思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

「川越まつり」を20年ぶりに観に行った

2012-10-31 00:00:00 | その他趣味

時間は遡るが21日(日)の午後、毎秋の10月中旬に川越市で2日間の日程で催される「川越まつり」を、20年ぶりに観てきた。だから観に行ったのは高校生のとき以来で。
なぜこんなに時間が空いてしまったかというと、さすがに地元沿線の祭事なので情報は毎年よく入ってくるし、川越はウチからも電車1本で40分くらいで行ける近場なのでいつでも行けるから今年もいいや、と回避してしまい(人間、自分の生活圏である近場のほうが案外出かけるのが億劫になることもあると思う)、それが続きに続いて結局こんなに空いてしまったという感じ。
7年前に国指定重要無形民俗文化財に指定されて、それに埼玉県内、とりわけ東武東上線沿線住民にとっては小学生の頃から学習して刷り込まれて? お馴染みの江戸時代の川越藩主・松平信綱にかかわる祭事なので、もちろん毎年気にしてはいますけれども。

それでまあ、この祭事で主にやることというと市内各地域が所有する山車を曳くことなのは変わりないので(あえてざっくり言うと「山車曳き祭り」で。でもこういう体の祭事は全国各地に多いはず)、久々に観に行っても違和感なく入り込めた。
しかし、今年の日程は土日なのでそのぶん見物客もやたら多かった。この日は天気も日中は半袖でもまだ大丈夫なくらいに最高で、さらには今年は川越市の市制施行90周年に合わせて山車が29台すべて出るということで(例年はこの半分くらい。全部いっぺんに出すのは10年に1回のみ、だそうで)、もろもろ重なっての今回の混雑ぶりはここ20年くらいで過去最高だったのではないかね。
この混雑は前夜、テレビ『出没!アド街ック天国』で本川越を特集した影響も多少あるのかも。

だから、午後の4時間くらいかけて東武東上線・川越駅から市内中心部の名所のひとつ「時の鐘」を経由して川越市役所あたりまで行って往復して祭りの雰囲気を見回っただけでも疲労困憊であった。川越駅から西武新宿線・本川越駅にかけての商店街も含めて、祭りの混み具合がすんごい苦手で20年も回避してきたということもある。

沿道の数々の屋台の食べ物も興味深かったが、このときは金欠だったのでいろいろ断念した。


以下に追加で写真を。


祭事中の川越駅から市中心部へ通じる商店街「クレアモール」はいつにも増して混み合い、通過するにも平時の5倍以上の時間を要する。日中は特に凄い。


本川越駅に近い、埼玉県内でも結構な有名ラーメン店「頑者」では、祭事限定の特別メニューを提供しているらしく、行列ができていた。まあ普段から人気店なので、普段の土日祝日の昼間もこんな感じで行列になっているけど。


観覧席。おそらく地元民向けに設置されているもの。数か所あった。


ひょっとこ踊りと囃子もそこかしこで観られる。時折、子どもが握手を求めたりもしていた。縁起物なのだろうか。


山車の上は人形とともに、電線除けの棒を持った役割の人も。


ある屋台で焼きそばのところが隙ありだったもので、1枚。もちろん、大人なのでつまみ食いなんてしませんよう。


本部。


獅子舞。山車に乗りながら舞うのはちょっと狭いので動きはあまり大きくなくて迫力に欠けるのは仕方ないが、各所で頑張っていた。


山車がすれ違うときに向かい合って囃子の競演をする「曳(ひ)っかわせ」。これは間近で観ると面白いのだが、すんごい混み合うので、接近するのはなかなか難しい。うーむ。


山車を曳く氏子では喫煙者は思ったよりも少なかった。見物客のほうで歩きタバコでガラの悪い輩はちょいちょいいたけど。


山車を曳くとき、山車は車輪付きなので他所の祭りの山車よりは曳きやすいと思う。そのためか、携帯電話を片手でいじりながらもう片方の手で綱を引くというよりは持っている人もいたのは今どきやねえ。


