かつこのテラス

日々の思い、時には物語を綴ります!

一行でも良い、ジャーナリストなら

2010-09-09 21:21:45 | Weblog
コラムと言えば、学校の試験問題にまで採用された「天声人語」。
朝日新聞のコラムだが、確かに上手い。実体験や知識の引き出しも豊かだし、読ませる。面白い。うーん、でも、結びを読み終えて、しばしば「足りない」と感じるのはきっと私だけではないだろう。

たとえば、2010年9月5日付。(下記)
豊かな海域、環境、生物多様性を語るとき、今切り込んで欲しいテーマは、辺野古の米軍基地移転問題だろう。
名護市の大浦湾は、豊かな生物多様性が残るきわめて貴重な海域。絶滅の恐れのある国の天然記念物ジュゴンの生息地で、アオサンゴの大群落もある。最近ではエビやカニ類の新種が36種も発見されている。米軍基地移転問題での辺野古「杭打ち桟橋方式」は、埋め立て同様、このかけがえのない生態系を大規模に破壊するという。

ここに触れずして、母なる海を守る、隙のない環境保護などきれい事にすぎまいか。
「かけがえのない授かり物を預かって、次の世代に返す」そのために、避けては通れないこと。そこに一行でも良い、しっかり触れて欲しい。ジャーナリストなら。


2010年9月5日付「天声人語」
 「チリメンモンスター」なるものが評判だと聞いて、海産物店から取り寄せてみた。チリメンジャコにするイワシの稚魚と一緒に混獲される、他の魚介の稚魚のことだ。タコやアナゴなど異形の面々が「怪物」よろしくジャコの中から顔を見せている▼普通は取り除かれるのだが、混ざったまま売ると人気になった。届いた袋にはタツノオトシゴもいて、二十数種を数えた。ご飯にのせて食べながら命のゆりかごを思う。〈海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる〉。三好達治の詩の一節が頭に浮かんだ▼その「母なる海」の名に、日本の海は恥じないようだ。10年がかりの国際調査で約3万4千種の生き物が認められたと、先ごろ報じられた。哺乳類(ほにゅうるい)からバクテリアまで、確認された海の生物の14.6%にあたる。世界の25海域で最も多かった▼調査した日本の排他的経済水域の容積は海全体の0.9%だから、そこで14%強とは多彩な生物相だ。変化に富む海底地形や気候が命を育むのだという。かけがえのない授かりものであろう▼とはいえ無尽蔵ではない。別の調査では、日本周辺の水産資源はマサバなど84種の4割強が「低位」にあるという。秋の味サンマの不漁も伝えられる。海水温が原因とされ、資源の減少ではないそうだが、海に甘え続ければ痛い目にも遭いかねない▼〈秋刀魚(さんま)喰(く)ふ男のくらし隙(すき)だらけ〉阿部完市。ここは隙のない環境保護と資源管理で日本の海を守りたい。食べる魚ばかりでなく、ヘンな生き物もいてこその豊饒(ほうじょう)なのだと肝に銘じながら。



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2 コメント

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Unknown (konishi)
2010-09-10 15:08:26
突然すいません!

『2010年国際ジュゴン年に~基地ではなく ジュゴン保護区を』の署名を、集めています。どうぞ、ご協力よろしくお願いします。

☆署名用紙の署名とインターネット署名(日本語・英語)があります。
 できれば全てにご協力お願いします(重複OKです)。
 *インターネット署名(日本語版)
  http://www.shomei.tv/project-1384.html
 *インターネット署名(英語版)
 http://www.thepetitionsite.com/1/no-to-military-baseyes-to-dugong-protection-area
 *署名用紙のPDFはこちら
  http://www.sdcc.jp/iucn/2009-2010-sign.pdf
 *署名の詳細はこちら
  http://www.sdcc.jp/iucn/2009-2010-petision.html

みなさんもどうぞ (かつこ)
2010-09-10 22:16:33
署名しました。
みなさんもどうぞ。

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