明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(851)飯舘村の長谷川健一さん、映画『遺言』監督の豊田直巳さんと対談します!

2014年05月19日 23時00分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20140519 23:00)

昨日(18日)、集団自衛権行使・解釈改憲に反対する戦争反対スタンディングを京都市の三条大橋の上で行いました。
わずか3日間という緊急の呼びかけだったにも関わらず、70人もの方が参加してくださいました。

当日の行動の写真を僕のFacebookのページにアップしてあります。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10202800466231056&set=pcb.10202800469311133&type=1&theater
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10202800527472587&set=pcb.10202800531512688&type=1&theater

ご参加いただいたみなさん。ネットなどから応援してくださったみなさん。どうもありがとうございました。
こうした行動を粘り強く繰り返していきましょう!


さて今日は講演・対談のお知らせです。5月25日に大阪で飯舘村の長谷川健一さんとお話をします。ついで6月29日に映画『遺言~原発さえなければ』監督の豊田直巳さんとお話します。
映画『遺言』は、監督の豊田直巳さんと野田雅也さんが、福島原発事故直後に福島県を訪れ、飯舘村に入って以降、飯舘の人たちを撮りつづけて作成されてたものです。
総撮影時間250時間。飯舘の人々の800日を淡々と追って続け、それを3時間45分に詰め込んでいます。

映画の中心人物として登場しているのが酪農家の長谷川健一さん。飯舘村の酪農家仲間のみなさんがたくさん登場しています。
映画のタイトルにある「原発さえなければ」という言葉は、飯舘村の隣町の相馬市で酪農を営んでいて2011年6月10日に自ら命を絶たれた故菅野重清の遺されたものからとったもの。菅野さんは長谷川さんの友人でした。
映画ではもう1人、「一時帰宅」の時に自ら命を絶たれた方のことも描かれています。

この映画についてはすでに以下の記事でもご紹介しました。

明日に向けて(835)映画『遺言~原発さえなければ』を広めよう!支えよう!痛みを分け合い、怒りを共に!!
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/48c3e1a588b328471650fee5708de8fb

このとき同時に、豊田さんが発信していた、「映画『遺言』の募金サイトへのご協力を」という要請文を貼り付けましたが、最終的に全国から118人の方がご協力くださり1,211,500円が集まったそうです。ご協力、ありがとうございます。
上映スケジュールもどんどん広がっていて、たった今は、福島市のフォーラム福島で上映中です。(明日20日まで)
5月22日から25日にはソウルでの上映が行われます。海外初めての上映として5月8日から15日にソウル環境映画祭で上映されたことに継ぐものです。
6月7日から13日には愛知で上映されます。

京都でも6月21日から京都シネマで上映。28日の上映後と29日の上映前に、豊田監督が舞台挨拶します。
その後、龍谷大学で、豊田・守田の講演と、対談が行われます。

この他、6月28日、29日には北海道帯広市でも上映が行われます。
上映については詳しくは以下の情報をチェックしてください。
http://yuigon-fukushima.com/theater/


僕も長谷川さんや豊田さんとお話するために、また飯舘のことをもう一度、しっかりと胸に刻むために、17日に大阪まで出かけて映画をじっくり観てきました。
圧巻でした!3時間45分と通常の映画2本分に、事故直後からの飯舘村の様子が淡々と淡々と描かれています。
しかもナレーションがまったく入っていない。一貫して映像の持つ力だけで、登場人物と飯舘村の光景のみせる力だけで、映画が続いていくのです。

映画の手法としてこれがどのような評価を受けるのか、僕にはとんと分かりませんが、しかし言えることは、この映画を観ることを通じて、私たちの中に「飯舘経験」とでも呼べるものが作られることです。
約4時間、私たちは飯舘村の訪問者となり、村民に寄り添う人となり、そうして村民自身ともなっていく。「村民」とは言い過ぎかもしれませんが、飯舘村の生活が私たちの中に入り込んでくるのです。
飯舘村は美しい。人々の顔も柔らかい。牛たちとの触れ合いには温かみがある。それが奪われてしまうことの切なさ、悲しさ、理不尽さへの憤り、それを私たちは体験することになる。シェアすることになるのです。


今、『美味しんぼ』をめぐって、安倍首相を筆頭に自民党閣僚が束になって攻撃を行ってきており、したり顔でこれに追従する見解を述べている人士もいますが、そもそも福島を激しく汚染したのは東京電力なのです。
そして飲み食いすら禁止されている放射線管理区域に該当する地域に、今なお、膨大な数の人々を平気で住まわせているのが、私たちの国の政府なのです。
安倍首相は「原発はコントロールされている」「汚染水は完全にブロックされている」「今も未来も健康被害はまったくない」などという大嘘すらついて、東電の罪も、政府の失政も覆い隠している。
そうして、福島の厳しい現実の一端を告発した1人の漫画家と数人の登場人物に、国家の総力を挙げてバッシングをしてきている。

