思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

「富士吉田火祭りロードレース」に出走してきた

2007-08-26 23:00:35 | スポーツ
今日、山梨県富士吉田市で開催された、正確には「第27回山日YBS富士吉田火祭りロードレース」に出走し、“走り屋デビュー”してきた。距離は20km、10km、5kmと設定されていたうちの10kmの部。

なんでいきなりロードレースかというと、僕としてはいきなりではなく、数年前から健康維持や「人力」の旅の今後の可能性を模索するなかで長距離走にも当然興味はあり、大小いくつかのマラソン・ロードレース大会を観に行ったり、いろいろな大会の情報を調べてはいた。最近は走り系月刊誌『ランナーズ』を毎月熱心に読むようにもなった。
でも実際に申し込むきっかけがなく、これじゃあいかんよな、とずっと棚上げしていたところに今年に入ってから、本ブログでも度々触れている野宿仲間が最近のマラソンやロードレース大会にも力を入れていて(特にフルマラソンとかウルトラマラソンとかいうとんでもないやつに)、その影響も受けて今回、僕もとりあえずは何か目標を持って取り組んだほうがいいよな、ということで今回初めて大きな大会に紛れ込むことにした。で、レースは近場の開催であればどこでもよかったが、6月下旬に観に行った千葉県富里市のスイカロードレースで今回の大会の案内が配られていて、このコースの一部は冬富士登山の帰りに数回歩いたことがあって土地勘がある、参加賞としてTシャツがもらえる、富士吉田名物のうどんが無料で食べられる、の3点が参加の決め手となった。

昨夜に家を出て、JR大月駅で駅寝して(大月駅では富士山に行くときなどにいつも寝慣れている定位置がある。場所は秘密)、今朝に富士急行の始発で富士吉田駅に行き、そこから無料の送迎マイクロバスに乗って会場の富士北麓公園には10時10分のスタート約2時間前に着いた。
8時45分からの開会式も見届け、準備はスタート1時間前から始めた。ただ、今月は東北に行ったりしていたために練習する時間があまりなく、まともな練習も7月に一度だけ10kmを試走したくらいで、スタート地点に立つまでは、その東北旅で靴下の選択を誤って靴ずれによるマメが両足に計6か所できて完治していないし、さらに今日は気温28度くらいと暑かったし、コース中の標高差も100mあったし、と不安だらけだった。
富士吉田は標高が700~800mと高めなので僕の地元などよりはひんやりしているが、晴れると直射日光は厳しく、帽子が必須であった。参加者の過半数は帽子を被っていたかな。

でも、今年の火祭りロードは全体で約4300人の参加があるなかで実際に走り出すと意外と調子は良く、コース前半のほとんどは未舗装路の登りだったのだが、足が止まることも歩くこともなくなんとか走行で乗りきった。走りながらなんでだろう? と考えると、最近の野宿仲間との登山などのいろいろな催しでやや無茶に身体を動かしているからなのかもしれない、ということを振り返る余裕もあった。

それから、今までマラソンを観ていて個々の選手が集団になって走るのを不思議に思っていたのだが、ひとり旅よりは誰かのあとにピタッとくっついて行くと風徐けの効果もあるけどそれとともに他者と自分のペースを比較しながら確認できて随分走りやすいのね、ということにも気付き、今回初めて集団走行を体験してまさに目からウロコであった。今後はマラソンの見方が変わるかも。

5kmを過ぎると今度は下り一辺倒になり、中の茶屋あたりからは見慣れた、ややひび割れの激しい曲がりくねった細い舗装路ののちに2車線の広い道路になる。でもこのへんは交通規制はしておらず、ふつうにクルマや大型観光バスがランナーに一応気遣いながらも往来し、これでいいのか? と思いながらも調子に乗って下り続けた。
下りではなぜか背筋が痛くなったが呼吸や故障の多い膝・足首は問題なく、体重85kg前後の肥満体にしてはなかなかイケてるんじゃないの? と少々うぬぼれていたら、やや平坦になった8km地点からはそれまでのツケがまわってきて見事にへばり、ゴールまではぐずぐずであった。
そんなとき、沿道からの見知らぬ人からの声援には助かった。知り合い以外の人でも声を出してくれると結構頑張れるもんなんだね、とひとつ勉強になった。僕も今後は大会を見物するときは何か言ってみよう。

そしてゴールして、1時間後に貼り出された結果を見ると、1時間11分19秒であった。予想よりは良い結果で僕としては初陣にしては満足だが、走行中にいつものようにデジカメで撮影しまくったこともあって、それをやらなければさらに2分くらいは縮められたかも、とも思った。この撮影しまくり行為は真剣なランナーになりきれていない、“報告者”の悲しい性なのよね。
ちなみに、僕が登録した「10km男子16~35才」の枠では1位の記録は32分19秒であった。凄いね。で、僕は272人中257位だった。記録と順位はまあよい。出走することに意義があるのだ。

午前中に意外とあっさりレースが終わると、あとは水分を3リットル以上摂ったり(今年最高の発汗量であった)、うどんを食べたり、出店を冷やかしたり、道具類の店ではもっと良い靴や靴下を買おうかなと皮算用したりして、14時前まで大会の雰囲気を楽しんだ。ひとりで来ても楽しかったのだから、複数人で参加すればやはりもっと楽しいはずだよな。

