思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

文学フリマで痛感した秋葉原の壁

2007-11-12 00:30:31 | その他趣味
昨日の日中は2週間前と2日前に告知してきた「第六回文学フリマ」に、屋号もといサークル名は「人力旅人の旅文学」と設定して出店してきた。

で、まず結果を正直に挙げておくと、11~16時の開催時間中に拙著『沖縄人力紀行』(彩図社刊)が13時すぎに1部売れたのみで、売り上げもそのぶんの1000円という、非常に厳しい結果となった。今春に出店した不忍ブックストリート・一箱古本市で7000円以上売り上げたのとは対照的な結果となった。

売れなかった原因というか言い訳はいろいろあるが、最大のそれはこの催しはやはり秋葉原らしい? 文化系の出版物ばかりで、どちらかと言うと体育会系のノリの出版物を集めた拙店はその雰囲気に馴染まなかったということか。まあ厳しい結果になりそうなことはある程度覚悟していたが、出店料の3000円という元は取れるのではないかと踏んでいたため、収支面では思いっきりマイナスになり、久々に凹んだ。今回の出店申し込みから計算した赤字額は交通費を含めて3040円となった。

でも、拙店を訪れた方々には拙著と併せて準備した委託販売4点にも興味を抱いてもらったり、今回のために用意した拙著の紹介・取材記事のコピーをいくらか配ったりはできたので、「人力」の旅の啓蒙はそこそこできたと思う。「人力ってなんのことですか?」と数人の女性客に訊かれたりして、それに答えてああなるほど、と納得していただけたりというやりとりが少々でもできただけ、一応は出店した甲斐はあったかな。

ちなみに、売れはしなかったが来客のなかで僕が出品した5点の出版物を手にとっていただいた方を男女別に見ると、だいたい1:3くらいだった。全体の客層は男女半々くらいだったが、女性のほうが健康志向が強いからなのだろうか?

5時間販売しながらほかの出店の様子を見渡すとどこも盛況で、どうやら昨年よりも来客は多かったらしい。さすがに東京ビッグサイトで毎年夏・冬開催のコミックマーケットほどではないが、11時前から入場待ちで並んでいた来客も数十人いたくらいに事前予想よりも来客は多くて、ちょっと驚いた。

本ブログでも今回出店することは2回告知しているため、最近は1日平均50~60人訪れる読者のうちの東京近郊在住の方や旧知の友人知人や野宿仲間がちょこっとは来てくれるかなあと密かに期待していたがそんなことはなく、午後に唯一冷やかしに来たのは最近特によく一緒に遊んでいる野宿仲間でミニコミ誌『野宿野郎』のかとうちあき編集長だった。
彼女、『野宿野郎』本誌やウェブログではいつものらくらしていてちゃらんぽらんな印象が目立つが、そんな適当さ加減とは裏腹に意外と律儀な面があり、普段から(特に出版関連の事象で)お世話したりされたりしているつながりがあって今回も差し入れをいただいたりした。まあほかのブースを巡るという目的もあったようだが、差し入れもそうだが事前の予告どおりに来場したりと結構細かい気配りができて、なかなかやるひとなのよね。実は今回僕が出店するにあたって、昨年の経験者として助言もいくつかいただいていた。

ちなみに、僕が今回の文学フリマに出店するに至ったきっかけも元を正すと、昨年の第五回に『野宿野郎』編集部が出店していた様子を参考にしたからで、こうして拙著を微力ながらも世に広めるきっかけを新たにひとつ得ることができたのはかとう編集長の力が大きい。というわけで、編集長には感謝している。頭が上がらない。たぶん。まあそういうことにしておこう。

実際に出店した結果は散々だったが、来年からこの催しはは年2回開催になるとのことで(次回は2008年5月11日)、手売りする機会が増える今後も出店を検討しようかね。でも拙著のように1部あたりの単価が1000円以上と高くなると苦戦を強いられそうだ。何か対策を考えないと。人力旅に関する安価な冊子でも新たに作ろうかな、なんてことも夢想したりする。



文学フリマの会場入口。各店の搬入および開始時間前の天気は曇りで、降雨も心配される微妙な空模様だったが客足はなかなか良かったようだ。



11時の開始15分前の1階の売り場の様子を2階とをつなぐ階段から偵察。不忍ブックストリート・一箱古本市と同様に、出店されるみなさんはPOPや看板などの店の装飾にそれぞれ力が入っていた。まあカネがかかっている一応は「商売」だから、そりゃあ力は入るよな。またもや僕の店は何も装飾しない無骨な感じで臨んだ。



で、出店開始から3時間ほど経過した14時頃の僕。なぜかはよくわからないが来客の多い・少ないの波が数分おきに訪れていて、このときは少ないほうだった。見るだけでも、資料を配るだけでもいいからお客さん来ないかな~、とバカ面で待ちぼうける。またの機会があれば、こんなふうに椅子にずっと座り続けることがない時間を減らせるように、接客できるようにいろいろ工夫しないとね、とちょっと反省。
(撮影:『野宿野郎』かとうちあき編集長)


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2 コメント

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Unknown (アフロあきら)
2007-11-13 23:03:54
昨年は野宿野郎のブースに行きました。懐かしい。

さて、ぼくもあらゆるジャンルの職業を点々として、そのなかでも当然販売や接客業も経験したことがあるので、もっと売れるための基本的なコツを書いてみましょうか。
まず一つは、笑顔で迎えることですな。
座ってるときでも、つらいことがあってもみんなの前にいる以上は明るく楽しそうな表情をつくる。人力系のスタイルなら、健康的でさりげない自然な爽やかさがベターです。

あと、お客さんに対するサービスですな。たとえば何か本を買ったら似顔絵やイラスト、短歌や俳句、一発ギャグEtcを描いてあげる、など。もちろんヘタクソでもなんでもいいから、何かココロに染むような付加価値をつける。お客さんのほうからも、また買いたいな、と思わせるような雰囲気を作る。

ここで大事なのは、お客さんはもとい、売り手の自分も両方楽しめる、両方ハッピーになれるサービスとユーモアを考えることです。
・・・と、まるでビジネス書みたいな内容になりましたが(笑)次回の売上向上に期待します。
それは基本として (わたる)
2007-11-15 01:28:17
先日はかなりお疲れさまでした。

出店中にお客さんを迎え入れるにあたって携帯電話でメールをやっているとか、メシやら菓子やらをしょっちゅう食べているとか、ニンテンドーDSで遊んでいるとかいう出店者もなかにはいて、それは商売するときの接客態度としてはどうなんだろう? と疑問に感じた光景もちらほらありましたんで、自分はそういうことはないように気を付けました。まあ当たり前のことですが。

売れる売れない以前に、出店一覧を見てもらえるとわかると思うのですがやはり秋葉原という土地柄、旅モノというのは文学からちょっと外れているかな、出店場所を間違えちゃったのかな、と思い、まず足を止める来客があまり多くなかったんですよね。

声をかけたりおまけを用意したりしてもお客さんが来ない、売れない、というのは出店場所・分野自体が厳しい、ということは5時間座っていて痛感しました。

次回出店はいつになるかはわかりませんが、まあもし出店したさいはあの手この手で当然ながらベストを尽くすつもりです。

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