日々是好日

今日も晴天なり。
どんな日でも、毎日は新鮮で最高にいい日だと思うことにしてます。
ご一緒に如何ですか?

詩の朗読

2019-02-25 09:39:25 | シニアライフ

朗読会の集いに参加しました。

いつも家内と一緒ですが、今回は私のみです。

この朗読会は毎月最後の日曜日の午後に開催されてます。

朗読会に加入する意思は無かったのですが、

ちょっとしたきっかけで参加するようになりました。

今回でまだ、3回目です。

人前で話すことが下手で、単独で朗読するのも気恥ずかしさが先行します。

それなのに、なぜ?

自分自身も疑問を感じてます。

50年前のことです。

「日本昔ばなし」全60巻を子供のために買い求めました。

子供に読み聞かせようと思って買い求めたはずですが

一度も朗読した記憶がありません。

そしてその30年後、

「あれを孫に、読み聞かせよう!」と

どこに保存してあるのか定かではありません。

捨てた記憶はありません。どこかにあるはずです。

孫たちからは絵本を読んでと、

お好みの絵本を持って、祖父の膝の上。

満願の笑顔で、受け止めて対応すれども

絵本の朗読になると、何故か不自然さが漂います。

活字が小さいからかなぁ?

それだけでは、無さそうです。

演技派女優市原悦子さんの

TBS系アニメ「まんが日本ばなし」が懐かしく思える。

あのイメージで、孫に絵本を読み聞かせたら

どんなに素敵なことだろう!

気持ちだけが先行している私の傍で、

家内が、透かさずバトンタッチ。

「私、あの市原悦子さんのような朗読をしてみたかったの、密かに思ってるの」

この家内に、金魚の糞のように付いて行った先が、この朗読会の集いでした。

作家城山三郎の著書「どうせあちらえは手ぶらで行く」で

天野忠の詩集「夫婦の肖像」が紹介されてました。

詩の鑑賞に興味を抱くものではありませんが

何故か、この詩を朗読して、その行間に漂う余韻が印象に残りました。

図書館から借りた本を読み終えた後、図書館に返還します。

とても気に入った詩でしたので、パソコンに書き写し保存しました。

「シニアライフを生き生きと歩む会」

年々年を重ねるシニア世代の交流仲間の会です。

「今、何してる?」

新たな挑戦が話題になります。

何事も上手下手は度外視して、やる気の云々が話題の中心です。

何時の日か、私の朗読会の事、話題になること間違いありません。

「だって、仲間内に黙っていられない性分ですから」

そして

「何か、お披露目して?」

その催促も、間違いありません。

そしたら、お応えしなければなりません。

「どうしましょう!」

ひとり自問自答している有様です。

パソコンに保存してある天野忠の詩集「夫婦の肖像」をアウトプット。

朗読会の集いに持参しました。

朗読会の集いでは、発表会に向けて会員独自の演目の演習があります。

私は、まだ3回。お好みの演目はどれか、選択の余地はありません。

そこで、相談です。

朗読会に加入して、交流仲間との話題で

お朗読のお披露目をする機会に遭遇することでしょう。

その時のためのオリジナルの演目に出会いました。

あの詩の紹介です。

どの様なところを留意して、朗読したらいいのか?

この詩の聞き手の客観的な立場での鑑賞を知りたい旨を語りました。

趣旨を理解した講師が、すぐ対応してくれました。

皆でその詩を朗読し合って、そして私が単独で朗読

そして、講師が即興の模範朗読。

いい勉強になりました。

そして、オリジナルの詩の朗読に自信が点りました。

・・・・・

『夫婦の肖像』

「結婚よりも私は『夫婦』が好きだ。とくにしずかな夫婦が好きだった。」

「ニシン蕎麦でも食べませんか と私は云った。

 ニシンは嫌いです と娘は答えた。そして私たちは結婚した。

 おお そして一番感動したのは いつも暗い部屋に私が帰ってくるころ

 ポッと電灯の点いていることだった。」

「夫婦はやっともとの二人になった。三十年前夢見たしずかな夫婦ができ上がった。

 久しぶり街に出て と私は云った。ニシン蕎麦でも喰ってこようか。

 ニシンは嫌いです と私の古い女房は答えた。」(しずかな数夫婦)

「ところで と陽気な顔になって 息子が云った。

 とろろで この夫婦 どっちが先に死ぬつもり・・・」

 じいさんは次の間で寝ていて 暗闇の中で眼を開けた。

「・・・・」

「おじいちゃんが先き、ちょっと後から私のつもり・・・」

「じいさんは遅い朝めしを食べた。おいしそうにお茶漬けを二杯食べた。」(つもり)

  天野忠の詩集(編集工房ノア)より