天皇と皇后の前に出される。

アイコを先頭にマコとカコがそれに続いた。

本日はお誕生日おめでとうございます

口上を述べたのはマコ。最年長だから。カコはマコにならって同じセリフを言い

しっかりと頭を下げた。

しかし、アイコはぽかんとして眼は泳いでいた。

天皇も皇后も追及せず、退出するように合図をする。

マコとカコは踵を返して歩き出そうとした。

その時、珍妙な光景が場を凍らせた。

アイコがカコの着物に抱きついたのだ。

え?」

一瞬、カコは何が起きたのかわからず、よろめいた。

それにおされてマコも一緒によろめき、3人はどすんと床に倒れこんだ。

マコちゃん!カコちゃん!」

皇后は驚いて駆け寄る。様子をききつけた女官達も飛び込んでくる。

天皇は「早く起こしてやりなさい」といい、そのごたごたを聞きつけて控えていた

皇太子夫妻、アキシノノミヤ夫妻、クロダ夫妻も入ってくる。

アイコはカコの着物にしがみついたまま、離そうとしなかった。

「いやーー」というばかりで、しっかり袖を握りしめている。

マコは立ち上がったがカコは立ち上がれず、ひたすら

お願い。ちょっと立たせて」と言っている。それでもアイコは全体重をかけて

カコに馬乗りになっている。

宮様。およしください

女官が二人がかりで引き離そうとするのを、どんと体当たりしてアイコを抱きしめたのは

マサコだった。

うちの子に何するの!」

みなは唖然として固まった。

カコちゃんが倒れたからよ。トシノミヤが突然しがみついて

皇后が珍しく声を荒げたが、マサコはそれ以上に声を大きくして

着物なんか着てくるからじゃない」と叫んだ。

みなは一瞬「は?」という顔になった。

皇太子は薄笑いをうかべ

アイコは着物が珍しいんです。だから触ってみたかったんだね。いや、着てみたい

と思ったんじゃないかな」

といった。

だったら御地赤を作ればよろしいでしょう。そういうしきたりですよ

それは・・・」

だったらそうだって教えてくれてもよかったじゃないですか

マサコはなおも食って掛かった。

実は何度も東宮家の職員は御地赤の注文については聞いているのだが

無視して来たのはマサコだった。

アイコは洋服なのに、この二人だけ派手な着物を着てたらアイコが傷つくに

決まっているじゃありませんか」

マサコはマコとカコを睨み付け、いつの間にか涙目になっている。

あれーーあれーー」指さして叫びながら、何とかカコの着物にたどり着こうと

するアイコはマサコの手の中でもがいていた。

そんなこと!」といいかけたカコをキコはバシッと手でおさえた。

とにかく両陛下の御前です。子供達を下がらせましょう

止まった時間が動き出すように、女官に支えられながら立ち上がったカコと

マコは退出して行く。

アイコ様も」と女官が手を差し出す。

私が連れて帰ります」

とマサコはアイコを離そうとしない。

でも、これから夕食会ですので」

「私が連れて帰るの。この子はあたしじゃなきゃだめなの

マサコは譲らなかった。

そもそも控室で着物に触らせたりするから。あなたのせいよ。そんな事したら

子供がますます興味を持って離れられなくなるってわからなかったの?」

責め立てる皇太子妃にサヤコが「両陛下の前ですよ」とたしなめた。

マサコは聞こえないふりをしてアイコを抱きしめまま目に一杯の涙をためている。

とりあえず、マサコはアイコを連れて東宮御所に帰った方がいいでしょう」

皇太子はおろおろしてそういった。

では夕食会は不参加という事で

侍従の一人がそういいかけると、皇太子は慌てて首を振った。

いや、マサコはすぐに戻ってきます。ね?戻ってくるよね?」

マサコは「私なんかいない方がいいんでしょう」と低い声でつぶやく。

そんな事ないよ。君が戻って来るまでまっているから。ちゃんと待っているから

もはやだれも何も言えない環境だった。

マサコはなだめられてようやく立ち上がり、アイコと一緒に退出して行った。

このされた一同は、とりあえずぞろぞろと食堂前の控室に入った。

夕食開始の時間はとっくに過ぎていた。

 

 


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16 コメント

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Unknown (コノハナサクヤ)
2015-07-17 09:20:14
小説のアップ、ありがとうございます。
2:47事件の序章として、とても説得力のある流れです。
いつもながら、まるでふぶき様がその場を見ていらしたような臨場感たっぷりで、登場人物の言動もさもありなんといったところ。
キコ妃のご覚悟のきっかけのひとつになったのかもしれませんね。

ところで、悠仁さまご誕生以前から、秋篠宮殿下には半蔵門使用の特別のお許しがあったのでしたっけ?
当時は乾門だった気がしますが
返信する
なんどもなんども (蝶々♪)
2015-07-17 09:41:45
こんなことがあったのでしょうね。

なにも悪いことはしていないのに、お立場上本当のことすら言えないのね。
それなのにご立派に御育ちになった内親王姉妹。
紀子さまの子育てってスゴイ!


