◇ 赴任してまもなくのこと。「あんなところにラーメン屋があるよ。」と、家内がレポートしてくれた。本通りから入った目立たぬ場所に、しかも普通の民家。よくみんかったらラーメン屋さんだとは気づかない。恐る恐る入ってみる。お店のおばちゃん、これまた全く愛想もない。しかし濃い目の味噌ラーメン、おいしかった。自分の嗜好に合っている。あとから気がつくが、愛媛は味噌ラーメンを頼んだら、「麦味噌」で出てくるところが多いのに、ここのはちょい違う。赤っぽくて、豆味噌と米味噌のブレンドのような感じ。
◇ それから実に十年以上ぶりに、また行ってみた。お昼のピーク時をはずして入ってみる。なんと、座敷の二つのテーブル席には若い女性二人組×2組! 一組は高校生と思われる。真剣に話をしている。もう一組は中学生。名札をつけている。こっちの方は、お互いに携帯の写真を見せあっこしながら、楽しそうだ。彼女らもお昼のピークをはずして、この「隠れ家」の如きラーメン屋で午後のひと時を楽しんでいるのだ。中高生がこんなところに来るのが意外だった。ファーストフードやファミレスなら分かるけど。私は、別に彼女たちを観察していたわけではない。ラーメンの味、それが十年以上前のものと変わりないかを確かめたかったのだ。
◇ おばちゃんは前と変わらず、愛想もなかった。愛想がなかったので、逆に安心した。味もそのままだ。たったこれだけのことだが、ラーメンをいただきながらの20分間、自分が小説家にでもなったような気分になった。話をもっと膨らませるには、彼女たちがいったい、何を話題にしていたのかを、勝手に想像(創造)すればよいと思った。(ラーメン大好き 森のクマさん)
◇ それから実に十年以上ぶりに、また行ってみた。お昼のピーク時をはずして入ってみる。なんと、座敷の二つのテーブル席には若い女性二人組×2組! 一組は高校生と思われる。真剣に話をしている。もう一組は中学生。名札をつけている。こっちの方は、お互いに携帯の写真を見せあっこしながら、楽しそうだ。彼女らもお昼のピークをはずして、この「隠れ家」の如きラーメン屋で午後のひと時を楽しんでいるのだ。中高生がこんなところに来るのが意外だった。ファーストフードやファミレスなら分かるけど。私は、別に彼女たちを観察していたわけではない。ラーメンの味、それが十年以上前のものと変わりないかを確かめたかったのだ。
◇ おばちゃんは前と変わらず、愛想もなかった。愛想がなかったので、逆に安心した。味もそのままだ。たったこれだけのことだが、ラーメンをいただきながらの20分間、自分が小説家にでもなったような気分になった。話をもっと膨らませるには、彼女たちがいったい、何を話題にしていたのかを、勝手に想像(創造)すればよいと思った。(ラーメン大好き 森のクマさん)