博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『裏中国史 墓どろぼうは金持ちへの道』

2007年03月21日 | 中国学書籍
山本展男『裏中国史 墓どろぼうは金持ちへの道』(講談社、2007年1月)

中国での古今の盗掘事情を述べた本です。この本によると、盗掘による文化財の海外流出が激しくなったのは改革開放政策が始まって以後のことで、近年は盗掘団が元手を掛けて最新の調査・掘削機具を取り揃え、地元の警察などにも入念な根回しをし、香港に流通拠点を構えるなど、盗掘が完全に企業化・ビジネス化してしまっているとのことです。

私の専門の殷周期の青銅器なんかも、特に長文の銘文が入っているような貴重なものは、専門家による発掘を経ずに香港の骨董市場なんかから博物館が購入して世に存在が知られるようになるという事例が増えているのですが、これらの青銅器もこの本に書かれているような盗掘ビジネスの賜物なんでしょうなあ……

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『包青天之一 紅花記』 | トップ | 【新出金文】【韋攴】ゲン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

中国学書籍」カテゴリの最新記事