10月16日(土)に今帰仁グスクで行われた
「現代版組踊絵巻 北山の風 今帰仁城風雲録」
を見に行ってきました☆
先週の、勝連城跡での「東儀秀樹×古澤巌」コンサートに始まり、
「肝高の阿麻和利」2デイズ、
座喜味城跡での「花織の宴」
そして今回の今帰仁グスクでの「北山の風」
世界遺産のグスクでの野外公演、
“世界の宝10周年記念大祝賀祭 城ロマン連続公演プロジェクト”も、
この今帰仁グスクでひとまず終了。
初日のコンサートこぞ小雨の降りしきる中…でしたが、
現代版組踊の公演4日間は全てお天気に守られ無事に公演終了。
その全ての公演を見ることができて、
平田舞台ファンとして、
そして琉球歴女として、
本当に幸せです
いまじん太鼓の演舞。
では、城ロマン連続講演プロジェクト、
最終公演「北山の風 今帰仁城風雲録」のレビューです
まず、簡単なストーリー紹介。
琉球戦国時代とも琉球三国志ともいえる「三山」の時代。
(14世紀~15世紀初頭)
北部一帯を治めていた北山王が拠点としていた今帰仁グスク。
その今帰仁グスクの最後の城主、「攀安知(はんあんち)」と、
側近「本部平原(もとぶていはら)」、
攀安知王の遺児「千代松」の話。
琉球統一の夢に向かい、北山を攻める尚巴志率いる「中山軍」、
その時、今帰仁グスクでは……。
昨日の記事でも書きましたが、
攀安知がメインと思いきや、本部平原がメインでした。
この話は、終戦直後の昭和21年、
当時今帰仁小学校の教頭先生だった新城紀秀先生が脚本を書き、
学芸会などで指導してきた史劇だそうです。
その再演を願い、教え子達(と言っても60代、70代の方々!)が
平田さんに依頼をし、そしてアレンジも加えながら今回の舞台となったそうです。
新城先生は今年で御年92歳!
会場にも来られ、最後には挨拶もしてくださっていました!
65年の時を経ての今回の舞台、だったのです。
そのような歴史と、たくさんの人たちの想いが引き継がれた
大事な大事な舞台。
やっぱり一味違いました。
攀安知。中山軍に攻められ本部の裏切りを知る。
*様々な客層*
入場無料ということもあってか(!?)
客席エリアは後ろも横もお客さんでびっしり!!!
しかも、沖縄人らしく、開演直前なってから急激に増えだしました(笑)
事前に並んだり早めに来たり…
という人たちは県外からの熱心なリピーターと、
ワタシみたいな人だけ…だったかも?
客層も、一家総出という感じで小さな子供からおじいさん、おばあさんまで、
ござを広げておにぎり片手に…。
他の舞台では見ないようなまさに地域のお祭りのような光景でした。
たぶん、平田舞台はこれが初めてっていう地域の人や、
地元の子供達で構成される今帰仁チーム(今帰仁中、北山高校)の家族・親戚、
友達や先生たちなどなど、大挙してやってきたんでしょうね
なんか…「村感」があって、いいなぁって思いました。
総踊り。左から、本部平原、攀安知、千代松。
*古典(?)や琉舞満載*
エイサーはもちろん、
「谷茶前」、「スーリ東節」「今帰仁天底節」など(※チラシ参考)、
平田舞台のおなじみの曲、演舞と同じくらい、
古典音楽や琉舞が見られました。
特に印象的だったのは、
攀安知が死に行く場面。
わが子に別れを告げ、後ろを振りむき去ってゆく。
そのときに流れた、ゆったりとした古典音楽!!
うっわ~~~~~~……。
トリハダトリハダ…。
そのまま、場面暗転となりましたが、
すごく印象的でした。
まさか、この緊迫した場面で古典で来るとは…。
沖縄の代表的な琉舞「谷茶前(たんちゃめー)」
*北山戦での空手演舞*
実は、今回の舞台で1番期待していたのがコレでした。
4月のシュガー尚巴志公演で、かなりツボった北山戦での空手演舞。
東京公演ではカットされていて涙をのみ、
是非、復活させてほしい!!また見たい!!!!
