思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

東浦奈良男さんの唯一の登山装備

2012-11-30 23:59:59 | 他人の旅話

遡って18日(日)午後のことだが、かねてから推している今年2月に出版された『信念 東浦奈良男 一万日連続登山への挑戦』(山と溪谷社)の著者である吉田智彦さんの写真展に関するトークイベントが東京都渋谷区のモンベル渋谷店5階で催されたので、1時間強みっちり聴いてきた。聴衆は25人前後で、そのなかにはヤマケイの(Y誌とかW誌とかの)編集者も数人いたなあ。
実は6月にもICI石井スポーツの神保町の「アースプラザ」の催しでも吉田さんのトークは聴いているので、今回で2回目だったけど。事前告知が弱かったそのときに比べたら聴衆は倍増で、良かった良かった。

で、この日がモンベル各店の全国巡回の最終日の、東浦奈良男さんが題材の写真展の会場に、併せてモンベルの「スーパードリューパーカ」が展示されていた。
東浦さんの連続登山では装備はザックから靴(といってもスニーカー)から何から地元で購入できるモノを創意工夫して自分好みに改造しながら使い続けていたなかで(その様子は本の本文や口絵写真でも触れている)、これが唯一、登山専用の装備として愛用し続けていたとのことで、良い意味でくたびれて色褪せたこれを間近で見て連続登山の凄さを再認識した次第。

1980年に創られたというこのパーカ、まだゴアテックスが現在ほど普及する前のモノなので当然ながら素材はエントラントとシンサレートという組み合わせで、当時としては画期的だったのだろうね。しかもこれを昨年に亡くなるまで30年くらい? 着続けていたとは。
そんなに長期間ずっと着続けてくると愛着が湧いてもう撥水性や傷・汚れによる劣化云々なんてどうでもよくなって、連日の登山の御守り代わりのような必需品になる感覚はなんとなくわかる。僕も学生時代からゴアテックスの雨具やシュラフカバーを15年以上使い続けていたから(さすがに雨具は一昨年に買い替えたけど。シュラフカバーもそのうちなんとかしたい)。

そういえば、以前も触れたと思うが(今は野外業界においてはやや後退してしまった)東レだから国産のエントラントは僕あたりがギリギリわかる世代で、最近入ってきた山ガール的な若い人々にはちんぷんかんぷんなのだろうね。まあそれでもいいか。
近年は透湿性や防水性を謳う素材もエントラントやゴアテックスのみの時代から多様化して日々進化もしているが、ウエアに絡む最新の素材も常に注視している。特に国内メーカーのモノで。国内では歴史のあるモンベルのも良いが、最近はファイントラック・ミズノ・フェニックスのも欲しいんだよなあ。

倹約家だった東浦さんは新製品に手を出すのが億劫で次々に買い替える近年の使い捨て感覚を嫌がる側面もあったようで、たしかになんでもかんでも新しいモノを使えばよいわけでもなくて装備にも使い方によって人柄も滲み出ているような個人差があってもよいとは思うが、それでも仮にもうちょっとその頑固さを緩和させて最近の昔に比べたら軽量で高機能な装備を採り入れていたら結果的には9738日に終わってしまった連続登山の後半の質は多少変わったのかなあ、という無意味な? 想像も、写真を観ながらしてみたりもした。

でもまあ、本にもあるとおりの強いこだわりによる東浦さんのような登山のカタチがあるのもまた面白し、(例えば近年の“ギリギリボーイズ”のような)垂直方向の困難や高みを追求するクライマーたちとはまた別種でこれだけ強烈な個性を放っていた稀有な(「登山家」ではなく)登山者は、ゆとり教育の影響もそろそろ出始めている? 現代日本からは二度と現れないと思うから、東浦さんの生き様は今後も時折思い出して参考にしてゆきたい。