話がまったく逆です。東電と政府が、福島の人々、飯舘の人々からあの美しい町を、温かく穏やかな生活を、奪い去ったのです。奪い去って、死にすらおいやったのです。
自ら命を断った話ばかりではありません。東京新聞の推計で、2013年3月31日までに約1300人の福島の人々が、「原発関連死」で亡くなってもいるのです。原発事故からの避難中の死です。
事故がなければこの膨大な数の人々は命を失うことはなかった。にもかかわらず東電からも政府からも誰一人も責任を問われてものがでてきていません。逮捕者もいません。
このあまりに理不尽な状態、法治国家とはとても言えない状態が私たちの前に厳然としてあり続けています。

映画『遺言』は、ただただ、飯舘村の人々の原発事故の中での暮らしを撮ることだけで、この理不尽さを告発しています。
それは映画が、飯舘村の人々の心の中にまで入って、飯舘村の人々の目になりきって、そこから見える世界を映し出しているからだと僕には思えます。
そのため、飯舘村の人々の、何とも言えず、魅力的で温かい思いが観ているこちらの心にまで入り込んできます。映画の中には、悲しみの中にあってなお、豊かで柔らかい笑みをたたえる飯舘の人々の姿もたくさん出ています。
だからまた一層、悲しくもあるのですが、僕はこの悲しさを体験することがとても貴重だと思います。

どうかみなさま。ぜひ映画『遺言』をご覧になってください。そして飯舘の、福島の悲しみをシェアしてください。
痛みをシェアすることで、やはり僕は少しでも飯舘の方たちの心の傷を癒して差し上げたいと思います。
もちろん本当の癒しは、東電と政府から本当の謝罪と補償を引き出すことの中でこそ果たされていくことです。そのためには原発を無くすことが絶対条件です。
しかし今、本当に理不尽な目に合されている飯舘の方たちの痛みを共有化することがとても大切です。この痛みすら理解されない、受け止めてもらえないなんていうことは、けしてあってはならない!

そのために可能な方はぜひ『遺言』をご覧下さい。また長谷川健一さんが各地を周ってくださっていますので、ぜひお近くの講演会にもお越しください。
大阪の方は5月25日の長谷川健一さんと守田の対談企画に、京都の方は6月29日の豊田直巳監督と守田の対談企画に来て下さればと思います。

なお上映予定のない地域では8月1日から自主上映が可能となるそうです。ぜひ上映委員会を立ち上げていただければと思います。
この点については以下をクリックして下さい。
http://yuigon-fukushima.com/self/

以下、大阪と京都の企画案内を貼り付けておきます!

*****

5月25日大阪市西成区

「あの日から3年〜福島は今、どうなっているか」

帰還と内部被曝
長谷川健一×守田敏也

年間20ミリシーベルトの高線量地域に帰還させるのは棄民政策です。
政府と東電の福島切り捨てに荷担したくはありません。
実害を「風評被害」とごまかし、「食べて応援」で被災者を地元にしばりつけたくありません。
内部被曝を強いる政府と東電に対し共に闘っていきましょう。

日時:5月25日(日)14時から(開場13時半)
会場:釜ヶ崎ふるさとの家にて(西成区萩之茶屋3-1-10)
主催:西成青い空カンパ
連絡:hanamama58@gmail.com
参加費:500円(資料代)

*****

6月29日京都市伏見区

「福島原発事故から3年 〜今、わたしたちにできること〜」

日時:6月29日(日) 13時開場 13時半開会
場所:龍谷大学深草キャンパス22号館 101教室

講演内容:
豊田直巳氏によるスライドトーク
<「映画『遺言』〜原発さえなければ」編集からこぼれたもの>
守田敏也氏による講演
<チェルノブイリとフクシマ後の世界で問われていること〜ベラルーシ・ドイツ・トルコを訪れて>
豊田さんと守田さんによるトーク

一人目は「豊田直巳」さん。

フォトジャーナリストにして映画「『遺言』原発さえなければ」の共同監督。
難民や戦地で虐げられる人々を追って来た方です。311以降は被災地に入り多くの写真を届けてくれました。映画「遺言」の製作過程を交えてのお話を伺いたいと思います。

#映画「『遺言』原発さえなければ」は6月に京都シネマでの上映が決定しています

二人目はお馴染み「守田敏也」さん。

京都在住のフリーライター。前回、前々回とお世話になった守田さんに今年もお願いしちゃいました。
先日は体調が優れない中、ベラルーシ・ドイツ・トルコを歴訪。また、多くのお土産を持って帰ってきてくれたとの事です。

ふしみ「原発ゼロ」パレードの会 ブログより
http://nonukesfushimi.blog.fc2.com/blog-entry-197.html

 

 

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