かつこのテラス

日々の思い、時には物語を綴ります!

言葉を介して、ひとと向き合うこと

2007-02-05 00:01:01 | Weblog
 1冊のノートを介して、2人が向かい合う。質問を記す。日常のこと、恋の悩み、哲学的なこと。「こころにおもふ よしなしごとを そこはかとなく かきつづる」のは、質問者。それに対して、桐田史恵が、下書きなしの速筆で答える「ノート上ライブ」。およそ1年間、知恩寺てづくり市をはじめとした路上でのライブで、たくさんの人と対面した。
 なかには、息子からの質問もある。
しつもん「なんで おらを うんだんですか いやじゃないけど」
おへんじ「それは、私がとても『潔癖』だったからです。「ケッペキ」というのは『清く正しくいたい』という気持ちをおさえられないことです。『清く正しくいる』ということをどんなことよりも一番にしてしまうことです。なぜその時、君を産んだのかというと、私がそれを、とても清く正しいことだと、信じていたからです。だけど、あんなにも強くひどく潔癖でいられたのは、君が呼んだからのように思えます。今だからそう思うのだろうけど。主旨を理解した濃い質問。いやじゃなくてよかったね。『いや』言うても仕方ないからなぁ。母 史恵」
 当時「7歳の息子」へ「25歳の母」からの返事、漢字には全てルビーがふってある。50人とのライブパフォーマンス「質問&相談ノートを本にした!!」は、質問者からの要望に応えて、そのまま本にしたものだ。(返答・企画/桐田史恵)
 「白石さん」のように、ネット上で大ブレイクしたもの。かたや息がかかるほど近い対面で人気を呼んだ「質問&相談ノート」。どちらも真面目に返す受け答えが、質問者ばかりでなく、読む人のこころに届く。丁寧に答えるというのは、その人と向き合うということ。「人と人との関わりが薄くなった」と言われるが、新しいつながりの深耕とも思える。


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