富士吉田駅に一旦戻ってから、「道の駅富士吉田」に行き(ここは3か月前にも洞窟探検と富士登山の前に立ち寄っている)、このそばにある富士山レーダードーム館にも行った。実は大会参加のもうひとつの特典として、昨年から気になっていたここの特別招待券がもらえる、というのもあり、普段の入場料600円が浮いたりもした。
ただ、内部は富士山測候所時代の気象観測の様子をきっちり再現してはいるが、やはりお子様向けの展示が多く、今回無料で良かった、という感じであった。僕的に嬉しかったのは、測候所にも勤めていた新田次郎に関する展示で、直木賞受賞作の『強力伝』の初版本、『富士山頂』の直筆原稿、彼が使っていたカメラやピッケル、のような貴重なものがあった。見所はそれくらいかな。

そのあと、毎年この時期に富士吉田で催される肝心の「火祭り」にも体力的に余裕があれば行こうかとも思ったが、走ったあとによく出る股関節の痛みがひどく、見物は見送った。今年の夏祭り見物は先の青森ねぶただけで腹一杯でもあるし。
火祭りも数年前から気になっていたので、来年以降のまたの機会にじっくり観に行くことにしよう。
なんせ、階段の登り降りに通常の3倍くらいの時間がかかるくらいに下半身全体が痛いから(筋肉痛とはちょっと違う)。これを改善しないと、今後のより大きな目標(もっと長距離)に立ち向かって行けないので、善処したい。

そんなこんなで、元来の徒歩ダーからより運動強度のある“走り屋”にまで手を染めての初陣は結構楽しめた。「人力」の可能性を突き詰めるうえでの次の目標はどこの大会に定めようかな。すでにその候補はいくつか挙げてある。



富士北麓公園の会場。朝方にまだ雲が上がってきていなければこんな感じで南方に富士山の山頂部が見える。実はこの公園は高校時代に一度だけ星空を観に来たことがあり、14年ぶりの再訪だったりした。



最近のマラソン・ロードレースではすっかりお馴染みの記録計測用のRCチップ(黒色)を装着するのも今回が初めてであった。
ちなみにこの汚い靴は、2年前からアルバイトなどで普段使いしている靴で、靴底もかなり磨り減っている。やはりマジメに走るには走り専用の靴を用意するべきなのだろうが、経済的に依然厳しいしなあ。一応、買い替える場合の候補もいくつか決めてある(もちろん国内メーカーのアシックスかミズノのやつ)。そうなると走り用の1足1000円以上する靴下も欲しくなる。



筋肉疲労に効くサロメチールのお試しコーナーもあった。これ、運動後だけでなく運動前に塗っても良いらしく、僕も走る前にふくらはぎが張り気味だったので試してみたら、たしかに効果てきめんであった。



開会式のあとにはこのような準備体操もあり、参加されるみなさんは結構マジメに取り組んでいた。



最初にスタートする20kmコースのスタート3秒前くらい。中央にいるのは今回のゲストランナーの谷川真理。このスタート間際の緊張感を観るのも好き。



10、20kmコース序盤の未舗装路。全体で約3kmはあったか。小石や砂利や土の凹みが多くて足運びに少々神経を使うが、森林のなかを走るために陽射しもやわらいで意外と気持ち良い。まあそれでもここは登りだったので発汗量は尋常ではなかったが。
それにしても、先頭集団はこんなところがあってもものともせずに疾走して、10kmでは32分台、20kmでは1時間6分台とかいう記録を出すのね。凄いね。



10kmコースの5km手前の折り返し地点付近。やはり舗装路のほうが飛ばせるので、ここいらへんではみんな速い。複数人で参加している人たちはこのすれ違いざまに仲間内で声を掛け合ったりしている様子も微笑ましい。



7km地点前後の長い下り。このように交通規制がないのでクルマが多い。それに気を取られると道路脇の側溝に落ちそうにもなるため、うーむ、と困惑した。このあたりも1時間だけでもいいから規制できないもんかね。
あと、給水所3か所はまあよいのだが、距離表示は僕の記憶では5、7、8km地点にしかなかったように思う。千葉県富里市のスイカロードレースの1kmごとの表示まで細かくはなくても、特にコース前半のほうでもっとあってもよいのではないかとも思った。



ゴール後、20kmコースの参加者もそこそこ帰還する正午頃にはこのように陸上競技場の外に並んでいた出店周辺は1日のうちで最も活気づく。写真右側のテントがうどんコーナー。この時間になるとどうしても腹が減るので、ついつい出店に吸い寄せられてしまう。



で、肝心のうどん。参加者には受付時にもらうパンフレットに引換券が1枚入っていて、それと交換すれば1杯だけ無料で食べられる。1杯200円で販売もしていた。今度、富士吉田市内に30店だか40店だかあるらしいうどん店を歩いて巡る、「食べ歩きうどん」もやりたいなあ。それと、今後の小麦の輸入・販売価格上昇の影響も気になる。


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