そういえば、トークイベントの終盤の質疑応答で聴衆のひとりから、『信念』の基礎となった東浦さんの日記の出版化はあるのか? という質問があったが、その本のなかで日記の記述は誤字もそのままにたくさん引用しているからその必要はなさそうだと思う半面、出版の採算性を考えるととても厳しそうだが、いちファンの僕はなんなら自費出版でもかまわないからぜひ読んでみたいなあ。
6月の催しのときに、吉田さんが東浦さんのご家族から預かっていた年季の入った日記の原本を少し見せてもらったが、あれは絶対に一級品のノンフィクションだ。
だから、そのへんのことはヤマケイの関係者さんたちにこっそり期待しよう。

目薬に限っては「補完」されちゃったかもしれない

2012-11-27 23:00:30 | その他趣味

昨日で今秋の通い仕事が終わってひと段落なので、閑話的な。

現在、今年の邦画の興行成績ではトップのほうらしく大ヒット公開中の映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』と参天製薬の主力商品「サンテFX」シリーズとのタイアップの「人類爽快化計画」という戦略に僕もまんまとはまってしまい、使っている。だから、目薬に限っては「補完」されたも同然、みたいな。

まあ、普段は公私ともに目薬はよく使うためにいくつあっても困らないモノで、しかも先日ちょうど切らしそうな頃合にドラッグストアで見つけて、新たに補充するのに良いタイミングだったけど。
ちなみに、普段は目薬はロート製薬のロートジーを使うことが多いが、そちらは似たようなアニメコラボで先に『ONE PIECE』を取っているのよね。

(後方に白紙を敷いてたまにはちゃんと撮影した)写真はその限定モデルのひとつで、今秋に最初に発売されたらしいシンジモデルで。現在はこれとレイモデルのふたつを併用している。ほかのアスカモデルとカヲルモデルも買って4種類すべて揃えてもよいのだが、シンジとカヲルのは「サンテFXVプラス」という清涼感が強くてビタミンB6も配合のやや高価なモノなので、貧乏人としてはちょっと考えちゃうなあ。
これらはちゃんと各キャラクターの搭乗する“エヴァ”の限定色になっているのが面白い。ただこのシンジの“初号機”の紫色と黄緑色は、医薬品の外装としては毒々しさも感じられて不適切っぽい気もする微妙な色合いなのかなあとも思ってしまったが、まあエヴァ好きの人が買うのならば問題ないか。
また、ホントはマリモデルという? おそらく桃色基調のも作ってほしかったのだがなあ。たぶんそれも結構売れると思う。

ちなみに先日、東京都内のマツモトキヨシの支店ではこの限定モデル2個セットを単品よりも1個あたりはやや安く販売していたが(サンテFXVプラスの単品は798円だった)、目薬好きにはそのほうが得かも。あとは1個余らせるようであれば、ネタ的に贈答品に充てるのもよいかも。


ああそういえば、公開から10日経った『Q』は19日(月)だから公開3日目に観たが、ツイッターや某掲示板など各所で繰り広げられるネタバレが漏れてくるのに戦々恐々とするのがイヤだったので今回は早めに観て、すっきりした。
先日も新宿界隈の「東京チカラめし」での食事中にネタバレ合戦を繰り広げていた若者たちがいたが、飲食店のほかにも駅の電車待ちとか商業施設のエスカレーター・エレベーターとか、ネタバレはそういう何気ない空間で不意討ちのようにやられると悲しいのよね。まあツッコミどころや疑問点がいくつも沸いてくるのはしゃあないので、その議論は内々の場でやってほしい。それで、なぜかまた映画タイトルを変える次作の完結を待て。