と思っていた演出の1つ。
キターーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
※18:40修正&追記※
なんか、いろいろと謎が解けました…。
とにかく、音楽も空手もかっこいいです!!!
やっぱり、やっぱり、やっぱりかっこよかったです!!!!
今回は人数は少なめでしたが、
これを倍の人数でやられたら迫力倍増ですよ。
やっぱり、11月の尚巴志公演でも入れてほしい演舞です。
もう、コレを見れただけでも…満足…
蛇足
これって、(尚巴志の舞台では)中山軍が攻める戦いの場面の一演出なんだけど、
左三つ巴の旗(肝高の阿麻和利にあるヤツ)を持った人の棒術が空手の背景にあってもいいかも…。
(空手+棒術 …うるさいかな?)
そしたら、「攻めてる中山軍」ってより分かりやすくなるかなーって思った。
まぁ、シュガー尚巴志では先頭に尚巴志や護佐丸たちがいたから、
演者で「中山軍」って分かりはするんですけどね。
謝名大主。攀安知の遺児を託される。
*グスクのライトアップ効果*
毎年開催されている今帰仁グスク桜まつり。
そのときにはグスクのライトアップも行われています。
そのライトの色まんちゃーぶりに
ちょっと引いてたんですが
その設備が今公演ではよく生きていました!(笑)
背後のグスクを照らすライト。
青、赤、白…様々な色で表情を変えるグスクが
とても効果的でした
*あれ…っ?アカインコ&オモロコンビ?*
今帰仁グスクの怠け者の門番2人「うしー」と「うまー」(笑)
コミカルな演技が笑いを誘っていました。
…あれっ、
これって尚巴志東京公演でのアカインコ+オモロの子たちか?
(アカインコ君は確かですね。オモロは…違ってたらゴメン…)
※追記※↑オモロ君ではないようです。失礼しました…
どちらにせよ、
2人の掛け合いが、アカインコ&オモロを髣髴とさせました(笑)
それにしてもアカインコ君(…役のT君)、コミカルだな~(笑)
国頭サバクイ踊ってるときもコミカルだったよ~。
(そのまま、「うしー」と「うまー」のキャラで演じてたからかな?)
彼が今度、尚巴志役ですから、
どんな尚巴志になるのか楽しみです。
まさか、コミカルな尚巴志ってことは…(笑)…あるのか!?(笑)( ´艸`)ぷぷっ
良心の呵責に悩み続ける本部平原。
*人間味のある攀安知・本部平原*
「花織の宴」では肝高の阿麻和利のスピンオフ的な話が堪能できましたが、
今回は、「翔べ!尚巴志(鬼鷲)」のスピンオフ的な感じで
劇中台詞や演舞(三つ巴の舞とか)もちょこっとあったりしました。
で、尚巴志の舞台ではひたすらの悪役・攀安知そして本部。
鋭い目つきとダークな笑い声が魅力的
だったんですが、今回は一転。
“攀安知父ちゃん”が見れました。
よって衣装は全く同じだけれど、
まなざしや立ち振る舞いもやわらかく、
攀安知の違った面を見れました。
お・も・し・ろ・い。
役者さんも違ったしね。
っていうか、つい5日前まで
護佐丸だったでしょ!
大城賢勇だったでしょ!
尚巴志だったでしょ!
アカインコだったでしょ!
すごいな!!!(驚)
その間、学校とかも普通にあったでしょうに……。
ストーリーテーラーの“劇作家・平田大一”(笑)
*これってフィクション?*
公演紹介文に、
「王の遺児・千代松による敵討ち」とあったので、
敵討ち…?
誰を?
尚巴志?護佐丸?
と思ってましたが、なんと本部でした。
攀安知王の側近でありながら中山軍(尚巴志)に寝返り、
攀安知を裏切った本部。
激怒した攀安知と斬りあいになり、
両者果てる…
というのが尚巴志の舞台での流れであり、
「史実」(とされていること)であり、
ワタシもそのように受け取っていました、が。
今公演では、本部は生き残り、攀安知に変わって次の今帰仁城主に就任。
しかし、裏切ったという良心の呵責にさいなまれ続け…。
時は流れ、成長した攀安知の遺児「千代松」と運命的な出会い、
そして攀安知王墓前での再会。
尚巴志の舞台とはまったく違ったストーリー展開。
ほほうっ!?
