ちょいと、にゃこの顔を見たら・・?
あれ?何か・・・変?
これといった変化が無いのになにか、微妙に
バランスがおかしい・・・。
なんだろうと、よくよく見たら・・・。
長いひげの一本が途中から切れている。
はて?
猫のひげを切った覚えは無い。
おかしいなと、とっつかまえて・・・じっくり、残ったひげを見る。
切った跡という感じではない。
先っちょに微妙にカールがある。
なんだろう?
考え付かずにいたら、お袋が教えてくれた。
「わかった」
なんですか~~~~?ひとり納得してる。
「仏壇にあがってたんだよ」
「?」
憂生にはまだ、判らない。
「ろうそく・・」
あ!!
ろうそくの傍に顔を寄せたんだ。
で、ひげが燃えた?
ああ・・・。
なるほどそれで、ひげの先に微妙なカールがあったんだ。
しかし・・・。
「うっかりしてたら・・火事になるぞ・・・」
「熱いものが怖いってわかってないようだからねえ・・」
お袋の心配はすぐに解消した。
石油ストーブの前がお気に入りになったにゃこは、
なにを思ったか・・・
ストーブに両手をかけた。
その間・・・3秒以上あった。
あわてて飛んで逃げたにゃこの手は肉球の間からの毛で
大やけどはのがれたようだが、
肉球の表面がつるつるになっていた。
一生懸命、手をなめているにゃこに慰める言葉は出ない。
「あほか・・・」
これで、仏壇のろうそくにも近寄らなくなるだろう。
でも、手をなめてる姿はなにか、おいしそうなものを
なめてるように見える。
そうだよな・・・。
焼饅頭みたいだもんな・・・。
おいしいか・・?