天狗様。扮装もいろいろ。まあ江戸時代っぽいものが多かったが。


山車の真ん中の彫り物は芸の細かいものも多い。御伽話とか江戸時代モノとか十二支とか、山車によっていろいろ。


車輪止め。よく一時停止するので出番は多い。


曳行コース各所にある「会所」に正面を向いて囃子で挨拶? する。観覧席に向かって同様のこともやる。


蔵造りの町並みにある「川越まつり会館」。普段はここでこの祭事について案内していて、まつりについて理解を深めることができる。山車の展示もあるそうで。実はまだ覗いたことがないので、近々行ってみるか。


川越市役所前。


川越市役所の入口付近も祭事中は憩いの場となる。


薄暮時の「時の鐘」。


山車が祭事中に格納されるとこんな感じ。


ホントは日中のあとにひと休みしてから夜の曳行も少しはあるのだが、この日は川越市役所まで行っただけでも疲れちゃったので、夜の部の見物はまたの機会に。
たぶん、再訪は数年後だろうなあ。

結果的に、なんとなく東京観光

2012-10-30 18:00:36 | その他趣味
27日(土)、東京23区内にいろいろ用事をくっつけて出かける機会があり、帰宅してからデジカメの撮影記録を見直すと結果的にプチ東京観光みたいな内容になっていた。



東京タワーの(昨年3月の大地震のあとに改修した)先端


芝公園の車止め


芝公園、「伊能忠敬測地遺功表」


増上寺


神保町ブックフェスティバル


2012神田カレーグランプリ


鳩の街、「第6回ふるほん日和」


「ふるほん日和」主宰の放浪書房の、本販売専用の屋台(まだ制作途中らしい)


東京メトロ・押上駅付近


JR東京駅


神保町でカレーの試食もできないくらいに、これら以外にもこの1日でいろいろ行くべき場所があって駆け足になってしまったのは無念。
今秋は毎週末に興味深い催しが例年以上にかぶっていて、できるだけ多く巡りたいと思うと困ったものだなあ。来月もまた多いし。

まあでも今秋は、昨年以前よりも(ここ数年はなぜか秋にばかり集中する)仕事の時間のやりくりは比較的やりやすく、一般的な会社勤めの人と同様に週末もいくらか空けられるので助かる。
今年は数年ぶりに近場の秋をちゃんと満喫している感じ。

またもや歩道上でがっかりする

2012-10-29 23:59:45 | 自転車
25日(木)、東京都大田区はJR大森駅から近いカレー店「ケララの風II」へ行く途中に山王商店街を通ると、こういう看板があった。

で、ここの歩道を歩いてみると、自転車の通行が結構多い。車道の交通量もそこそこあるにはあるが、比較的栄えている大森駅の東側よりは少なくて車道の左端も幾分通りやすいと思うけどなあ。まあこの自転車の通行ぶりは全国的によく見られる光景だけれども。
年配の方は致し方ないと思う面もあるが、やはり「徐行」とは言えない「歩行者優先」ではない走り方をする輩も多く、いつものようにがっかりする。

しかも商店街なので買い物で車道側の柵付近に停めている自転車も多く、さらには商店が歩道にまで商品や店の看板をはみ出して並べているところもあり(こういう歩道を塞ぐ常態も全国的によく見かけるが、道路使用許可がなければ厳密には違法行為)、それらが並ぶぶんだけ歩道が狭まっていて歩行者の通行に支障がある箇所も多い。そこに傍若無人の暴走自転車が突っ込んでくるからなあ。

新たな石巻名物になってもおかしくない? 新感覚のつまみ

2012-10-22 18:00:59 | その他趣味

日時的には関戸橋フリマの続きのネタだが、そこは正午までに終わり、そのあとにちょうど同じ日に京王線・府中駅の北側の府中公園で開催されていた府中市の「福祉まつり」にも立ち寄ってみた。だからこの日は府中市内でタイミング良く同日開催の2つの催しをハシゴしたわけで(ちなみに、その間の移動は折りたたみ自転車で)。

