拙著『沖縄人力紀行』(彩図社刊)では、旅の最中にアルコール類を摂取したくだりもいくつか小出しにしているが、56~57ページでは沖縄県を代表する企業・商品であるオリオンビールも近年はビールのみならず発泡酒の生産にも力を入れていることについて触れた。
で、下の写真が最近の発泡酒の一種で、「麦職人」というやつ。
この発泡酒は2005年当時のもので、昨年9月に行ったときにスーパーを観察したら出回っていたが、今年はまだ出回っているのかなあ。このほかにも、「オリオンスペシャル」というキレのあるのもある。
オリオンビールも近年はビールも発泡酒も本土の大手ビール会社と同様に次々に新しい商品を開発していて、代替わりもひと昔前よりは早くなっているようだ。まあこれは、オリオンビールは2002年にアサヒビールと業務提携したおかげで開発環境が以前よりも向上した影響が大きいのだろう。オリオンビールの名護工場に見学に行くと(僕は2005年1月に1度行った。ひとりでも可。ただし前日までに要予約)、見学行程の終盤というか試飲コーナーで過去のオリオンビールの商品パッケージがずらっと紹介された様子も見られるのだが、やはり近年の発泡酒の生産が始まって以降は商品数も増え、代替わりも早くなっている。もう今では1、2年おきに新商品を次々に投入している感じやね。ビールのほうも春や夏限定のパッケージを施すような工夫も見られる。
ちなみにひとつ小耳情報としては、アサヒビールの主力商品である「スーパードライ」の沖縄県内流通分は、業務提携の関係でオリオンビールの名護工場で生産されていたりする。
次に、泡盛。まあ泡盛は最近は本土各地でも数・種類ともにかなり流通しているので、沖縄料理店以外のふつうの居酒屋チェーンでも呑めるようになってきているし、各種媒体のアルコール類や沖縄特集でも原料のタイ米・黒麹から製造過程から各地の銘柄から何から頻繁に取り上げられているので、ここで改めてはもう触れまい。日本の有人最南端の島・波照間島産の、生産量が極端に少ないことで有名な「泡波」も、東京都内の店でふつうに呑めるようになった、というかなってしまった。
上の写真は2006年9月21日の投稿でも触れた「富士家泊本店」で注文した久米仙ブラウン(480円)で、この店で泡盛をひとつ注文しただけで、グラス・泡盛の原酒1合とともにやかん丸々1個の水割り用の水と鍋1杯分のロック用の氷が付いてくるという状態で出される。面白い。こんなふうに自分好みの配合で泡盛をちびちび楽しめるというのは、本土の居酒屋で何倍に薄めたものかわからないある種ボッタクリのような状態でグラスのみ出されるよりも(しかも水割りなのにやや高価)数段楽しいもので、こんな至れり尽くせりの呑み方であれば、同じ泡盛でもより楽しく呑めるというもので、僕はこれを昨年に初体験してすぐさま感激した。今後は富士家を再訪した場合には、この店の主力メニューであるぜんざいやタコライスよりも真っ先に泡盛を注文することを誓った。ミニコミ誌『酒とつまみ』に携わっている方々もこういう呑み方を楽しんだことはあるのかなあ。まあとにかくおすすめの呑み方である。ただ、ひとりでこれを頼んでやかんも鍋も含めた一式丸々出されるとやや大げさかな、とも思うので、いざひとりで注文するとなるとちょっと気が引けるかもしれない。
また、59ページ7行目で触れた、新酒を複数年寝かせた「古酒(クース)」もまた良い。新酒よりもやはり味に深みがあり、アルコールが喉よりもまずは鼻先にグワッと迫ってくる感じで(このへんの繊細な表現は僕は苦手なので専門家に譲ろう)、思わず後頭部を仰け反らせるくらいの迫力がある。一般的には3年モノや5年モノがよく出回っているが、銘柄によっては10年以上寝かせたものもあり、那覇市の国際通り沿いの土産物店では瓶(かめ)入りの10年モノの古酒もたまに見かける。しかもワインやウイスキーと同様に、寝かせたぶんだけ高価になる。
ちなみに最近、ある野宿の催しで12年モノの久米仙をいただく機会があったのだが(それは瓶ではなく一升瓶入りのもの)、これはもう最近の若者言葉で言うところの“ヤバイ”(凄い、の意味ね)ものである。昨年に富士家で呑んだものや、そこらへんのスーパーで出回っているものとは明らかに文字どおり「次元が違う」液体であった。沖縄県の泡盛づくりの歴史に想いを馳せながら、寒空の下でそれをしみじみとちぴちびといただき、実に幸福なひとときを過ごすことができた。おかげで、一般的には二日酔いはしないと言われる泡盛でその翌日は見事に二日酔いになり、しかもその体で出勤し、その日1日僕はその職場では使い物にならなかったというおまけも付いた。でもこれを呑むことができたのはホントに良い経験であった。12年モノの泡盛なんてなかなか、しかもひとりで呑む機会なんかはめったにないからね。
