第四部 Generalist in ミシガン大学編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、Harvard MHQSを経て 現在ミシガンで奮闘中

忙しいから学生の指導ができない!? 1分間指導のススメ

2019-10-28 18:22:42 | 総合診療

みなさまこんにちわ。

今日は医学部長とO先生と三人でBrain stormingをしました。やはり、一人一人の意識改革なくして、本当に医学生が求める臨床教育と忙しい現場でのポリクリでの教育(見学主体)とは乖離が出てしまうように思います。一つは臨床で日夜頑張りつつ収益を上げ、研究でも結果を出し続ける必要がある多忙な日本の医学部教員と教員のマンパワーがある米国などとの絶対的違いはあるかもしれませんが、【教育理論を振りかざすのではなく背中で語りながら実践し続ける】臨床教育家が大学には必要であると思います。その為にはやはりちゃんとした臨床力があることがまず前提かもしれません。(ちゃんとしたというのはGlobal standard でUPTODATE、Dyanamedeに少なくとも順次してその我が国との細かい違いが理解できたり、診断学を理解している程度のことでOKです)

とはいえ、各講座にそのようなHyper activeな人たちを揃えるのも難しく、本音では教育をする時間はもったいなく研究に時間をさきたい人も多いでしょうから、役割分担が重要かと思います。やはり教育機関として重要な教育に頑張る各診療科のエース達にはIncentiveを与える必要があるでしょう。

さて、色々な指導医に今の若い子達にどのように教えたら良いかと相談を受けることもチラホラ。

指導医講習会などでは、下記のように教えられており、島根県の誇るAll しまねの指導医講習会でもカード配布して胸ポケに入れてもらっています。

 

■臨床教育1分間指導法(Six Micro-Skills for Clinical Teaching)

1. Get a commitment(研修医の考えを聞く)「先生はどう考えるの?」

2. Probe for supporting evidence(研修医から根拠を聴く)「なぜそう考えたのかな?」

3. Teach general rules(一般論を示す)「ここで大事なことは・・・」

4. Reinforce what was done right(できたことをほめる)「特に、・・・は良かったね」

5. Correct mistakes(間違いを正す)「今度は・・・しようね」

6. Identify next learning steps(さらなる学習を勧める)「もっと勉強するとしたら・・・」

 

学生を指導するということは実は内視鏡のトレーニングを行うと同じように意識を持ってトレーニングする必要があると考えます、もちろん元とも才能的なものがあって、ノンテクニカルスキルが発達している人もいますが、スキルである以上は磨くことができるわけです。

また以外と認知されていませんが、我々医師は基本原則として「上の指導医から習ったように下に教える傾向」があります。

 

PubMedでもGoogle Scholarでもこれだけ論文や山ほどあるわけで、今の時代EBMに沿ってない変な治療をしたらフルボッコにあうわけですが、

こと教育はEvidence Based Educationに沿ってないことをやっても、なんとなくオレ流のやり方だから文句いうな的な雰囲気は許容されるのです。

教育とはやはり難しいものでEvidenceのみでも語れず、その学生の一人一人の興味やモチベーションや能力を瞬時に察知して

課題や学びの過程を調整しないと成長しにくくなるのも事実ですので、毎回毎回悩みの連続です。

 

ともあれ、いそがし医療現場でも短い時間で効率的な臨床教育は工夫すればできます。大事なことは、工夫しようと思うか、忙しいと諦めるか?の差が大きな分かれ道になっているような気がします。今日はこの辺りで。

 

 

 

なんか写真撮影をいっぱいしてもらいました。

 

 


やりたいこと、やれること、やらなければならないことの中央突破

2019-10-07 23:01:32 | 総合診療

みなさまこんにちわ。

気がづけば、一ヶ月全く更新しておりませんでした!!今日は久々に有給をとり、家族とウナギを食べにいったのと、出雲を目的を作らずぶらぶらしました。

ちょうど良い機会なので、振り返ってメタ認知で自分を省察しております。

5、6日は適々斎とという最も恐ろしい(話し手は憧れの指導医ばかり、聴衆のレベルが高く下手なことするとやられる!?笑、ニーズも高い)ところでお話する機会をいただき、10日は今までお断りしてきましたが、人生で初めて(恐怖です)製薬会社さん主催での講演の機会を広島でいただき、13日は大阪で研修医に対してPhysical exam 秋季講座6時間耐久猛特訓があります。なるべくそれらは楽しむようにはしております。やはりアウトプット前提でインプットするときの集中力はかなり学習効率を高めると思います。

依頼原稿なども真面目に丁寧に対応するとそれだけで文献の読み込みから始めるので、そこそこ時間を消費されます。気がつけばHPもMPも黄色で点滅ということも多いわけですね。ベホマしてやはり重要なことは睡眠ですね。

さて、僕が思うに自分の学び方も10年前と大きく変わっていますので、ネットやFBなどに落ちている情報に振り回されないようにしてますが、このままで自分は本当に成長しているのだろうか??島根でやるべきことは何なのだろうか?俯瞰的に模索しています。

例えば、高速道路に乗っていると周囲の景色を見て感じることが難しいように、おそらく自分が当初掲げた志や情熱を捧げるべき仕事は見えにくくなってきており、多忙であることが理由で振り返る機会がありませんでしたので今日はとても良い休息になりました。

本来自分が勉強して成長すべきこと(やりたいこと)と、若いメンティーたちには自分を超える存在に最短でなってもらえるようにメンタリングをすることなど、重要なことは意識して最優先するようにしなければならないなぁと感じます。緊急ではないのでどうしても自分のことは後回しになり数年はあっという間でした。お節介して、いつの間にか時間がすぎる性格なのかもしれません・・・。

あと40年くらい生きることができたとして、優先すべきことはおそらく自分以外の人がやるべきことにいたずらにお手伝いや介入をすることではなく、自分の24時間のギリギリを緊急では全くないけど極めて重要なことや、Want・Can・Mustのベン図の中心の一点集中を心がけることなのかなと感じます。

そ子で、今日は昔読んだ本を思い出して、3つの円を書いて瞑想して見ました。ここでは発表できないですが、僕はこの中央突破のみに絞り込む必要があると感じます。島根県全体のためにも、少しだけトライして見ようかなと。。

僕はこのベン図はとてもよかったので、みなさまもぜひ3分でいいので、振り返ると意外と良い気づきがあるのではないかと思います。みなさまに幸あれ!

 

 

Wantと自分の行いたい深い学びをもっとしなければならないなぁと感じます。

憧れの山中先生のフィジカルを見えるようにその場でカメラで写しています。適々斎は参加者の情熱と講師陣の情熱がぶつかりある良い会であるなぁと、毎回思います。