『Q』のちょっとした感想ついでに以下に軽くネタバレ気味に触れてしまうが、エヴァではこれまでは特撮要素も含むロボット的なアニメだったのが(厳密にはロボットではなく「人造人間」だけど)今回から戦艦アニメの要素も盛り込んだのは、庵野秀明氏が元々は『宇宙戦艦ヤマト』に思いっきり感化されていて過去作でも戦艦ネタを取り入れているのを知っていると、至極当然で想定内の流れなのよねえ。これと最も近い印象は、(現在、NHKEテレで再放送中の)『ふしぎの海のナディア』の後半に出てくる「N-ノーチラス号」(潜水艦ではなく宇宙へ行くやつのほう)だと僕は思うのだが、この場面を知っているとより楽しめるはず。
それと、いくつになってもなんだかんだ罵っても、アスカとミサトはシンジが好きなんだなー、ということか。一時期は同じ屋根の下に一緒に住んでいた間柄だからなあ(ここでのネタバレ要素は「いくつになっても」と「罵っても」で)。この“同じ釜の飯を食った”関係は次作の最期? まで続くのだろうね。ただ、レイは今作では完全に置いてけぼりな感じなのは、次作でちゃんと「補完」してくれるのだろうか。
あとはなんだろ、ピアノはヤマハ、か。あの連弾の場面はピアノを弾ける人にはアニメでの再現レベル的にはどうなのかねえ。素人目にも良かったと思うが、『のだめカンタービレ』や『坂道のアポロン』と比較してもどの程度の位置なのか。

それから僕個人的に気になるのは、コネメガネ? のマリが(16日(金)の日本テレビでの『破』TV版放送では聴き取れなかった)冒頭で唄っていた(『破』の冒頭の「三百六十五歩のマーチ」に続いての)昭和時代の懐メロ第2弾で、なぜあれに決まったのか、か。公式プログラムのマリ役の坂本真綾の記事によると、アカペラでフルコーラスで3、4曲試したなかであの曲に決まったそうだが、ほかに唄った曲も気になる。でもまあ結果的に場面の状況に合った良い選曲ではある。庵野氏はなぜかああいう、昭和の匂いのする要素もちょいちょい放り込むのよね。自身の少年時代に影響を受けた事象をそのまま盛り込んでいるのかねえ。

上映時間は短かったが、まあ待たせたぶんだけ面白かったので、できれば年内にもう1回観たいなあ。

あと最近のエヴァ関連では、北海道のベル食品のスープカレーも気になるんだよなあ。

根気強さが求められる? ムケシ沢左俣

2012-11-25 22:00:59 | 登山
先週にやっと風邪がほぼ治った(ように思う)ので、21日(水)の平日休みに、(結果的には今年は1本のみと低調になってしまった沢登りとして)東京都・奥多摩というか南秋川のムケシ沢へ4年ぶりに行ってみた。
ただ今回は、2回行ったことのある右俣ではなく、そのときからずっと気になっていた左俣のほうで。こちらも遡ればこの沢を完全に知り尽くしたことになるからねー。

ただ、5年前に右俣へ初めて行ったときには倒木の多さが面倒だった記憶が強く、左俣も似たようなものだろうとある程度は予想して覚悟もしていたが、いやーそれ以上だった。遡行距離は短くて右俣と同様に2時間30分程度で稜線まで上がれるものの、参った。



入渓点の、下和田バス停付近。なんか路線バスの通行も多い檜原街道はやたらと片側通行にした工事箇所が多かったな。12月以降の道路の凍結を見越してなのかねえ。


序盤から、滝には以前よりも倒木やら流木やらが多く引っかかっているのが気になる。
ちなみに今回も昨年から導入したアクアステルスソールの沢靴で行ったが、こういう倒木や苔の多そうな沢ではやはりフェルト靴のほうが有効だろうね。今回は選択を失敗したかも。


入渓点から30分ほどの、右俣と左俣の二俣というか分岐点。


二俣からものの数分で、進むべき上流のほうを見上げるとこのようなうんざりする? 光景が。そしてこのあとは1時間くらい、基本的には藪漕ぎに近い“枝登り”が続いて、まさに根気強さが求められると思う。短気の人はかなりイライラする沢かも。


だから、今回はそんなに濡れることはなかったのは時季的に幸いだったが、地面の岩や砂よりも積み重なっている杉の木やその枝に乗っている時間のほうが断然長かった。倒木をまたいだりくぐったりを繰り返し、渓相がよくわからないまま進むことに。


遡るにつれて林業仕事の跡も見られるようになるが(ビニールテープの伐採目印? や仕事道もちょいちょいある)、伐採したものの搬出不可能? で放置して数年経った状態と思しき丸太も多い。