これはどっから来た展開だ!?
ってことで、
調べました。
どうやら、攀安知王よりかなり前の時代にあった
一伝説(「北山騒動」)のようですね。
重臣・本部大主(本部平原とは別か)が謀反を起こし、
王は殺され、側室の乙樽は幼い松千代と共に逃亡。
成長した松千代(丘春)は兵を集め、本部大主を打ち今帰仁グスクを取り戻す。
いつの時代の話なのかははっきりとしていないそうですが、
14世紀前半ごろとか。
まぁ…尚巴志による北山討伐の頃とは時代が違いますね。
攀安知が死んで後の今帰仁城主は、
敢えて言うなら護佐丸だしな…(※今帰仁看守)
乙樽(うとぅだる)も、
「あれっ?確か北山王の妻か、神女じゃなかったっけ?」
って思ってたんだよねー。
(舞台では本部の妻でした)
でもこうやって、舞台をきっかけにその歴史を知りたくなる、調べてみたくなる、
そして舞台(フィクション)と史実と見比べてみる。
そしてまた興味や意識が広がっていく。
これってとっても面白い。
北山について、まだ全部は読んでないので
またしっかり読んでいきたいと思います。
成長した千代松。素性を隠した本部と出会うが…。
*霊石、千代金丸*
北山といえば…ワタシ的にコレ。
今帰仁グスクの御嶽にあったという霊石。
尚巴志に攻められ敗北を悟った攀安知が
この霊石を斬り叩き、自刃した。
そしてその時の刀、「千代金丸」。
中山軍に戦利品として持ち帰えられ、
尚家宝刀として今尚残る…。
この2つのエピソード…
あるかな?っておもったけど、
なかったです
そのうち、ちょこっとでも組み込んでくれると…
琉球歴女としてはツボですわ~
攀安知の墓前で再び出会う本部と千代松。仇を打つため刀を抜く。
この舞台は1月末の今帰仁グスク桜まつりのときにも
再演を予定している(5デイズ!?)のだそうです!!
それはまた楽しみですね!!
これからもどんどん進化していく舞台の予感です。
真冬…寒いだろうケド…頑張って行こうっと!!
ところで…
今公演、写真(一応)OKだった~!
そうと知ってればこの席取らなかったのに!
ちゃんとレンズ持ってきたのに!!(涙)
手持ちのカメラ(とレンズ)ではこの記事で載せた写真が精一杯
(舞台全体の引きの写真もあるけど…お客さんの頭がいっぱい写ってるので没)
くそ~
(All photo by RICOH CX1 …あっ、トップのグスクの写真だけデジイチ。)
*教訓*
地べたへのござ敷き席の時は、1番前か、後ろから立ってみるべし。
(前のお客さんたちの頭が……)
肝高の阿麻和利を除いた平田舞台は12回目。
観劇合計37回になりましたー。
(忘れないようにカウントしておこう…)
公演のたびごとに描いてる舞台レビュー。
少しでも意義がありましたら↑ぽちっとお願いします☆
励みになります(´∀`)
あの空手演舞の曲は「少林サッカー」のメインテーマですよ!
元々 この曲が大好きだったのですが、平田舞台で使われた時には 失神しそうな位興奮しました。
申し遅れましたが、私は 縁あって子供が平田さんの舞台に出ております、一保護者です。
和々さんの 深い洞察力に共感、感銘を受けてます。いつも楽しみにしてますよ
ここまで詳しく書いてくださり、ありがとうございます!!
尚巴志メンバーの中でも
和々さんの記事は、話題になってますよ!!