マーク君の時の神発言、素晴らしい。あの頃の報道のままだったら…
ナルチャン憲法なんかより、秋篠宮家の子育て密着してたほうが、よほど日本のためになりましたよね?
返信する
お里が知れる (あさき)
2015-07-17 10:39:51
ふぶき様、

続きをありがとうございます。

それにしても、アイコが傷つくと言うのなら、どこに出しても大丈夫なように育てればいいんです。

マサコが言っているのは、ただの屁理屈。
しかも、迷惑かけたカキコにも、カコにも、マコにも、一切謝りもしない。

私がマサコだったら、アイコの横っ面張り倒すでしょう。
マナー違反したのはアイコだし、反抗してわざとやってるんなら尚更いけない。
マサコ自身が、張り倒されて当然のことをしているんですけど。
「何ですか、その態度!」と。

「キズツイター!」

「オネダリザムライ
キョウモユク
カマッテ カマッテ ジッタバタ!
アレホシイ コレタベタイ」

「おねだり侍」という、幼児番組の歌のようです。
うちでは、こんなふざけた歌を流し始めた時点で、「おとうさんといっしょ」という、この番組を見せるのをやめました。

紀子さまのお辛さ、察するに余りあります。
返信する
ず~~っと (きび)
2015-07-17 11:30:45
ふぶき様…。
事あるごとにず~っとこんな光景が繰り返されてきたんでしょうねぇ。
このフィクションの登場人物は、まるで現実に居るようじゃありませんか!
マサコさんが近くに居たら周りの人の気苦労は計り知れないものが有りますね。
キコさまには国民がついていますよとお伝えしたいですわ。
心優しいキコさまがご病気になられませんようお祈りいたします。
マサコさんが清らかなお気持ちになることは…無いんでしょうねぇ。
返信する
こういう動画もありますよ~ (Fuyuko)
2015-07-17 13:15:04
ふぶき様、この動画をご覧になったことありますか?

www.youtube.com/watch?v=GMM7gsDGnkY

動画スタート時の雅子さんにご注目。眞子様に肘鉄(?) いくらなんでもそこまではないと思いますが、無礼な振る舞いですよね。

秋篠宮家の内親王たちも、この人のためにいろいろ嫌な思いをしていらっしゃるのが容易に想像できる一コマです。

返信する
私は女官? (紫陽花)
2015-07-17 13:35:36
ふぶき様、まさに臨場感溢れる展開にドキドキしました。その場にいた女官になった気分です。
跡取り長男の嫁が一番上という新年のありそうな風景ですが、そこは日本一の旧家。レベルの高い方々でうまく収められるはずなのに、長男夫人には子供の事を言われたくない固執が強くて無理。
つぎの展開が楽しみです。
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怖いよ~ (まりん)
2015-07-17 14:37:40
え~ん、怖いですよ~。ふぶきさま、イヤミス系小説書けますって。一瞬、何人かイヤミス系女性作家の名前が浮かびましたよ。

なぜ、御地赤をつくらないのか疑惑とか、なんだかアイコさまってカコさまに執着があるんじゃないか疑惑とか、東宮一家にもやもやとある疑惑が、2時間47分事件の伏線になっているのが怖いですよ~。

もし私がマサコだったら・・・・既に想像を絶しているのですが・・・・あれだけ前例としきたりだらけの環境で、それをせずに放っておくことはできないから、普通に御地赤つくりますよ・・・素養が基本的に欠けているから、趣味がいまひとつ良くないとしてもアイコちゃんの御地赤つくりますよ。私も着物関係にうとい育ちなのですが、腹くくって、いろいろ教わりながら注文しますって。素養がないんだから、実地で恥かきながら、やっていくしかないもの。
それ以前に、日本一、教育(療育)に手を掛けられるのだから、立居振舞のためにバレエなり、日本舞踊なりの個人レッスンを入れまくるわ~。ついでに、自分の個人レッスンもしていただくわっ!

・・・・・例えば、香淳さまのお妃教育には長い歳月を費やしていて、それはまったく不合理ではなかったんだなぁ、とか、それに比べれば付け焼き刃なんだけれど美智子さまの場合はブルジョア育ちでいろいろやっていたことでカバーしていたんだなぁ、とか、紀子さまも「キコさまかわいい~♪」と言われるのに甘んじないでずっとたゆまぬ努力をしていたんだんだなぁ、とか、東宮妃の「お妃教育短縮」っていったいなんだったんだろうとか・・・・・考えてしまいましたわ。
返信する
うわぁ・・ (千菊丸)
2015-07-17 15:57:39
愛子さまが佳子さまに馬乗りになった方が悪いのに、雅子さまは「着物を着て来るから悪い」と、佳子様を悪者にして・・余りにも酷いですね。
自分が悪いのに、他人のせいにするなんて最低です。

フィクションでも、許せませんね。
返信する
正にサイコパス (さくら)
2015-07-17 16:16:01
最初の扱いを間違えてしまったのでしょうね。ご優秀設定だったから当たり前に認知しているはずと思ったら馬鹿だったって事。今さら基本を教えられないし学ばない。怖いです。
返信する
障碍は恥ずかしいって? (うさのうさみみ)
2015-07-17 17:44:19
ふぶき様

いつもながらリアルな展開
忍びの者になって側で見ていたでしょう?(笑)

バサ子さん 障碍が恥ずかしいですか?
恥ずかしいんでしょうね
本当に我が子がかわいいならきちんと療育を受けさせるはず
療育を受けさせたからって健常児になるわけではないけれど、やってはいけないことくらいわかるようになるんですよ
って、今更言ったところで遅いけどね~www
皆様がおっしゃるようにこれじゃ障碍児への立派な虐待ですよ

男の子じゃなくてよかったな つくづく思います
交代し夫婦に哀子さん以外の子供ができなかったこともよかったな
この夫婦は健常な子供でも所有物扱いでまともな躾なんてできないでしょうからね
これ以上虐待される子供が皇室にいるなんて想像しただけでぞっとします

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