まあこれは要は地元の市民祭りで(でも今回で32回目と歴史はな長い)、特に福祉関係の施設の出店が多かったが、そのなかで東日本大震災の復興支援も(幟を作ったりもして)掲げていた。
会場入口には石巻と気仙沼の産物を販売するブースもあり、特に石巻のほうは海産物の販売に力を入れていた。

で、実は石巻のほうの出店を若い知り合いが手伝っていたこともあって何か買いたいなあと思っていたところに、積極的に試食させてくれた「ぬれいか天」が甘醤油で思いのほか旨かったので、これを買った。500円。
近年、各地の土産物で「濡れせんべい」や保湿っぽい柔らかめのクッキーも一般に広まりつつあるが、イカを、しかも揚げ物をしっとりさせるという発想が面白いし、醤油味で塩辛いだけではなく甘めの味付けというのも比較的食べやすい。
買って持ち帰ってもあっさり食べ終わってしまったので(1袋160gを一気に食べるとやや胃に響くけど、後悔はしない)、早くもまた食べたくなったよ、今度は酒のつまみとして。「やめられない、止まらない」といえば“かっぱえびせん”だが、このイカもあの海老? に負けていない。むしろ勝っているか。でもそれに比べたらちょいとお高いか。
石巻の「支援」がどうとかいうことよりも、単純に好みの味なので気に入った。と言っても石巻という地名を聞いてしまうと、どうしても「支援」のことは意識してしまうか。

まあとにかく、これにまた出合う機会があればぜひ買い求めたい。おすすめ。

また、タイトルで「新たな」と書いてしまったが、(震災がどうこう以前から作っているのかもしれない)これの出自がよくわからないので、それを生産者に直接的に確認することも含めてやはり石巻へ早めに行かなければ、と改めて思った。



※28日(日)の追記
この商品について先日、ある事情通から聴いた話によると、石巻市内は雄勝の「フードショップサトウ」がこれを販売しているのだが、原材料のイカはどうやら北海道産らしく、加工もそちらで、その後に巡りめぐって販売のみその店(いわゆる個人商店?)で最近特に積極的に行なっているそうで。だから厳密には、石巻産で地産地消にかかわる商品でもないことから「石巻名物」には成り得ないのかもしれない。
まあたしかにイカというと、漁獲量は日本海側、例えば富山や青森や函館のほうが太平洋側よりも一般的には多い印象があり(統計をきちんと確認していないので、あくまで北海道の「いかめし」など料理や加工食品からの印象の話ね)、しかも震災後の太平洋側でイカ漁が回復、という話も聞かないしなあ、僕個人的には。
ただ、そういう経緯はあろうとも、その店が今後も積極的に販売し続けて、今以上に方々に知れ渡ることによってひょっとしたら名物になるかもしれない。実際、最近の石巻市内でもよく催されるという復興市? のような販売の機会には海藻類の加工食品とともに店としては毎回かなりの売り上げになるらしい(そのおおまかな金額も聴いたが、又聞きみたいな感じで裏を取っていない情報のため、ここでは伏せておく)。
なので、産地と仕入れの経緯に多少の曲折はあるようだが、まあ今後も売れてゆけばそうなる可能性を秘めていると認識しておいてもよいのではないか、それで旨ければなお結構、と話を聴いて改めて思った。
そういう事情を聴いても、「ぬれいか天」への好印象は変わらないので、今後の動向も注視し続けることにする。