で、下の写真が最近の発泡酒の一種で、「麦職人」というやつ。
この発泡酒は2005年当時のもので、昨年9月に行ったときにスーパーを観察したら出回っていたが、今年はまだ出回っているのかなあ。このほかにも、「オリオンスペシャル」というキレのあるのもある。
オリオンビールも近年はビールも発泡酒も本土の大手ビール会社と同様に次々に新しい商品を開発していて、代替わりもひと昔前よりは早くなっているようだ。まあこれは、オリオンビールは2002年にアサヒビールと業務提携したおかげで開発環境が以前よりも向上した影響が大きいのだろう。オリオンビールの名護工場に見学に行くと(僕は2005年1月に1度行った。ひとりでも可。ただし前日までに要予約)、見学行程の終盤というか試飲コーナーで過去のオリオンビールの商品パッケージがずらっと紹介された様子も見られるのだが、やはり近年の発泡酒の生産が始まって以降は商品数も増え、代替わりも早くなっている。もう今では1、2年おきに新商品を次々に投入している感じやね。ビールのほうも春や夏限定のパッケージを施すような工夫も見られる。
ちなみにひとつ小耳情報としては、アサヒビールの主力商品である「スーパードライ」の沖縄県内流通分は、業務提携の関係でオリオンビールの名護工場で生産されていたりする。
次に、泡盛。まあ泡盛は最近は本土各地でも数・種類ともにかなり流通しているので、沖縄料理店以外のふつうの居酒屋チェーンでも呑めるようになってきているし、各種媒体のアルコール類や沖縄特集でも原料のタイ米・黒麹から製造過程から各地の銘柄から何から頻繁に取り上げられているので、ここで改めてはもう触れまい。日本の有人最南端の島・波照間島産の、生産量が極端に少ないことで有名な「泡波」も、東京都内の店でふつうに呑めるようになった、というかなってしまった。
上の写真は2006年9月21日の投稿でも触れた「富士家泊本店」で注文した久米仙ブラウン(480円)で、この店で泡盛をひとつ注文しただけで、グラス・泡盛の原酒1合とともにやかん丸々1個の水割り用の水と鍋1杯分のロック用の氷が付いてくるという状態で出される。面白い。こんなふうに自分好みの配合で泡盛をちびちび楽しめるというのは、本土の居酒屋で何倍に薄めたものかわからないある種ボッタクリのような状態でグラスのみ出されるよりも(しかも水割りなのにやや高価)数段楽しいもので、こんな至れり尽くせりの呑み方であれば、同じ泡盛でもより楽しく呑めるというもので、僕はこれを昨年に初体験してすぐさま感激した。今後は富士家を再訪した場合には、この店の主力メニューであるぜんざいやタコライスよりも真っ先に泡盛を注文することを誓った。ミニコミ誌『酒とつまみ』に携わっている方々もこういう呑み方を楽しんだことはあるのかなあ。まあとにかくおすすめの呑み方である。ただ、ひとりでこれを頼んでやかんも鍋も含めた一式丸々出されるとやや大げさかな、とも思うので、いざひとりで注文するとなるとちょっと気が引けるかもしれない。
また、59ページ7行目で触れた、新酒を複数年寝かせた「古酒(クース)」もまた良い。新酒よりもやはり味に深みがあり、アルコールが喉よりもまずは鼻先にグワッと迫ってくる感じで(このへんの繊細な表現は僕は苦手なので専門家に譲ろう)、思わず後頭部を仰け反らせるくらいの迫力がある。一般的には3年モノや5年モノがよく出回っているが、銘柄によっては10年以上寝かせたものもあり、那覇市の国際通り沿いの土産物店では瓶(かめ)入りの10年モノの古酒もたまに見かける。しかもワインやウイスキーと同様に、寝かせたぶんだけ高価になる。
ちなみに最近、ある野宿の催しで12年モノの久米仙をいただく機会があったのだが(それは瓶ではなく一升瓶入りのもの)、これはもう最近の若者言葉で言うところの“ヤバイ”(凄い、の意味ね)ものである。昨年に富士家で呑んだものや、そこらへんのスーパーで出回っているものとは明らかに文字どおり「次元が違う」液体であった。沖縄県の泡盛づくりの歴史に想いを馳せながら、寒空の下でそれをしみじみとちぴちびといただき、実に幸福なひとときを過ごすことができた。おかげで、一般的には二日酔いはしないと言われる泡盛でその翌日は見事に二日酔いになり、しかもその体で出勤し、その日1日僕はその職場では使い物にならなかったというおまけも付いた。でもこれを呑むことができたのはホントに良い経験であった。12年モノの泡盛なんてなかなか、しかもひとりで呑む機会なんかはめったにないからね。