滝もそこそこ出てくるが、まあ時季的に当然ながら水量は少なめ。
ちなみに、ムケシ沢は現在はもう絶版らしい『東京周辺の沢』(白山書房)を参考に毎回行っているが、ここの遡行図ではナメ滝が多いような描き方だったが実際には枝ばかりなので、水面がよくわからず。しかもこのようななかなか手こずりそうな滝もあったな。余計に濡れるのがイヤだという理由で直登が面倒なので、今回は高巻き連発で(真夏ならまだしも、時季が遅くなって冷えると登る積極性も欠ける……)。まあわかりやすい巻き道も付いていたけど(一応、先人の踏み跡も薄くは見られる)。ただ、巻き道も泥が柔らかめでかなり滑るのは参った(これは体重のせいなのか……)。


でもまあ、我慢しながら着実に腐らずに遡れば時折、紅葉も堪能できて、面白味も多少はある。


一部で伏流もあるこの沢で、クレソンが自生しているようなきれいな水流のある箇所のほうが珍しい。沢なのに。
そういえば最近、写真のような薄い水入れを某100円ショップで発見したので今回から使い始めたのだが、プラティパスよりは強度は劣るかもだが、過去に使ったことのあるエバニューとモンベルの水入れとおそらく同質で(中国製?)105円とは安上がりで(→追記。これは韓国製で、容量は2.8L)、費用対効果はかなりのものだと思う。来年以降もばりばり使おうっと。あとで買い溜めしなければ。


終了点の近く。視界の開けた尾根が見えるとホッとする。標高800mくらい? の植林の密度が低くなる終盤にはようやく枝の堆積が薄くなってラクになる。
ちなみに、着けている手袋はこれまた100円ショップで買った一般的な作業用のよりも薄手のイボ付きのモノで(厚手のはダメだと思う)、これも特に沢の源頭部の詰めでは結構使える(滝の直登ではどうしても素手のほうが登りやすいけど)。今回は倒木越え対策で用意して、手の保護に随分役立った。これも買い溜めしておきたい。


終了点である登山道への詰めは右俣と同様に奥多摩の沢にしては珍しくわかりやすいし辿りやすい。これはこの沢の特筆すべき点。


快晴だったので、遡行が終わって着替えて靴を履き替えて下山の尾根道歩きに移ると、快適なぽてぽてハイキングになりましたなあ。北側の御前山(写真左) から大岳山(写真右)への稜線もくっきり見えた。
そういえば今回改めて気付いたが、大岳山の南面は岩壁になっているのね。あそこを登った人はいるのかなあ。


秋枯れ(※)の尾根道。いかにも秋の山、という感じの道はご無沙汰だったので、久々にこういうところに行けて楽しかった。


浅間嶺の近辺に行ったのは14年前の大学の卒論で「関東ふれあいの道」を踏査して以降4回目だったが、(昨夏も行った)北側の小岩バス停方面へは歩いたことがなかったので、下山は未踏の道へ。
そういえば、このへんの道標や案内板はまだ「環境庁」の記載のままなのね、「環境省」ではなく。「秩父多摩国立公園」も「秩父多摩甲斐国立公園」に変えていないし。そのくらいの手入れはしないのかねえ、今月上旬に行った(登山人口の断然多い)高尾山のほうはやや改善していたのになあ。


車道へ下山すると、そういえば、のこの掲示板が檜原村でも設置されているのを度々見かけた。まあ僕は東京都民ではないから関係ないけど。ただ、来月の東京都知事選に関してひとつだけ、都心のみならずこの山間部の生活もないがしろにはしない、特に自然環境や交通へ理解のある方に成ってほしい、とは奥多摩好きのひとりとして望んでいる。
なお、このあとは交通費(バス代)節約のために武蔵五日市方面へ車道を歩きに歩いたが、途中で村の郷土資料館や図書館へ寄り道して、結局は19時すぎに追分バス停までにしておいた。まあこれで300円以上節約できたのでよしとする。給料日前だったので、その近所の「瀬音の湯」は断念した。またいつか入浴しに行きたいなあ。