ようやく初訪問の、自転車好きの熱気が特にあるときの関戸橋

2012-10-21 00:00:00 | 自転車

20日(土)、東京都府中市の多摩川に架かる関戸橋で毎年春と秋に行なわれる自転車系フリーマーケット、いわゆる“関戸橋フリマ”に初めて行ってみた。

この催し、公の媒体では告知されずにいつも自然発生的に開かれ、東京近郊の自転車に一家言ある人にはお馴染みで僕も数年前から存在は一応知っていたが、なぜか毎回、悪天や仕事や体調不良(特に春は花粉症のせいで)などでタイミングがことごとく合わなかった。それで今秋にようやく。
今回は単に興味本位で覗きたいということとともに、友人が出店していて観に行きたい、という理由もあった。あとで撮影データを確認すると、上の写真のある位置に(撮影時はどこにいるのかは全然わからなかった)その友人も写っていたりする。ウォーリーを探せ的な。

で、実際に各出店者の主にレジャーシート敷きの上の出品物を覗くと、自転車といっても主にロードバイクの部品を出品している人が多く、僕も使うことはなさそうなフレーム・ハンドル・ブレーキ・クランク・変速機などマニアックな品揃えのところが多かった。なかには自作の完成車を販売している様子も見られた。価格はピンキリでいろいろあり、まあとにかく自転車好きにはよだれものの空間であるね。

しかも天気はスカッと秋晴れで、日中は昼寝にも最適の気温で、正午前までの友人の出店を眺めているうちにホントにうたた寝してしまった。というくらい、温和な雰囲気の会場なのも良かった。
ただ、このフリマに関して検索するといろいろ出てくるが、今春に開催中のマナーに関するちょっとした問題が起こり、僕もその件については小耳に挟んで気を揉んでいたが、今回の開催が危ぶまれたりもしていたようだ。でも結局は当日はそのような問題が再発することはなく、(今春も訪れている友人によると今回は比較的小さかったこともあってか)規模も今回くらいがちょうど良いのではないかと思った。

この開催場所、多摩川の土手に前々から敷設されている自転車道、というか過去の歩行者と比較的飛ばす自転車(ロードバイクに多い)が接触する交通事故発生の影響で路面に減速するように注意喚起する緑色の凹凸の段差を増やしたりもして現在は通行のルールが変更されたことによって歩行者優先の遊歩道みたいになった道からは若干離れた位置なので、写真のようにワーッと自転車がたくさん停まっていてもそこの交通への悪影響はない。

実質は年に2日という限定的な日取りで、開催日も流れ解散的に午前中で終わってしまう感じですでに定着している催しなのだから、今後も春と秋の風物詩として続くといいなあ。

ホントに多い皇居ランナー

2012-10-20 00:00:00 | スポーツ

19日(金)から通い仕事が進行の都合で1週間も休みになり(でもそのあいだに別の仕事はあるけど)、時間の余裕が例年よりも多めにできたので、その初日に東京都内のどさ回りついでに夜の皇居周辺へ行ってみた。

すると、マラソン関連の話題になると各種媒体で最近よく取り上げられる“皇居ランナー”はホントに多く、試しに桜田門の近くで19時台に定点観測すると(写真の中央奥は東京駅付近の丸ビル方面)、5分間で最大で130人も通過していた。ほかにも2回計測するとそれぞれ100人を超えたから、皇居一周の距離がたしか(諸説あるが)5km弱として、平均的なランナーが1kmを5分で走るとなると1周で25分弱になるから、単純に5分を5倍で少なくとも500~600人は同時に走っていることになるか。そんなに多いのか、と予想以上の人数で驚いた。
それにランナーをよく観ると女性の割合が高く、男女比は半々くらいだった。暗がりのなかでも目立つ桃色とか黄緑色とか明るめの色のシャツを着ている人も多かったか。
まあ、この日は金曜日の夜でよく晴れてもいて、走りやすい状況だから特に多かったからかもしれないけど。

この一周コース、信号にほとんど引っかかることなく走れる利点があり、コース周辺で銭湯の再活性化や新規の荷物置き場・着替え場所が拡充されつつあることも聞いていて、年々走りやすい環境になっているか(ただランナーが増えたぶん、ランナーと一般の歩行者との歩道上の軋轢もたまに聞くけど)。
僕は皇居付近は過去に散策で断片的に歩いたことはあってもまだ一周を通しで走ったことはないので、いつかは走りに行ってみるかなー。

