史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

由比

2017年11月11日 | 静岡県
(由比本陣公園)


由比本陣公園

 JR由比駅を出て、東へ二キロメートルの地点に由比本陣公園がある。ここが由比宿本陣跡である。駅からバスも通っているらしいが本数も少ないので、通常は「由比さくらえび通り」を歩いて往復することになる。所要時間は片道二十五分程度である。由比宿は、江戸から数えて十六番目の宿場で、本陣、脇本陣、問屋場各一、旅籠三十二という比較的小規模な宿場町であった。
 本陣は代々岩辺郷右衛門家がつとめた。岩辺家は鎌倉時代から続いた由比氏の系統といわれる。
 本陣は、石垣と木塀で囲まれた遮蔽形の本陣で、本陣館のほか土蔵、離れ座敷があった。惜しくもその多くは失われてしまったが、千三百坪(約四千三百平方メートル)の広大な敷地、馬の水飲み場の石垣など、往時の姿をとどめている。
 園内には、東海道広重美術館や明治天皇が宿泊した御幸亭(復元)や山岡鉄舟命名の庭園松榧園(しょうひえん)があるが、例によって私が訪れたのは開園前だったので、拝観することはできなかった。


加宿問屋場跡


脇本陣溫飩屋

 由比宿には脇本陣を交代でつとめた家が三軒あり、そのうち江戸後期から幕末に至るまで脇本陣を務めたのが溫飩屋(うんどんや)である。

(正雪紺屋)
 由比本陣公園の向いが、正雪紺屋である。江戸時代から四百年近く続くといわれる老舗である。慶安事件で有名な由比正雪の生家といわれ、「正雪紺屋」と屋号が付けられている。由比は正雪の出身地であるが、正雪の足跡は驚くほど残っていない。


正雪紺屋
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