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DTPの構造を考える-その12:アルゴリズムとメモリ構造 その3 機能概要。

2007-06-16 13:17:55 | Weblog

土日シリーズ「DTPの構造を考える」です。

 このシリーズ、第9回までで、本の構造、さらにDTPソフト全体でもつ、フォント、色、ライブラリの構造を概念的に説明してきました。
 前回、その内容を、プログラムに落とし込んでいくための、アルゴリズムとメモリ構造について説明していくということを書きました。

 前回は、メモリ構造でした。今回は、機能の概要についてです。




■一般的な機能

 一般的な機能としては、一般的な編集ソフトの作り方 その12:イベント発生時の動き(概要)。 で、あげたように

  ・印刷
  ・保存
  ・読み込み
  ・カット(切り取り)
  ・ペースト(貼り込み)
  ・プロパティ(属性設定・変更)
  ・表示
  ・要素の選択
  ・(要素の)移動

があげられます。しかし、DTPの場合、さらに考えないといけない話題があります。




■印刷=ゲラ刷りのこと?PS出力のこと?

 印刷といった場合、プリンタから出力する印刷と、本当に印刷機にかけるためのPS出力と2通りの意味があります。もちろん、どっちの機能も必要です(ゲラ刷り=校正紙を出す。まあ、業界によっては、カンプを出すっていうほうがいいのかも)。

 PS出力は、PSファイルに出力するので、ファイル出力、つまりエクスポート、プリンタ印刷は、デバイスが画面から帳票に変わっただけ、なので、この2つは、一見すると、まったくちがったものとなります。。。

 が、PS出力も、
・線を描く
・文字を書く
 :
 :

 印刷も
・線を描く
・文字を書く
 :
 :
を、ページ単位でやっていると考えれば、線を描く、文字を書くというメソッドをつくってしまい、それが、デバイス(PS出力ファイルか、画面か)によって切り分ければいいと考えることもできます。この場合、そのようなメソッドの層が1層入ることになります。




■インポート・エクスポート

 ファイルの読み込み、書き込みというのは、普通は自分のプログラム、ないしは前のプログラムの読み込み書き込みですが、そうではなく、画像や、テキストやXMLや、図形データなどを、DTPソフトに取り込んだり(読み込み)、書き出したりする機能が必要になってきます。

 取り込みがインポート、書き出しがエクスポートなわけなのですが、この機能、特にインポートは、重要です。
 DTPソフトがスキャナから直接イメージを取り込めない場合、イメージファイルの取り込みがなければ、イメージ貼りこめられませんし、仮にスキャナから読み込めるDTPソフトでも、イメージおよびillustratorのEPS読み込みは、必須です。はい。

 テキストも普通のテキストもそうですが、自動生成のためには、タグ付きテキスト(DTPソフト固有)やXMLなどの読み込みも必要です。



■それ以外
 それ以外は必須ではないのですが、こんな機能がついてます。

●図形、イメージ
 図形、イメージは、インポート、エクスポートもそうなのですが、それ以外にもいろんな機能がサポートされています。どこまでサポートされているかはソフトによってちがいます。

●フォント、外字などの文字関係
 フォントの管理や操作、外字の作成などができるものもあります
 (外字は、DTPソフトで出来ない場合、外字を作るツールが売っているので、それを使います)

●エクステンションとマクロ
 操作の簡便さ、自動化をさせるため、いろんな手段を用意しているのが普通です。
 ただし、取り組み内容は、DTPソフトによりまちまちです。



 一般的な編集ソフトの作り方 その12:イベント発生時の動き(概要)。 であげた機能が必須で、きょう、上に上げた機能をどこまでやるかが、使いやすさにかかわってきます。

 次回のこのシリーズでは、基本的な機能について、もっと詳しく見ていくことにします。



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