という感じの、前々からのちょっとした懸案も片付いて充実した1日だった。
ちなみに11月下旬の沢登りは初めてだったが、数日前から天気予報を注視して晴れる日を狙えばまだ辛うじて行けるか。まあ、もっと早い時季のほうがそりゃあ良いに決まっているけど。秋が深まると寒くなるから。
でも、山間部や北海道・東北では今年は多め? の積雪の報も増えつつある頃合に、東京都内と近郊ではまだ沢登りを楽しめるのは日本の国土的に面白いっちゃ面白いけど。
それにしても、かなりのM気質というかマニア向け? のこの左俣は二度と行きたくないなあ、あの倒木とかの埋まりっぷりでは。でも右俣はまだ多少は面白味があるし、忍耐力も左俣ほどは必要なくて初心者さんでも行きやすいので、また行きたい。

ホントは今年は沢へガンガン行くつもりだったのが結局は日帰りで1本のみになっちゃったなあ。なんでこんなに低調になっちゃったんだろうなあ。来年こそは巻き返したい。


※補足
「秋枯れ」は一般的には使われないほぼ造語で、本来は『広辞苑』にも掲載されている「冬枯れ」にすべきだが、周辺の樹木はほとんど落葉しても時季的にまだ冬ではなく辛うじて晩秋の雰囲気だったので、ここでは感覚的にできれば「秋」にしたい。
まあ全国的に見ると北方や山地では降雪・積雪も見られる地域もあって完全に冬の様相のところもあるだろうが、同じ日でも場所によって「秋」と「冬」と微妙に使い分けてもよい、気がする。秋から冬へは、四季の移り変わりのなかでも最も季節の分かれ目の感覚の地域差があると思うから。(半ば屁理屈で、すみません)

当日でも入れそうな気がする母校の竹内洋岳講演会

2012-11-11 21:30:31 | 登山

昨日の午後、母校である立正大学・大崎キャンパスの開校140周年記念公開講座の竹内洋岳(先輩の)講演を、学外の友人とともに聴きに行った。
学内に足を踏み入れるのも久々で、懐かしかった。ただ、僕が13年前に卒業して以降に建て替えた新しい施設がたくさんあって面食らったけど。これらは明らかに僕らの学費で造ったのだから、今後は卒業生にももっと還元すべきだよなー。

で、肝心の竹内氏の講演の内容とその流れは先月の銀座の有料講演会と同じで、「登山家」のように「家」が付く肩書きのヒトは資格が不要=自称で胡散臭い、大学で「8年間」も学んだ(「4年間」ではない意味はわかりますよね?)、仏教学部よりも山岳部に入部したようなもの、みたいなひとつひとつのネタをより詳しく掘り下げた感じであった。
おそらく他所の催しと異なるのは、後半に現役の学生4名との問答のコーナーや学生からの花束贈呈も組み込んでいたことか。まあいかにも学内の(良い意味で内輪な)記念行事らしい、ほのぼのとした約2時間の空間であった。

聴衆を見渡すと公開講座らしく年配の方が多かったが、それは置いておいて大崎は定員600名という触れ込みで募集していたのに実際の人数は会場の3分の2くらいで、あれはその程度の応募しかなかったのか、それとも無料だからととりあえず気軽に申し込んで当選はしたが当日になって無料だからとこれまた気軽にドタキャンした無礼な? 人たちの空き分なのか。どう見ても600名も入っていなかったが、どちらにせよ満員にならなかったのは惜しい。事前の宣伝も目立ったものでは大学のウェブサイトと先月の読売新聞の広告掲載が1回くらいで比較的弱かった感もある。

24日(土)午後に熊谷キャンパスでも400名入る会場で同じ講演会が行なわれる予定だが、そうなるとこちらも明日が応募締め切りだが、今回と同様に当日に定員割れになりそうな気がする。大崎よりも熊谷のほうが交通の便がやや悪く、正直、東京近郊からは行くのがやや面倒なこともあるから。
だから、興味のある方はもし抽選に漏れたり申し込みし忘れたりしても、もしくは直前になってその日を空けることができて行けるようになった、という場合にも、諦めずに再度問い合わせてみてはー。なんなら当日にドタ参加でも入れそうな気がするけどなー。
無料ですし、アンケート回答用のボールペンも土産としてそのままもらえますし、ぜひ。

