博論の口頭試問の結果ですが、本日合格の通知が届きました。これで心おきなく17日の学位授与式に出席できます(^^;)
小島毅『足利義満 消された日本国王』(光文社新書、2008年2月)
足利義満と言えば今谷明の『室町の王権』以来天皇家を乗っ取ろうとした将軍というイメージが定着しつつありますが、本書ではこれに対して「義満公はそんな小っせえ人物ではないんだっ!!」という憤懣をブチまけております(^^;)
要するに、義満が明から日本国王の冊封を受けたのは日本国を、ひいては義満自身を東アジアの政治的メンバーとして国際的に認知させるためであり、これによって日本は朝鮮国とも対等の関係を持つことができた。日本国王としての権威は日本国内でしか通用しない天皇家のそれを凌ぐものであり、義満は事実上治天の君に匹敵する権威を保持していた。であるので、義満は今更コセコセと格下の天皇家の乗っ取りなんぞを企む必要は無かったというのではないか?というのが本書の趣旨です。
その他、義満の人生は明の永楽帝や朝鮮王朝の初代李成桂の人生ともリンクしていたかも?といったことや、義満が大覚寺統の後亀山院と懇意で、持明院統の後小松帝の後釜として大覚寺統の皇子を擁立を考えていたのではないかという指摘、中国・韓国での道教や民間信仰と比べてなぜ日本で神道の学術的な扱いが高いのかといった疑問、「鎌倉新仏教史観」への批判など、ノリが非常に軽い割には面白いトピックがたくさん詰め込まれております。
しかし一休が後小松帝の落胤としておきながら、後小松帝が義満の胤であるという説を紹介していないのはなぜでしょうか。一休の場合と比べてこちらの方は信憑性が無いと見ているのでしょうか。正直なところ、信憑性はどっちもどっこいどっこいだと思いますが……
小島毅『足利義満 消された日本国王』(光文社新書、2008年2月)
足利義満と言えば今谷明の『室町の王権』以来天皇家を乗っ取ろうとした将軍というイメージが定着しつつありますが、本書ではこれに対して「義満公はそんな小っせえ人物ではないんだっ!!」という憤懣をブチまけております(^^;)
要するに、義満が明から日本国王の冊封を受けたのは日本国を、ひいては義満自身を東アジアの政治的メンバーとして国際的に認知させるためであり、これによって日本は朝鮮国とも対等の関係を持つことができた。日本国王としての権威は日本国内でしか通用しない天皇家のそれを凌ぐものであり、義満は事実上治天の君に匹敵する権威を保持していた。であるので、義満は今更コセコセと格下の天皇家の乗っ取りなんぞを企む必要は無かったというのではないか?というのが本書の趣旨です。
その他、義満の人生は明の永楽帝や朝鮮王朝の初代李成桂の人生ともリンクしていたかも?といったことや、義満が大覚寺統の後亀山院と懇意で、持明院統の後小松帝の後釜として大覚寺統の皇子を擁立を考えていたのではないかという指摘、中国・韓国での道教や民間信仰と比べてなぜ日本で神道の学術的な扱いが高いのかといった疑問、「鎌倉新仏教史観」への批判など、ノリが非常に軽い割には面白いトピックがたくさん詰め込まれております。
しかし一休が後小松帝の落胤としておきながら、後小松帝が義満の胤であるという説を紹介していないのはなぜでしょうか。一休の場合と比べてこちらの方は信憑性が無いと見ているのでしょうか。正直なところ、信憑性はどっちもどっこいどっこいだと思いますが……
わ~い、博士はかせ~♪ きゃっほー。
わ~い、はかせだはかせだ!
合格おめでとうございます!
義満の人生が永楽帝の人生とリンクしていた、という話は面白そうですね。
コメントありがとうございました!
今まで室町時代とか、そんなに興味なかったのですが、面白い記事でした。興味深かったです。
それでは、宜しくお願いします!!
>飯香幻さま
実は今日師匠筋の先生方に一足先にお祝いしていただきました。早くも来年度以降の身の振り方に頭を悩ましてますが……
>ぐんままさま
指導教授に聞いた話では、学位授与式で学長直々に証書を渡してもらえるらしいです。修士までは代表者のみ授与だったのですが、随分と扱いが違います(^^;)
>方正学さま
あと、著者の専門である朱子学や『孟子』の話もチラチラと出て来ます。パパッと読める本なので、是非読んでみてください。
>たくいたさま
こちらまで足を運んでいていただき恐縮です(^^;) 今後ともよろしくお願いします。
おめでとうさんでございます!!!(^^)
わたしも見習いたいもんです~w
尊氏と義詮も辛酸をなめているので、足利将軍で生涯を全うできた者といえば義満と、後はせいぜい息子の義持までですかね。
>川魚さま
すみません、心配お掛けしました。川魚さんも頑張ってください~~(^^)
あと、わたしが京大の地理の院で、研究生してたころ、
大将があの足利将軍の直系嫡男の先生でしたw
もう鬼籍に入らはりましたが。
赤いお顔のお方でした。
>義昭さんも、毛利の庇護下で、結構安定してて天寿で死んだとか?(笑
この人も色々苦労はしているものの、確かに兄貴の義輝なんかと比べると穏やかな余生を送ってますね(^^;)
>大将があの足利将軍の直系嫡男の先生でしたw
京大教授で足利氏の子孫と言えば足利惇氏が有名ですけど、年代的にこの人じゃないですよねえ?