今回オレの役は
ご存知の通り、「うし~」でございます。。ありがとうございます笑
ちなみに、「うま~」の方は、オモロではないんですが、
「翔べ!尚巴志」では昼の部に「護佐丸」を演じます。。
つまり、うし~とうま~コンビは「翔べ!尚巴志」では「尚巴志と護佐丸」コンビになります笑
そしてそして、オモロ君はですね、
はんあんちの忘れ形見「千代松」役だったんです。。
おちゃらけキャラからあそこまでの変貌ぶりは、さすがの和々さんも気付きませんでした??笑
ありがとうございました!!
尚巴志メンバーの保護者の方なんですね!
わー、メンバーやOGのみならず、保護者の方まで…。
(以前、別の方からもコメントいただきましたが…)
暖かいお言葉、励みになります。
ありがとうございます
「少林サッカー」…あ、書いちゃいましたか…。
↑この日の夕方、ひょんなことから曲をつきとめたんですが、
(最初、少林少女?と思ってたんですよね…)
ああ、だからか…、というのも分かって(思い過ごしかもしれませんが)
ちょっと曖昧な文面にしておいたところでした
コンベン尚巴志でも見れるかな~
ごめんなさい、アカインコ役じゃないのにアカインコ君って言っちゃうワタシ…
いつもステキな舞台をありがとうございます!!
違う配役での別舞台、しかも連続公演、
みんな普段は普通の学生さんのはずなのに、そのパワーと変容ぶりにはホント、ほとほと驚かされます。
オモロ君、違ったんですか~
(記事内、訂正しておきました)
えー!千代松だったんですか!!それはキヅカナカッタ!!
(千代松、このコは誰?って気になってました…)
そうですか、11月公演では尚巴志&護佐丸なんですね
これはまた楽しみです
(護佐丸復活も嬉しい♪)
あと3週間弱ですね。
イエロースライムさんらしい、今までの尚巴志とはまた一味違った尚巴志を、楽しみにしています♪
季節の変わり目、体調に気をつけて頑張ってくださいね~
誤解を招くといけないので… 残念ながら尚巴志メンバーの保護者ではないです…
平田舞台は県内各地ありますので 自分の子は出てなくても、子供と一緒に あっち行き こっち行きしてます。
いつか 尚巴志の舞台も出られたらいいなぁと思ってます。
子供の気持ち次第ですが…
ですよね。
“平田ファミリー”も県内各地にたくさんいますものね。
失礼しました。
>子供と一緒に あっち行き こっち行き
わかります。
ワタシなんか、身内が誰もいないのにあっち行き こっち行きですもの(笑)
写真におさめられていいな~!!
どんなストーリーだったのかなあとすっごく気になっていました。沖縄の歴史のつながりが見えて、平田さんの舞台って面白いですね。
この脚本を書いた新城先生も、地元や沖縄を大切に思っていたんでしょうね。それにしても、琉球って本当に奥が深い!
阿麻和利が「島が小さいということは・・・」って言ってますが(いや、あくまで台本かもしれませんが)、すごすぎます。
(こちらへのコメント、お昼過ぎに一度書いたんですが、途中で電源が落ちてしまいだめになっていました~。お気づかいありがとうございます!)
だんだんと繋がって広がっていきますものね(^-^
日本本土にも面白い歴史がたくさんあると思いますが(私は幕末しか語れませんが;;)
琉球はまた日本とは違った独自の文化や特異な歴史があるので
比べてみたりすると面白いです♪
いろいろ読んでみたりしてるのですが…やっぱり古琉球の時代が1番面白いです…( ´艸`)
よっちさんももし良かったら小説「百十踏揚」(与並岳生著/新星出版)、読んで見てくださいね♪
だったんですか…(!)
千代松…
このコ何者?!と思いました。
確かな三線の技術。
静かで落ち着いた中から
熱い思いが伝わってくる存在感。
凛々しさの中に“王子”の風格がありました。
(自分にとっては)幻?のオモロ役でもあった
ということで… そうでしたか
この先の平田舞台での活躍が楽しみですね。
(後で気づいてびっくりこきました(笑))
千代松、良かったですよね♪
↑の写真でもかっこよく写ってますしネ(^^
おもろ君だとは本当に気付かなくてびっくりでした。
(おもろ+アカインココンビ、また見たいな♪)
今後の舞台でも何を演じてくれるのか楽しみです☆