高かったけど面白かった銀座の竹内洋岳報告会と、17年前から交流のある“サバイバル登山家”との直接対決

2012-10-10 18:00:39 | 登山

6日(土)午後、読売・日本テレビ文化センター(よみうりカルチャー)が主催の、竹内洋岳氏の8000m峰14座完登記念の「報告会」を、銀座ブロッサムへ聴きに行った。大きな会場だから聴衆は300人以上はいたのかなあ。入場料は大人1800円と目玉が飛び出るくらいに高かったけど。新聞社主催の一般向けの公開講座的な催しでは、このくらいの金額になるのはしゃあないか。

竹内氏に帰国後に生でお目にかかるのは今回が初めてで(こういった公の催しでは2回目)、そこはぜひ聴いておきたかったし、それにこの催しは2部構成で第2部のほうが服部文祥氏とのトークセッションというのも(高くても)気になっていた。むしろその直接対決のほうが楽しみだったりした。

ちなみに上の写真は会場のその開始前で、本番中は撮影禁止で。でもべつにフラッシュを焚かなければ撮ってもよいと思うけどなあ。ケチだなあ。

第1部の竹内氏の単独の報告では、まず自己紹介的な未公開映像を見せてから、登山を始めた頃から8000m峰14座完登への登山人生の流れを振り返り、まあ一般向けの報告なのでここ4か月の各種媒体のインタビュー等をほとんどチェックしている僕としては既知のことばかりだったが、直近の5月のダウラギリI峰登山で10年秋のチョーオユー登山からの同行者である(今年はほかにも、登山業界内でも話題で僕も当然観ていた日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』の“イッテQ!登山部”でイモトアヤコが行ったアコンカグア・マッターホルンの登山にも撮影の「仕事」で同行している)、中島健郎(=けんろう)氏との信頼関係について熱っぽく語っていたのは初耳の部分もあって特に興味深かった。

今回は登頂はできなかった中島氏だが、竹内氏の5月26日(土)の登頂後の下山で(上部キャンプの撤収と荷揚げした荷物の回収のために)中島氏が下から応援に来てくれる計算があったからこそ登頂できた、と中島氏への謝意をしきりに述べていたのは印象的。中島氏は登頂を断念したときよりもその下山の出迎えのときのほうが好調で(高度順化の速度が竹内氏とは若干異なるのかも?)、登頂を目指す“サミットプッシュ”と26日夜の高所でのビヴァーク(着の身着のまま野宿)によって27日(日)の下山の続きでは疲労困憊の竹内氏が荷物をほとんど中島氏に背負ってもらったとか「犬の散歩のように」先導されたとかいう話は、8月中旬に放送のNHK『グレートサミッツ』でも出ていなかったことか。

続いて(第1部よりもこれが目当てで訪れた聴衆のほうが多いと思われる)第2部は、竹内・服部両氏の握手から始まり、なぜこのふたりの組み合わせなのかを1996年に同行した(登攀中はロープを結び合ったこともある)K2登山の前年の出会いと翌年の登山の様子から説明し、服部氏が年齢的にはやや先輩なのに、しかし最近は竹内氏よりも(登山業界においての実績や知名度では)下に見られていることが悔しい、みたいな嫉妬心? を剥き出しにしながら、(立正大学と今は無き東京都立大学という)「あまり有名ではない大学出身者」同士の互いを持ち上げるよりは貶める? ツッコミ合戦になり、予想以上に面白かった。
これはおそらく、K2の模様も少々描かれている『サバイバル!』(服部文祥、ちくま新書)を事前に読んでいれば、よりわかりやすかったかもなー。