ココがダメだよ高尾山

2012-11-10 23:30:15 | 登山
前投稿の続き。
高尾山で、というか地域を問わず登山する場合、全般的に僕はいかがなものかと思ってしまう、目に余る悪い例を写真で。


鼻と口が折れている。


抱っこで登山。歩みは時速1km以下とゆっくりではあったが、道幅は比較的広いが所々で切れ落ちた箇所もある尾根道を、おそらく1歳未満の乳児を抱えて。最近は子どもを背負う専用の、背負子をさらに進化させたようなベビーキャリーも結構出回っているのに。


行列になっているところでの下山時の追い抜き。しかもまだ登りの登山者ともそこそこすれ違う時間帯なのに。


ズボンのポケットに手を突っ込んだままの下山。しかも登りの者とすれ違うときでさえ、何も気にすることもなくそのままで。


三角点の上に乗り、記念撮影。東京都心方面の遠景の写り具合はたいして変わらないと思う。


上の写真のような行為が相次ぐ影響か、山頂の(二等)三角点が欠損。


山頂で(クロックスのような)サンダル履き。


ほかには、数年前から登山初心者向けの媒体でもよく問題になるストック(トレッキングポール)の先端に土道保護用のゴムキャップを装着していない登山者も、ストック利用者のうち約4割はいたか。
というか、ストックを両手で2本使う“ダブルストック”で進む人が結構いたが、歩きぶりを見ると身体的にはなんの問題もなさそうなのに高尾山でそんなモノが必要なのか。過剰装備ではないのかね。
まあ舗装路でラクな1号路や3号路とは別の道も歩きたい欲がありつつ、膝痛の軽減など導入することによる効果は僕もよくわかるのでストックを使うのがダメだとは言わないが、登り・下りの者がすれ違うときにその先端がガシッと足に当たることもよくあるので(ストックを持ったときの避け方がヘタクソということ)、それもストレスの一因となる。

あと、上の3番目の写真にもかかわることだが、登り・下りの者がすれ違うときに、どちらかと言うと歩く勢いの強い下りの者が向こうから避けたり減速したりすることもなく対向者にお構いなしで我が物顔で直線的に進むことによって「どうっ」と肩がぶつかって、登りの僕のほうがよろけてしまうことが1時間強の行程のうち数回あった。もしこれがもっと細い尾根だったら……。

まあこれらは観光地でもある高尾山だから特別に通用しちゃうことだが、ほかの山域の登山においての姿勢としてはいただけない行為・状態で、今後も続くようだととばっちりを受ける、そして事故が起こる確率もより高まりそうだなあ。これらは一歩間違えると大ケガや死にもつながるかもしれないのに。
観光地ではそういう意識が希薄になるのは仕方ないが、一応は山だからなあ。ここで足慣れた登山初心者が次の段階へ進むさいに、ほかの山域へ入る場合はちゃんと山ということを意識して行っているのかなあ、それとも“高尾山感覚”で続けているのかなあ、ということも気がかりではある。
登山経験者や各種媒体(特に専門的なものではなく一般的な雑誌やリーフレットなど)からの啓蒙も今後も強化しないとなあ、とも感じた。
最近の登山事情を掴むうえで良くも悪くも勉強になった。

やはり高尾山は、ここで自然をより身近に感じたい場合は観光客? との軋轢を避けるために、朝か晩、それに悪天候のときや冬季の気温が低いときのような人出の減る時季や時間帯を狙って、ほかの山とは別の対策を練って行くしかないように思う。「対自然」よりも「対人」を強く意識して自己防衛のためにも。

