第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

YouTubeに査読Medical 部門を作れば論文化!?ーミレニアル世代に黙って座学90分はキツイー

2019-12-05 08:44:41 | 総合診療

みなまさま こんにちわ

最近は、戦友であり、同志である平島先生のYoutuber化を見ていて、非常に勉強になるし、自分も潜在意識レベルで確信していたけど言語化できていなかった内容をキレよく無料で伝えているのを見て、時代は完全に代わり、黙って読書している、机の上に座っているのはアラフォーの自分でも厳しいと感じるようになりました。(なんか興味があることだけを調べて勉強することはやはり学習効率が違いますね、VideoとAudioの活用も有用だと思われます)。確信として、今やYouTuberから学ぶミレニアル世代に講義の座学90分は厳しいでしょう。医師でもYoutubeで情報を発信する人が非常に増えてきているのは、みなさんそういうことを感じ取ってからの未来を見据えたアクションであるように感じます。

さて、気になる記事を見つけました。1)

医者は教科書からではなくYoutubeから処置やOpeの勉強を行うように変化した!だけど情報の質は誰が・・?

Doctors are turning to YouTube to learn how to do surgical procedures, but there’s no quality control


というタイトルでなんとも衝撃的!と思いきや、自分でもYoutubeをみて勉強することが多いのでわかります。

処置や手技はどうしてもVideoの方がわかりやすいのです。

  • Tens of thousands of surgery-related videos are on YouTube, and the number keeps climbing every year.
  • Some doctors say that medical students and residents rely on YouTube to fill in gaps in their training.
  • For that reason, some medical experts are calling for better vetting and curation of the content.
うちの大学では医学部長を中心にProcedure consultというものを採用していますが、実は僕は気づいていましてそういうものを高額で採用しなくても学習意欲がある人は英語でYouTubeで検索すればかなり出てきます。勉強になります。
 

しかし問題は、ここ【情報の質が吟味されていない】というところがあり、信頼できる情報であるかどうかを見分けるMedical literacyが重要であると問われています。これは、例えばEvidenceの有無を考慮せず風邪にはついでに抗菌薬を出しておけば良い的なことがずっと慣習として継続してきたように、我々の行う医療を疑うことなく、製薬会社さんの発表や、誰かの偉い先生の論文や教科書を「そうなんだ〜」と鵜呑みにしてしまう傾向があると、尚更情報の取捨選択が難しいと思われます。

Youtubeにも少なくとも人体に危害になる可能性があるものは、キュレーターという情報を集めて吟味してまとめる専門家や、Peer Reviewする人も必要になるのかもしれません。騙された人が悪いのか、騙す方が悪いのか、悪気がなくて結果的にNegative impactを持ってしまうこともあるでしょう。

そうなってしまうと僕が考えるのは、Youtubeと論文検索エンジンとの垣根が乏しくなってくることです。

Peer reviewが入るなどすればもはや、International Jounarnalと同じレベルにまで発展する可能性があると思います。わかりやすいですし、面白いですね。NEJMでの数分間でのサマリーをビデオで配信していますが、あれくらい分かりやすいと・・もう論文読むのも適当になります(本当はいかんけど・・)

YouTubeに関しては書籍的には、実際の再生回数の約90%は、YouTube上の1%の動画に集中しているらしく。同じく実際の視聴時間の90%以上は、やはりYouTube上の1%の動画に偏っているというデータです。たった1%のみが閲覧してもらえる。

つまりYouTubeにアップされている99%の動画は、再生されることも視聴されることもなく終わってしまっていることが多いわけです。その費用対効果をどのように考えるか。

でも読まれない論文と考えると、YouTubeはPubmedと似ているなぁと感じます。

広告機能がそこまで無いPubmedやGoogle Scholarはそこまでひどくないにしてもおそらく同じ傾向があるのではないかと思います、信じたくはありませんが・・苦笑。読まれない研究結果は、読まれない。YouTubeと同じですね。

それでも、平島先生が行なっているようなマニアな自分が欲するマニアな領域の学習動画も多々転がっていて、たとえ視聴が少なかろうがクオリティーが高いものはやはり拝聴したいです。巨人の肩の上から景色を見て作成したものを、誰かが読んでくれて、さらにその上を行く内容に次世代にして引き継いでもらう。

なんともドラゴンボールZの悟空→悟飯→悟天への連携のようでワクワク感があります。悟天なんかは、悟空のおかげ??で、すぐにスーパーサイヤ人になることができるわけです。それも先行研究のおかげで成り立つ我々の研究もそうなります(そういう意味で感謝とリスペクトです)。

 

1) Doctors are turning to YouTube to learn how to do surgical procedures, but there’s no quality control

https://www.cnbc.com/2019/11/24/doctors-are-watching-surgical-procedures-on-youtube.html?fbclid=IwAR1vTjD5bNaeTz98EN2771C2yt16jRZaeBkAoQioH85nDxQNUZkeFOcOxuk

 

石見銀山遺跡にある銀の精錬工場跡地  島根