基本的には事前に会場から募った竹内氏への質問を参考に今回の場では代表して脇役である服部氏らしい毒のある独特の物言いで詰問してゆくカタチで、各種取材ではあまり出せないネタを引き出し、記憶力が弱い(『初代 竹内洋岳に聞く』(塩野米松、丸善)ではK2登頂者は8人とあるが実際は12人であることを忘れている)、ファッションチェック(登山ごとにジャケットの色を変えている。いつの登山だったかが判別しやすいように?)、提供・共同開発で懇意のカシオ・プロトレック(竹内氏の特設コーナー?もあるよ)以外にも高級時計好き、高所登山のリスク(服部氏曰く「三途の川を2回渡りそうになった」05年エヴェレストでの脳血栓と07年ガッシャブルムII峰での雪崩→救出→再起。背骨の治療で一時期はシャフトを背中に埋めて真の「マシン」になったこと)、高所登山においての食事と排泄、という流れになった。
その合間に、K2登山が8000m峰に登ると凄い(偉い?)と周りから敬われる最後の登山だった、その登山隊は野望の塊(K2登頂で名を馳せたい若者ばかりで、特に野心家? の服部氏はギラギラしていた)、服部氏は当時は唯一の社会人で普段は洒落た格好だったのが今は“サバイバル登山家”と成って……、そもそも「サバイバル登山」ってなんすか? と竹内氏からの17年前からの時代の変化にもかかわる逆質問もあった。この掛け合いでふたりの関係はK2以外にも共通項が多くて良好であることがわかり、なにより。
僕個人的には、各種取材でも第1部でも一人称は「私」で通して丁寧に語ったり受け答えしたりする竹内氏が、服部氏との本性剥き出し? のやりとりによってつい「俺」と言ってしまうくらい白熱した終盤からが対談は本格的に面白くなりそうだと思ったが(ちなみに服部氏はどの講演等の場でも基本的に「俺」で通している)、エンジンがかかったところでお開きの時間になったのが残念。第2部の時間は会場の都合で50分弱と短くなってしまったので、また別の機会を設けて再戦してほしいなー。ある程度の歯止めがかかってしまう雑誌記事ではなく、やはり生の対談形式で。

終了後はロビーで両氏の本を販売してサインもしていて、盛況だった。ただ、服部氏の代表作『サバイバル登山家』『狩猟サバイバル』(ともに、みすず書房)は2000円と特別価格にしていたのにあまり売れなかったか。今回は明らかに脇役の立場である服部氏の本のほうがそこで場を広く取っていたのが可笑しかった。
そういえば今回の催しの内容とは全然違う話だが両氏の本、竹内氏のほうは以前にもツッコんだことがあるが、実は服部氏の本も販売停止にするほどでもないけどツッコミどころがたくさんあるのよねえ。という校正者からの視点で、実はそこで本が売れてゆく様子をやや複雑な心境で眺めて、売れるのは誤植などを修正したあとにしてほしい!! と叫びそうになったのであった、僕個人的には。

でもまあとにかく、催しとしては大成功だったと思う。とても楽しかった。ちなみに服部氏は翌7日(日)からしばらく、北海道へサバイバル登山に行っているそうで。

なお、竹内氏は母校の立正大学でも今年の開校140周年記念の公開講座として講演を来月に2回行なうことが決まったが、そのどちらかに僕もいち卒業生としてぜひ聴きに行きたいなあ。

労働者派遣法の改正法が施行されちゃった

2012-10-01 12:30:36 | 普段の生活(日常)
そういえば、今日からの労働者派遣法改正法の施行、僕の普段の食い扶持にも多大な影響があるんだよなあ。

厚生労働省のウェブサイトも一応覗いてはいるし、この法改正や「日々紹介」について検索すると批判的な意見が散見されるが、僕も同様にホントに「保護」されるのかとか納得いかない面が多々ありつつも、もう変わってしまったからには上手く合わせて対応してゆくしかないけどねえ。

こういう働き方をしたことのない霞が関の役人たちも、このカタチで一度働いてみればいいのに。そうしたら安い(以前の「派遣」的な)労働の現場の現実がよくわかるから。