なお、高尾山のせいなのかどうかはわからないが、まだ風邪は長引いている。いつになったら治るのだろうか。

ヤケクソ気味に高尾山

2012-11-05 23:00:39 | 登山

先月後半から、1日(木)から4日(日)まで4連休を取っていて、3泊4日か2泊3日で久々に八ヶ岳か奥秩父にでも縦走的な登山へみっちり行こうと企てて着々と準備していたのだが、数日前から(たぶん散髪した影響で)風邪をひいて不調続きになり、せめて日帰りでだけでもと思って登山の計画を下方修正しまくって、結局は3日(土祝)に東京都の高尾山(599m)へ行った。ああ、標高2500m超の山々へ行くつもりが観光色の濃い高尾山にまで成り下がってしまうとは。ちなみに今回が5回目の登頂で。

まあ数回行っていて地図なしで行けるくらいに幼少時から慣れている山なので(道中に案内図も充実しているし)、風邪っぴきで頭痛持ちでもさすがに遭難することなく行けるだろ、と半ばヤケクソ気味の決め方で。
ちなみになぜ3日かというと、不調は続いていたが1日と2日よりは幾分動けて、でも3日にしておけば仮に行ったことで症状が再び悪化しても4日に寝込んでいくらか体調を戻す時間の猶予があるため、という計算があって。結果、4日はまた悪化してその予想どおりに寝込んじゃったけど。

ああでももちろんヤケクソ気味と言っても、化学繊維の服装で登山靴を履いてヘッドライトや登山地図も携行して水と行動食も縦走の準備から流用してなどと、観光地巡りではなく日帰り登山の格好と意識で行ったわよ。間違ってもさすがに高尾山関連の噂でよく聞くサンダル履きや革靴、それに肩掛けバッグで綿のTシャツと上着でジーパンで、とかでは行かないなあ。

実は高尾山は6年ぶりで、となると最近は雑誌など各種媒体での紹介も相次いで山ガールブームの主戦場? となっていることや、ミシュランガイドの星付き観光地となったりもして一般的にもより有名になって以降は初めて行ったが、まあ噂以上の混みようで、ひと昔前とは全然違う様相でホントに腰を抜かしそうになった。15時台の山頂付近は休日の新宿や渋谷並みの人口密度で、となると正午あたりはもっと凄かったのだろうか。
今月は紅葉がこれからが見頃で、3日はまだ少し早かったが、それでも山頂とその付近で色づいている木はちらほらあってまあまあ楽しめた。23日から25日の3連休はもっと凄い人出になるかねえ。ああ恐ろしや。

風邪なので念のためにマスクを装着して行ったが(ちなみに15時台に撮った上の写真でかけているのはダテメガネだが、これについてはまた後日)、周りに風邪をうつさないようにという理由で着けていたが、結果的にはそれで呼吸しにくいことがむしろ心肺のリハビリになって良かったかも。

登山は午後から「稲荷山コース」を登りで利用したが、天気も良くて案外楽しめた。ただ登山者というよりは観光客? の多い状態に辟易して閉口して絶句もする瞬間もあり、良い点よりも悪い点のほうが目立ったなあ。いろいろ考えることがあった。
もはや高尾山は「自然観察」ではなく「人間観察」の場となった感があり、そしてこの状況は今後もしばらく続くだろう、と少々寂しく思いながら結論づけた。だから今後は、目的意識をほかの山とは別に持ち、人の多さを割り切って行くべき山ですな。今は夏の富士山も同様か。

その、いろいろ幻滅した件については後日、写真付きで追記か別の投稿を立てるかも。

そういえば、遭難の理由というか性質は想定外? の大雪のためと異なるが先日、中国の「万里の長城」のトレッキングツアー? で年配の日本人観光客の死者が出たが(催行が「アミューズトラベル」となると、3年前と同様にひと悶着あるだろうなあ)、一般的な観光地でもそんな不測の事態に陥る可能性はゼロではないので、観光地であっても気を引き締めて行かないとね。高尾山でも登山道の細い箇所で登り下りのすれ違いに失敗したり飲酒後の酩酊状態の下山で転倒した、滑落しそうになった、という話はたまに聞くので、実はこちらのほうが何か起こってしまう可能性は高いかも。